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【2026年投資戦略】米国株は20%近い大幅調整の可能性も!? 割安な日本、欧州、中国などの株式に注目! 企業の真の稼ぐ力とインフレ動向を見極めたい

2025年12月24日公開
ポール・サイ
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 現在の米国株市場は、最高値を更新し続ける華やかな「強気相場」の真っ只中にあります。しかし、投資家として冷静に見極めるべきは、その数字の裏側にある「実態」です。

近年のS&P500は驚異的な伸びを見せているが、そのリターンは高インフレによって大きくかさ上げされている点に注意

 2022年の安値から直近まで、S&P500は91%という驚異的な伸びを見せていますが、これは名目上の数字です。近年の高インフレがこの数字を大きくかさ上げしている事実に注意しないといけません。物価の影響を除いた「実質リターン」で見ると、実はこの数字は73%程度に留まるのです。

S&P500S&P500指数チャート/週足・5年(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます

 これは2009年からの強気相場が記録した実質147%という上昇に比べれば、まだ半分強というレベルであり、「見た目ほど力強くない」市場の実態をインフレが覆い隠しているという側面があります。

株式相場のエンジンも変化し、期待感による買いから、利益の成長が主役となるフェーズへ移行

 株式相場のエンジンも変化しています。

 これまでは期待感による買いが先行してきました。PERなどのバリュエーション指標が拡大していくことが株価上昇の大きな要因となっており、バリュエーションが割高な水準まで買われてきたのです。

 しかし、現在は企業が実際に稼ぎ出す「利益の成長」が主役となるフェーズへ移行してきました。

 現在、市場は今後3~5年で年率12%という力強い利益成長を確実視しています。しかし、この期待はすでに株価に織り込まれており、株式のリスクプレミアムの観点からは、現状は「やや割高」な水準です。

 もし、企業の利益成長が過去平均の6~7%程度に鈍化するようなことがあれば、米国株式市場は20%近い大幅な調整を余儀なくされる可能性を秘めています。

日本、欧州、中国など、バリュエーション的に魅力のある株式市場へ視点を広げたい

 米国株式市場における相場の牽引役は、依然として「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる一部の巨大IT企業に集中しています。AI開発や設備投資の波はまだ続くため、この集中傾向は当面継続するでしょう。しかし、強気相場が真に持続するためには、一部の巨人に頼るだけでなく、幅広い銘柄に買いが広がる「ブロードニング」が不可欠です。

 そこで注目したいのが、視点を広げたグローバルな投資機会です。

 まず検討すべきはEAFEへの分散投資です。EAFEはアメリカ・カナダを除く先進国市場のことで、具体的には日本、欧州、オーストラリアが含まれます。EAFEは米国株に比べてバリュエーションが魅力的な水準であり、健全な選択肢となります。

 また、地政学リスクによって割安になっている中国株市場にも目を向ける価値があります。特に自動運転技術などの先端分野で世界をリードする成長企業は、リスクを上回る投資チャンスを秘めています。

2026年は企業の「真の稼ぐ力」と「インフレの動向」を冷静に見極める投資方針で

 最後に、今後の運命を握るのがFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策です。

 トランプ政権による政治的圧力を背景に、現在は利下げサイクルに入りやすい環境にあり、これは本来、新興国市場などにとって大きな追い風です。

 しかし、アメリカ国内にはインフレが完全には退治されていないというジレンマが残っています。FRBは政治的な声に押されて政策金利を下げすぎることなく、インフレの再燃を厳重に監視しなければなりません。

 2026年に向けた投資方針は明確です。「名目上の数字」という魔法に惑わされず、企業の「真の稼ぐ力」と「インフレの動向」を冷静に見極めること。そして、特定の巨人に依存せず、世界に目を向けた柔軟なポートフォリオを構築することこそが、この不透明な時代を勝ち抜く鍵となります。

 

 

●ポール・サイ  ストラテジスト。外資系資産運用会社・フィデリティ投信にて株式アナリストとして活躍。上海オフィスの立ち上げ、中国株調査部長、日本株調査部長として株式調査を12年以上携わった後、2017年に独立。40代でFIREし、現在は、不動産投資と米国株式を中心に運用。UCLA機械工学部卒、カーネギーメロン大学MBA修了。台湾系アメリカ人、中国語、英語、日本語堪能。米国株などでの資産運用を助言するメルマガ「米国株&世界の株に投資しよう!」を配信中。1初の著書『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』発売中。

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