日本からヨーロッパやアメリカへ飛行機で移動するとなると、フライト時間は10時間を超えるのが一般的である。ロングフライトの場合は、体調面を考えてもできればビジネスクラスに搭乗したいところだ。しかしながら、ビジネスクラスとエコノミークラスの料金差を考えると、大枚をはたける人は限られるのではないだろうか?
日本からヨーロッパやアメリカまでのビジネスクラスチケットとなると、どんなに安いチケットを見つけたとしても、サーチャージ込みで30万円ほどになる。家族で旅行となると、エコノミークラスとの差額を負担できるだけの経済力のある人は限られる。
さらにファーストクラスとなると、アメリカやヨーロッパを往復する場合、100万円を超えるのが当たり前である。ちなみにJALの場合、ファーストクラスには割引運賃が設定されておらず、ヨーロッパ往復の普通運賃は250万円強とまさに高嶺の花となっている。
では、「一般庶民が、国際線長距離のファーストクラスに乗るのは不可能か?」と問われれば、筆者は「そうではない」と答えたい。それは筆者自身、これまでに2回ファーストクラスに搭乗した経験があるからだ。その2回とも「アップグレード」であったが、その体験を以下に記すので、参考にしていただければ幸いである。
初めてファーストクラスは、有料でのアップグレード
1回目のファーストクラスは、ブラジルのサンパウロからアラブ首長国連邦のアブダビまで、15時間のフライトだった。航空会社はエティハド航空。筆者は特典航空券のビジネスクラスチケットを所持していたが、サンパウロの空港でチェックインしようとしたとき、「待ってました」とばかりに待ち受ける係員の姿があった。
係員は、ファーストクラスの「機内写真アルバム」のようなものを持ち出し、「1人600ドルの追加料金で、アブダビまでのフライトをファーストクラスにアップグレードします」というプレゼンテーションを始めた。
当時のレートは1ドル約100円。2人で約12万円と決して安い金額ではなかったが、「二度とない経験かも知れない」と考え、思い切ってアップグレードしてもらった。こちらも嬉しかったが、先方の係員もかなり喜んでいたのが印象的だった。
ちなみにこのときは、ファーストクラス12席のうち、筆者らを含めて埋まっていたのは4席のみだった。
2回目のファーストクラスは、なんと無償でアップグレード
2回目は、アブダビから成田まで、10時間のフライトだった。こちらもエティハド航空である。このときはナイロビからの乗継ぎで、筆者は「ナイロビ⇒アブダビ」「アブダビ⇒成田」のビジネスクラス特典航空券を所持していた。
アブダビの空港での乗継ぎのとき、すでにビジネスクラスの搭乗券を取得していたので、搭乗ゲートまで向かい(ビジネスクラスの搭乗券を)係員に差し出したところ、バーコードスキャンでアラームが鳴った。
係員が端末を操作し、搭乗券をプリントし直してくれたのだが、そこには「FIRST」の文字があった。よく見ると座席が再指定されており、ファーストクラスの座席番号に変わっていた。
このフライトでは、ファーストクラス12席がすべて埋まっていたが、通常、繁忙期といえどもファーストクラスが満席になることは考えにくく、周囲のお客さんを見てもアップグレードの方が多かったと推測される。
なぜ無償のアップグレードが行われたのか?
では、なぜ筆者は幸運にもファーストクラスへアップグレードされたのであろうか? この点においては、航空会社の経営方針にも関わることなので、想像するほかないが、いくつかのポイントが考えられる。
まずは、「ビジネスクラスの予約がないとファーストクラスへのアップグレードは難しい」という点である。ただし筆者の場合、2回とも特典航空券からのアップグレードだったので、有償のチケットか特典航空券かという点は問われないようだ。
2つ目は、今回、筆者が予約していたビジネスクラスの座席配置が、「E」と「F」という2人がすぐ横に並びあう2席であったことも関係しているだろう。航空会社の座席配置を検索できる「シートグル」というWebサイトがあるが、このサイトを見ていただければわかるとおり、エティハド航空878便(機材はエアバス340-500)において、28席あるビジネスクラス座席の中で隣り合うカップルシートは4組しかない。このカップルシートを予約していたことが、アップグレードの原因となった可能性がある。
エティハド航空の「成田⇔アブダビ」線は、日本からヨーロッパへの旅行者も多く利用している。中には新婚旅行の方も多く、往路のビジネスクラスで座席が近くだったカップルも新婚旅行でベニスに行く途中で、チェックイン時に空港でアップグレードしたと語っておられた。
あくまで推測にすぎないが、復路のアブダビから成田までの878便で、エコノミーからビジネスへのアップグレードを希望する方がいて、ビジネスクラス2席を予約していた筆者が、幸運にも玉突き式にファーストへアップグレードされたと考えられる。
ファーストクラス1人分の座席スペースは、
エコノミークラス約6席分の面積を占める
どんな理由であれ、ファーストクラスにアップグレードされた筆者は、ファーストクラスの座席とサービスを満喫することができた。食事や飲み物は、メニューリストにあるものを好きなときに好きなだけいただくことが可能だった。ポーチ入りのアメニティやスリッパだけでなく、パジャマまで提供(持ち帰り可能)された。
就寝時にはマットレスを敷いてくれるが、全長は2m越え、左右にもゆとりがあって寝返りも打てた。ファーストクラス1人分の座席スペースが、エコノミークラス6席分くらいの面積を占めるので、とてもゆとりを感じられた。
それだけにファーストクラス料金は高額になるのだが、筆者の周囲で「ファーストクラス体験者」の話を聞いてみても、多くの方が「アップグレード」だったり「特典航空券」だった。
ちなみに、エティハド航空の「日本⇔中東・アフリカ」間の特典航空券を得るのに必要なマイル数は、ANAマイルを使用する場合、1人あたりビジネスクラスで10万8000マイル、ファーストクラスで20万4000マイルとなっている。
ファーストクラスで2人となると、合計40万マイル以上とかなりの数字になる。さらに、実際に2席のファーストクラス特典航空券を予約するのは、よほどのラッキーがないと難しい。2人での旅行であれば、ビジネスクラスの特典航空券からのアップグレードを狙うのが現実的な方法だと筆者は考える。
以上、今回は、ビジネスクラスからファーストクラスへアップグレードした筆者自身の経験をもとに、ファーストクラスに関して考察してみた。「推測」がかなり含まれている記事ではあるが、少しでも参考にしていただければ幸いである。
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◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード |
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0.3~1.5% (※1) |
3万9600円 | AMEX | - | |
【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】 日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールド・ダイニング by 招待日和」や、世界1400カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」、最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。 ※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。 |
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【関連記事】 ◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードは“プラチナ”を超える“ゴールド”! 日本初のゴールドカードを受け継ぐ「新生ゴールド」を解説! ◆【アメリカン・エキスプレス・カードを一覧で比較】アメックスが発行する15枚のカードの年会費や特典、還元率を比較して、自分にピッタリの1枚を探そう! ◆アメックスの新規入会キャンペーンをまとめて紹介!「アメリカン・エキスプレス」の入会特典で、ポイントやマイルをお得に獲得しよう! |
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