上場企業全体を対象とした倒産危険度ランキングに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で、甚大な打撃が避けられない13業種について、それぞれ業種別のランキングを作成した。特集『大失業時代の倒産危険度ランキング』(全29回)の#11では電機業界を取り上げる。34社が危険水域に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
一発逆転狙った中国市場への進出があだ
真正面からコロナショックを受ける
電機業界倒産危険度ランキングトップのウインテストは、生産拠点を中国・武漢に作り、そのためにコロナ禍に直撃された。
同社は半導体や液晶の検査装置の開発、設計、製造、販売が主力の会社。もともと顧客の9割以上が国内勢であったため、日本の半導体産業の凋落に合わせて業績が落ち込んでいった。
2006年7月期よりランキングの集計対象となる19年7月期まで、なんと14期連続で赤字を計上し続け、繰り越し損失を拡大させた。加えて、19年7月期の純損失が前期に比べて77%増加し、6億3300万円となったことが低スコアの原因だ。全体の倒産危険度ランキングでも4位である。
起死回生を狙い台湾、中国に新たな顧客を求め、18年10月には中国出身の姜輝氏が社長に就任した。19年9月には、中国の武漢精測電子集団に26億円の第三者割当増資を実施し、11月に武漢に生産拠点を持つ子会社を設立した。そのかいあってか、台湾の顧客から大口の受注を獲得し、20年7月期は15期ぶりに黒字を計上する見込みだった。
しかし、コロナ禍が同社の見込みを狂わせる。新型コロナウイルス感染拡大で、その渦中の地である武漢工場の一時休止を余儀なくされた。加えて、顧客の生産活動も減速し、出荷が後ずれすることとなった。その結果、6月には20年7月期の業績見通しを未定に変更した。
さらに、同社にとって泣きっ面に蜂の事態が起こる。2月に発表した台湾の蔚華科技を割当先とする第三者割当増資が中止となった。それはなぜか。