仕事や家事などに追われていると、家計簿に向き合う時間を作るのは至難の業。作ろうと思えば、どんなに忙しくても作れるのかもしれませんが、疲れている人や、そもそも根っからズボラな人にとって、そのハードルは高いもの。そこで前回に引き続き、そんな人にもおすすめの手間ナシ家計管理術をお教えします!
すべての買い物はクレジットカードで済ませる!
前回は、レシートを取っておいて、出費を「消費」「浪費」「投資」に分類するという家計管理術をご紹介しました。
今回は、"すべての買い物をクレジットカードで決済する"作戦についてお話します。
最初にお断りしておきますが、実は私自身は普段、カードを使うこと自体おすすめしていません。というのも、貯金ができなかったり、借金を抱えていたりする人の多くは、カードの使い過ぎで失敗しているからです。
しかし、今現在カードとうまく付き合えている人にとっては、カードは本当に便利で、なくてはならないツールのはず。そのため、ここからは"普段からカードの使い過ぎで頭を悩ませていない"という条件を満たす方に向けて、お話ししていきたいと思います。

今は、ほとんどの場所で、少額でもカード決済が可能な時代になりました。コンビニやスーパーでの買い物は、サインレスでOKの場合も多く、現金で支払うよりスピーディーかつ便利です。
カードで決済すると、記録(明細)が残ります。その記録は、カード会社のウェブサイトでマイページにログインすれば、「最近の利用状況」という形で見られる場合がほとんど(※ただし、使った場所によっては、明細に記録が反映されるまでに、タイムラグが生じることもあります)。
ウェブ明細が見られるカードなのに、まだ設定をしていない人は、すぐ挑戦してみてください。ちなみにウェブ明細は、たいてい携帯やスマホからもチェックできます。
たとえば某社のカードは、ウェブ上で利用状況をチェックすると、過去のカードの利用日、利用店舗、金額などがわかります。利用店舗や金額を見れば、自分が何にお金を使ったのか、レシートを見なくても大体思い出せるもの。ということは、すべてをクレジットカードで決済していると、家計簿がなくても、自分の大体の出費を把握できるわけです。
クレジットカードで家計管理する際のルールは、たった2つだけです。
(1)クレジットカードで買い物できない場所では、極力お金を使わない。
(2)カードの明細は月に1回程度見直す。
万一カード決済ができなかった場合は、その出費に関してメモを取り、月に1回明細を見直す際に、照らし合わせるようにしましょう。不便なようですが、自動販売機などのカードを使えない場所、使いにくい場所でお金を使うことへの抑止効果が働くことが、この方法のメリットでもあります。
明細を見直したときに「使っている回数が多すぎて、何が何だかわからない」というときは、言うまでもなく、お金をいろいろな場所で使いすぎている証拠。
私はよく「1日に財布を開ける回数をすぐ思い出せない人は、浪費傾向にある可能性が高い」とお話ししています。
みなさんは、自分が1日に何回財布を開けるかわかりますか? わからない人は、喉が乾いたら自動販売機で缶ジュース、小腹が減ったらコンビニでスイーツ…という具合に、ほとんど無意識で、湯水のようにお金を使っているはずです。カードで管理するようになれば、利用状況を見るだけで、その事実を否応なしに突きつけられるでしょう。
VISAデビットカードならどこでも使えて、使いすぎない!
しかし、カードで心配なのは、やはり使いすぎてしまうことです。あらかじめ利用限度額を引き下げておく…などの方法はありますが、冒頭でもお話ししたように、使いすぎが心配だと感じている人、あるいは、これまでカードで失敗してきた過去がある人には、私はカードをおすすめしていません。
それでも、ただ一つだけ、誰にでも推薦できるカードがあります。それが、「VISAデビットカード」です。
みなさんはVISAデビットカードをご存じですか? まだ爆発的に普及しているわけではありませんから、ご存じない方も多いかもしれません。そもそも、デビットカード自体、やや忘れられている感もあるので、デビットカードとは何か? というところからお話ししていきましょう。
デビットカードとは、"金融機関のキャッシュカードをそのまま使い、買い物などの支払いができるサービス"のこと。申し込み手続きなどは一切必要なく、普通預貯金のキャッシュカードさえ持っていれば、原則としてOKです。誤解されがちですが、「デビットカード」という名のカードが、新たに発行されるわけではありません。
デビットカードのサービスが始まったのはずいぶん前のことですが、身の回りを見ても、そこまで利用している人は多くないようです。
それはやはり、加盟店が限定的だからでしょう。店頭に「J-Debit」のマークがある店では利用できますが、それをいちいち探すのはわずらわしいもの。それよりは、大体どこででも使えるクレジットカードを利用する人が多いのも頷けます。
しかし、使ったお金が口座の残金から即時引き落とされるというのは、非常に便利なサービスです。残金がゼロならデビットカードは使えないので、クレジットカードのように、"お金がないにもかかわらず使いすぎる"ということはありません。
そんなデビットカードのメリットに加え、加盟店が限定的というデメリットを補ったのが、VISAデビットカードなのです。
貯金分を振り分けたら、残金をVISAデビットで管理
VISAデビットカードは、J-Debitのマークがない店でも、VISAが使える店であれば、基本的にはどこででも利用可能です(一部利用できない店舗もあります)。
しかも、従来のデビットカードは国内限定のサービスですが、VISAデビットカードは海外でも、VISA加盟店であれば基本的に使えます(一部店舗では使用できない場合があります)。現金が必要なときは、海外のATMから口座の現金を現地通貨で引き出すことも可能。つまり、このカードさえあれば、無計画にお金を使いすぎることなく(使いすぎても最悪自分の口座が空っぽになるだけ)、どこでもスマートに支払いができ、なおかつカードのポイントまで貯まっていくわけです。
家計管理をするにあたっておすすめしたいのは、給料日などに毎月貯金する分をどこか別の口座に振り分け、残金をVISAデビットカードの口座で管理する方法です。これならば、「使っていい金額=銀行残高」ということになるので、非常に明快でしょう。もちろん、VISAデビットもウェブ明細を見ることは可能です。
クレジットカードのように、使ったタイミングと実際に支払うタイミングにズレがあると、時としてやりくりに困窮しがちですが、デビットカードの場合はそうした問題がありません。つまり、お金がなければ使えない。だからこそ、クレジットカードを"お金がないのに使ってしまいがち"な人にも向いているのです。
ただし、VISAデビットカードにはまだそれほど種類がありません。現時点で導入しているのは、ジャパンネット銀行、スルガ銀行、楽天銀行、りそな銀行くらいのもの。利用するには、これらの銀行の口座を持つ必要があります。
ただ、水面下では新規で導入を検討している銀行もあるようなので、この先もっとサービスが拡大し、利用者が増えていく可能性は高いでしょう。
ちなみに、VISAデビットカードは普通のクレジットカードと違って、高校生でも持つことができるので、私は自分の娘にも持たせています。10代のうちからカードに触れ、自分のお金(お小遣いですが)を管理する術を学んでくれるといいのですが……。
さて、次回は家計管理をサポートする便利ツールや、電子マネーを使った家計管理についてお話します。お楽しみに!
(構成/元山夏香 イラスト/斎藤ひろこ)
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【2025年3月24日時点・最新情報】
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード(NL) |
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0.5~7.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
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【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※)する! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円分」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。カード現物のタッチ決済、iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。 |
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【関連記事】 ◆「三井住友カード(NL)」は年会費無料+高還元+最短10秒発行の“三拍子”が揃ったおすすめカード!「対象コンビニ&飲食店で最大7%還元」特典は利用価値あり! ◆「三井住友カード(NL)」は、年会費無料&対象コンビニで最大還元率7%のお得なクレジットカード! カード情報を記載していないのでセキュリティも抜群! |
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◆三菱UFJカード |
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0.5~5.5% (※1) |
永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
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【三菱UFJカードのおすすめポイント】 通常還元率は0.5%だが、セブン‐イレブンなどのコンビニのほか、オーケー、松屋、ピザハットオンライン、スシロー、くら寿司などでの利用分は還元率5.5%の高還元に!(※1)カード利用で貯まる「グローバルポイントは、スマートフォンアプリ「MUFGカードアプリ」を利用することで「Amazonギフトカード」「Apple Gift Card」「Google Play ギフトカード」などのギフトカードに“即時交換”できるのもメリット! また、2024年8月から年会費が“永年無料”になって、さらにお得なクレジットカードになった。 ※1「1ポイント=5円相当」の商品に交換した場合の還元率。還元率5.5%はセブン‐イレブンなどの対象店舗で利用した場合(AMEXブランドのみ一部加盟店が5.5%還元特典の対象外)。各社の利用金額は合算されず、各社単位の1カ月の利用金額合計1000円ごとにポイントを付与。なお、Apple PayはQUICPayでの利用が対象(Apple PayとQUICPayはMastercardまたはVisaのみ利用可能)。 |
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【関連記事】 ◆「オーケー」「オオゼキ」「東武ストア」などのスーパーでも5.5%還元になる「三菱UFJカード」は主婦にもおすすめ! コンビニや飲食店だけでなくスーパーでもお得! ◆「三菱UFJカード」の年会費が“永年無料”になり、最大5.5%還元の対象加盟店も大幅に追加! スシロー、くら寿司、オーケーなどでもお得にポイントが貯まる! |
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◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード |
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0.3~1.5% (※1) |
3万9600円 | AMEX | - |
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【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】 日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールド・ダイニング by 招待日和」や、世界1300カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」、最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。 ※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。 |
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【関連記事】 ◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードは“プラチナ”を超える“ゴールド”! 日本初のゴールドカードを受け継ぐ「新生ゴールド」を解説! ◆【アメリカン・エキスプレス・カードを一覧で比較】アメックスが発行する13枚のカードの年会費や特典、還元率を比較して、自分にピッタリの1枚を探そう! ◆アメックスの新規入会キャンペーンをまとめて紹介!「アメリカン・エキスプレス」の入会特典で、ポイントやマイルをお得に獲得しよう! |
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還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード ゴールド(NL) |
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0.5~7.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD |
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【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード ゴールド(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトで要確認。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。カード現物のタッチ決済、iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。 |
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【関連記事】 ◆「三井住友カード ゴールド(NL)」は、年100万円以上を使うと年会費が“永年無料”に! コンビニで7%還元、空港ラウンジや旅行保険などの特典も付帯してお得! ◆三井住友カード ゴールド(NL)のメリット・デメリットを解説! 同じく“実質”年会費が無料の「エポスゴールドカード」と付帯サービスなどを比較して魅力を解剖! |
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◆JCB CARD W(ダブル) |
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1.0~10.5% (※) |
永年無料 | JCB | QUICPay |
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【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、スターバックスでは「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%、「Starbucks eGift」の購入で還元率10.5%に! ※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」に交換した場合の還元率。 |
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【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~10.5%のJCBの入門カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
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◆楽天カード |
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1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
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【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
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