超楽チン理解 決算書100本ノック#4
Photo by Hiroyuki Oya

米大統領選挙でバイデン氏の勝利が確実になったことで、GAFA解体論に注目が集まっている。ユーチューブ、アップストア、インスタグラム、マーケットプレイス……。特集『超楽チン理解 決算書100本ノック』(全17回)の#4では、デジタル市場の世界で“王”として君臨するGAFAのビジネスの何が問題で、どう解体される可能性があるのかを探った(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)。

「今や石油王のような独占企業」
450ページの報告書が指摘した「富と権力の集中」

 かつては現状を打破しようと挑戦してきた弱きスタートアップが、今や石油王や鉄道王の時代に見たような独占企業になっている――。

 GAFA解体。米大統領選挙で民主党のジョー・バイデン氏の勝利が確実になったことで、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムのGAFAと呼ばれる米巨大IT企業の規制の行く末が争点になり始めた。

 10月上旬、米議会下院の小委員会は「デジタル市場の競争に関する調査」と題した報告書をまとめた。小委員会が16カ月にわたって調べたのは、日本の独占禁止法に当たる反トラスト法に違反する行為をGAFAがしていないかどうかだ。

 約450ページに及ぶ報告書は、独占的に市場を支配するGAFAが、自らの優位性を活用することで適正な競争やイノベーションを損ねていると主張。10年後にはGAFAが世界の総経済生産高の30%を握る可能性があるとした上で、「“支配的なプラットフォーム”を監視しないままでいると、富と権力がさらに集中するリスクがある」と指摘している。

 その上で、公正な競争環境を回復させるためには、事業の「構造的分離」や、本業と近い分野での事業の制限、企業の統合・買収に関する法律の強化などが必要だと提言した。

 この報告書は民主党の議員が主導して取りまとめた。企業の規制強化に慎重な共和党の議員は賛同していない。それが、バイデン新大統領の誕生が確実になったことで、今後のGAFA規制の方向性を示すたたき台として注目を集めている。

 報告書では、GAFAのどの事業をどのように分割すべきかまでは名指ししていない。しかし、報告書で指摘された各社のビジネスの問題点から、GAFA解体の青写真を推測することができる。

 新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、2020年7~9月期のGAFAは4社とも増収を達成。デジタル世界の“王”として君臨して稼ぎまくるGAFAに、どのようなメスが入る可能性があるのか。