前回は、固定費の見直し方をお話ししました。そこで、今回は変動費――すなわち、“やりくり”によって節約できる費目の見直し方法を、お話ししたいと思います。変動費は固定費と違い、その人の節約意識や工夫次第で、大きく削減できる場合があります。節約モチベーションを高め、できるだけムダのないようにお金を使っていきましょう。
今の時代、家計圧迫要因で上位に来るのは「スマートフォン」
やりくりできる費目といえば、代表的なのが食費。それに被服費、理美容費、娯楽費、子ども費(教育費以外。おむつ代など)も、やりくりできる変動費です。固定費にくくられることもありますが、努力次第で節約できるのが水道光熱費、通信費、交通費など。細かく挙げるとほかにもありますが、ここでは以上を変動費と定義したいと思います。
やりくりというと、すぐに食費や水道光熱費を思い浮かべる人が多い傾向があります。もちろん、これらは日々の努力ですぐに節減でき、効果を実感しやすい費目です。ただ、度を超えたムダ遣いをしている場合以外、それよりも先に見直すべき費目があると私は考えています。それは、通信費です。
家計相談を受けていると、通信費が高すぎて家計を圧迫している例がかなり多くなっています。

敗因は、やはり携帯電話、とりわけスマートフォンです。今どき、小学生でも携帯電話を持つことが当たり前のようになっていますが、最近ではスマートフォンが普及し、大人はもちろん、子どもでもスマートフォンを持つ割合が増えてきました。
中学生でもクラスの大半がスマートフォンを持っていて、普通の携帯電話やPHSを所有している子どもはごく一握り――といったケースも多いようです。
「中学生にスマートフォンが必要か」という問題はさておき、仮に両親・子ども2人の家族で、全員がスマートフォンを持っていたら、そして子どもの電話料金を親が負担していたなら、家計から出費する毎月のスマートフォン代は、4万円を超えてしまうこともあります。スマートフォン代4万円、固定電話代で約2000円、プロバイダ料金を4000円ほど支払い、月々の通信費が5万円前後という家計も、これまで何度となく目にしてきました。
子どものスマートフォン代は「お小遣い作戦」の導入で乗り切る
毎月5万円といえば、だいたい1カ月の家族の食費と同等か、食費より高い場合も多いのではないでしょうか。個人的には、食べるものにかけるお金より、通信費のほうが高いというのは、かなりアンバランスな状態だと思います。
それでも「スマートフォン代はどうしても削れない」という相談者が多いのも事実です。では、スマートフォンは持つという前提で考えてみましょう。
もし、お子さんが「クラスメートもみんなスマートフォンだから」などの理由で、「どうしてもスマートフォンが持ちたい」といい張ったとします。その場合、たとえば自分のお小遣いから、一部料金を支払ってもらうようにしてはどうでしょうか?
そこまでして持ちたいならOKとし、それができないならPHS(ウィルコム)などにするのがおすすめです。子どもに限りませんが、LINEなどを利用せず、移動中にネットを見ることもそれほどない人なら、普通の携帯電話やPHSで充分でしょう。ウィルコムなら、月額定額使用料は1450円~(学割を適用など)ですみますし、ウィルコムどうしの通話は常に無料。スマートフォンに比べると格段に安いのです。
スマートフォンを使っているなら、各種割引制度を最大限に使い、できる限り安くする方法を模索してみてください。家族で同じ会社のスマートフォンを使ったり、2年間継続利用を約束したり、対象機種を購入することで割引を受けられ、数千円単位で料金を引き下げられることもあります。割引の活用、さらにオプションサービスの見直し・カットにより、スマートフォンを毎月4000~5000円くらいで利用している人もいるのです。
「自分では難しい」と思うなら、携帯電話各社のショップに足を運び、腰を据えて相談をしてみましょう。
また、テザリング(スマートフォンをアクセスポイントにして、パソコンなどをネットにつなぐサービス)を利用して、プロバイダ料金をゼロにしたり、家の固定電話を思い切ってなくしてしまうなどして、少しでも通信費を引き下げる工夫をしたいものです。
インターネットのフル活用で、食費も子ども費も安くなる!
通信費の話が長くなってしまいましたが、ここからは、ほかの費目についてお話しします。
「使いすぎてしまう」という声が依然として多いのは、やはり食費(特に外食費)や子ども費(特に子どものおもちゃ、衣料品代)、被服費です。これらは、今後の消費増税でさらに負担感が増す部分ですから、買う店や買う方法なども検討し直したほうがよいかもしれません。
具体的にいうと、今まで以上にインターネットのサービスに注目し、活用すべきだと思います。ネット上には、モノやサービスをおトクに利用する方法がたくさんあります。
たとえば、子ども費に悩んでいる方には、amazon.comの「amazonファミリー」がおすすめです。登録すれば、「Amazon定期おトク便」で、おむつとおしりふきが15%割引、5000円以上のベビー用品の買い物で使える3900円クーポンがもらえるなど、子どもがいる人に便利なサービスが充実しています。おむつなどのかさばる荷物を店舗より割安で買えることもあるのですから、利用しない手はないでしょう。
食費・外食費は、ネットで手に入る飲食店のクーポンの利用を徹底するのは当たり前。また、ネットスーパーを利用するのもおすすめです。ネットスーパーは予算を決めて買い物すれば、店舗で実際に商品を眺めながら買うよりも、じっくり考えて冷静に判断ができます。送料の安い日を選び、まとめ買いすれば、実店舗よりおトクに、しかも荷物を運ぶ手間なく買い物できるのです。
また、ご存じの方も多いかもしれませんが、シーンに合わせて洋服やバッグなどを安い料金でレンタルできるサービスも増えています。ネット上で商品を選び、送られてくるのを待つだけ。特にフォーマルウェアは充実しており、やみくもにモノを増やしたくない人にはうってつけです。
もちろん、各ネットショップのポイントを貯めたり、楽天スーパーセールなどのように、おトクに買い物ができるチャンスをうまく活用することも不可欠です。
ただ、ネットショッピングは便利さゆえにお金を使いすぎてしまう心配もあります。そのため、『VISAデビットカード』(VISAのマークがある場所で使え、使った金額が即時口座から引き落とされる)を利用し、口座に予算を入れておいて、使いすぎを防止するのも手でしょう。
どれも簡単に始められて、家計の負担を減らせる方法です。次回は、家計がうまく回り始めたところから考えたい、投資のお話をしたいと思います。
※クレジットカードの専門家2人が選んだ、2023年の最強カードは?
⇒【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】
「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!
全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
【2025年3月24日時点・最新情報】
|
||||
還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード(NL) |
||||
0.5~7.0% | 永年無料 | VISA Master |
iD |
![]() |
【三井住友カード(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない「ナンバーレス(NL)」なのが特徴(カード番号はアプリで確認可能)。通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※)する! さらに、獲得できる「Vポイント」は、dポイント、Pontaポイント、楽天ポイント、ANAマイルなどに交換できるほか、「1ポイント=1円分」としてカード利用額に充当できるなど、ポイントの汎用性が高いのも魅力! ※ 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。カード現物のタッチ決済、iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。 |
||||
【関連記事】 ◆「三井住友カード(NL)」は年会費無料+高還元+最短10秒発行の“三拍子”が揃ったおすすめカード!「対象コンビニ&飲食店で最大7%還元」特典は利用価値あり! ◆「三井住友カード(NL)」は、年会費無料&対象コンビニで最大還元率7%のお得なクレジットカード! カード情報を記載していないのでセキュリティも抜群! |
||||
◆三菱UFJカード |
||||
0.5~5.5% (※1) |
永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
- |
![]() |
【三菱UFJカードのおすすめポイント】 通常還元率は0.5%だが、セブン‐イレブンなどのコンビニのほか、オーケー、松屋、ピザハットオンライン、スシロー、くら寿司などでの利用分は還元率5.5%の高還元に!(※1)カード利用で貯まる「グローバルポイントは、スマートフォンアプリ「MUFGカードアプリ」を利用することで「Amazonギフトカード」「Apple Gift Card」「Google Play ギフトカード」などのギフトカードに“即時交換”できるのもメリット! また、2024年8月から年会費が“永年無料”になって、さらにお得なクレジットカードになった。 ※1「1ポイント=5円相当」の商品に交換した場合の還元率。還元率5.5%はセブン‐イレブンなどの対象店舗で利用した場合(AMEXブランドのみ一部加盟店が5.5%還元特典の対象外)。各社の利用金額は合算されず、各社単位の1カ月の利用金額合計1000円ごとにポイントを付与。なお、Apple PayはQUICPayでの利用が対象(Apple PayとQUICPayはMastercardまたはVisaのみ利用可能)。 |
||||
【関連記事】 ◆「オーケー」「オオゼキ」「東武ストア」などのスーパーでも5.5%還元になる「三菱UFJカード」は主婦にもおすすめ! コンビニや飲食店だけでなくスーパーでもお得! ◆「三菱UFJカード」の年会費が“永年無料”になり、最大5.5%還元の対象加盟店も大幅に追加! スシロー、くら寿司、オーケーなどでもお得にポイントが貯まる! |
||||
◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード |
||||
0.3~1.5% (※1) |
3万9600円 | AMEX | - |
![]() |
【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】 日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールド・ダイニング by 招待日和」や、世界1300カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」、最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。 ※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。 |
||||
【関連記事】 ◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードは“プラチナ”を超える“ゴールド”! 日本初のゴールドカードを受け継ぐ「新生ゴールド」を解説! ◆【アメリカン・エキスプレス・カードを一覧で比較】アメックスが発行する13枚のカードの年会費や特典、還元率を比較して、自分にピッタリの1枚を探そう! ◆アメックスの新規入会キャンペーンをまとめて紹介!「アメリカン・エキスプレス」の入会特典で、ポイントやマイルをお得に獲得しよう! |
||||
還元率 | 年会費 (税込) |
ブランド | 電子マネー対応 (ポイント付与対象) |
カード フェイス |
◆三井住友カード ゴールド(NL) |
||||
0.5~7.0% |
5500円 (ただし、年100万円以上の 利用で次年度から永年無料) |
VISA Master |
iD |
![]() |
【三井住友カード ゴールド(NL)のおすすめポイント】 券面にカード番号が記載されていない“ナンバーレス(NL)”のゴールドカード。年会費5500円(税込)だが、年間100万円を利用すると(※1)、次年度から年会費が“永年無料”になるうえに、1万ポイントが「継続特典」としてもらえるのが大きな魅力! さらに、通常還元率は0.5%と一般的なクレジットカードと同等だが、Apple PayやGoogle Payに「三井住友カード ゴールド(NL)」を登録して「Visaのタッチ決済」または「Mastercardタッチ決済」を利用すれば、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、サイゼリヤ、バーミヤンなど、対象のコンビニや飲食店では還元率7%に大幅アップ(※2)するなど、ポイントも貯まりやすくてお得! ※1 対象取引などの詳細は、三井住友カードの公式サイトで要確認。※2 一部店舗および一定金額を超える支払いでは指定の決済方法を利用できない場合、または指定のポイント還元にならない場合あり。カード現物のタッチ決済、iD、カードの差し込み、磁気取引による決済は7.0%還元の対象外。Google PayではMastercardタッチ決済は利用不可。 |
||||
【関連記事】 ◆「三井住友カード ゴールド(NL)」は、年100万円以上を使うと年会費が“永年無料”に! コンビニで7%還元、空港ラウンジや旅行保険などの特典も付帯してお得! ◆三井住友カード ゴールド(NL)のメリット・デメリットを解説! 同じく“実質”年会費が無料の「エポスゴールドカード」と付帯サービスなどを比較して魅力を解剖! |
||||
◆JCB CARD W(ダブル) |
||||
1.0~10.5% (※) |
永年無料 | JCB | QUICPay |
![]() |
【JCB CARD W(ダブル)のおすすめポイント】 39歳以下の人だけが申し込める、年会費無料のうえに通常還元率1%のお得な高還元クレジットカード!(40歳以降も継続して保有可能)さらに「ORIGINAL SERIESパートナー加盟店」の「ポイントアップ登録(無料)」をすれば、Amazonやセブン-イレブンなどでは還元率2%、スターバックスでは「スターバックスカード」へのチャージで還元率5.5%、「Starbucks eGift」の購入で還元率10.5%に! ※貯まったOki Dokiポイントを「JCB PREMO」に交換した場合の還元率。 |
||||
【関連記事】 ◆「JCB CARD W」は「楽天カード」などとほぼ同じ、年会費無料+還元率1~10.5%のJCBの入門カード!Amazonやスタバをよく利用する20~30代は注目! ◆「JCB CARD W」は、年会費無料で還元率1%以上のお得な高還元クレジットカード!「JCB CARD W」のメリット・デメリットを他のカードと比較して検証! ◆JCB CARD W(ダブル)のメリットを解説!「年会費無料」「常に還元率1.0%以上」「ポイントの使い勝手が良い」と三拍子そろった高還元クレジットカード! |
||||
◆楽天カード |
||||
1.0~3.0% | 永年無料 | VISA JCB Master AMEX |
楽天Edy (楽天Edyへの チャージ分は 還元率0.5%) |
![]() |
【楽天カードのおすすめポイント】 楽天市場や楽天ブックス、楽天トラベルを利用している人はもちろん、楽天ユーザー以外にもおすすめの「年会費無料&高還元」クレジットカードの代表格。通常還元率は1.0%だが、楽天市場や楽天ブックスでは最低でも還元率が3.0%以上に! また、「楽天ポイントカード」や電子マネーの「楽天Edy」との併用で、楽天グループ以外でも還元率は1.5~2.0%以上になる! ゴールドカードの「楽天プレミアムカード」も格安の年会費で「プライオリティ・パス」がゲットできてコスパ最強! |
||||
【関連記事】 ◆【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】「おすすめクレジットカード」を2人の専門家が選出!全8部門の“2023年の最優秀カード”を詳しく解説!(最優秀メインカード部門) ◆「楽天ポイント」のお得な貯め方を解説!【2024年版】「楽天カード+楽天銀行+楽天証券」など、楽天市場のSPUでお得にポイントが貯まるサービスを活用しよう! |
||||