韓国で45万部の超ロングセラーが発売から7年、いよいよ日本に上陸。韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、学生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。執筆に8年かかったとされる『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。
今回は、『勉強が面白くなる瞬間』に推薦をいただいた『自宅学習の強化書』著者・葉一氏にインタビュー。「とある男が授業をしてみた」を運営する学生のカリスマ的存在。両書とも、ターゲットは学生であり、その保護者。コロナ禍で独習が当たり前になってきたが、自分でやる気を奮い立たせる、または、継続するのは、大人でも至難。勉強に取り組むには、どうするといいのか? 教育系YouTuberに、本書の魅力をうかがった。

親がわが子の「先生」に向いていない理由Photo: Adobe Stock

親が子に対してやってはいけないこと

親がわが子の「先生」に向いていない理由葉一(はいち)
東京学芸大学を卒業後、営業職、塾講師を経て独立。2012年にYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を開設。小学校3年生から高校3年生対象の授業動画や、学生の悩み相談にこたえる動画を投稿している。チャンネル登録者175万人、再生回数は5億回を超える。著書に『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書』(フォレスト出版)などがある。

――お子さんが2人いらっしゃるとのことですが、親として気を付けていることはありますか?

 親の役割はいろいろとあると思うんですけど、「選択肢を見せる」ことが親の役割だと思っています。「こういうレールはあるよ」と見せますけど、決めるのは本人。

 たとえば、習い事をするにしても、選択肢を提示している。決めつけないことも心掛けています。

「〇〇をやりたい!」というものに関しては、「やってはいけない」とは言いません。ただ、リスクを説明するようにしています。

「YouTubeをやりたい」と言ったら、それなりのリスクを説明しなければ、と。

――親としては、やはり子どもに勉強してほしいと思うが、なかなかうまくいかない家庭が多いようです。

 勉強に限って、親子でやるのは難しいですよね。塾講師をやっているときも、学校の先生のお子さんを担当することが多かったんですが、まだ自分が若かったころ、不思議に思っていたことがあるんです。こんなやりとりがありました。

「学校の先生なら、自分で教えられるじゃないですか?」
「親子だとうまくいかなくなるんですよ」

 それを親になった今、すごく実感しています。

 当時、いろいろな親御さんの意見を聞いてわかったことがあるんです。親子関係がうまくいっている家と、ギクシャクしている家の違いです。

 基本的に、親は子に対して、「期待をしている」ものです。ただ、きつくあたっている親御さんは、どこかで「あきらめ」が入っている。あきらめの気持ちがあるけど、それに抗う気持ちがあって、きつく当たっているように感じます。

 反対に、うまくいっている家は、「本当に子どもが変われる」と心から信じている。応援したいというモチベーションがあるんです。

 同じ期待なのに、根底が違う。「この子が変わるための応援をしたい」。これがあるかどうかが大事ですね。

 あとは、「親があせらない」ことです。

――あせると、言動にあらわれる?

 わかりやすく、出てしまいますね。自分も気を付けていることなんですけど、他の子に言わないことを、自分の子どもには思いつく。「そんなこと、言わなかったよね」という言葉が口をついて出てくるんです。

――たとえば、どんな言葉ですか?

 自分の場合は、言葉がきつくなる傾向があって、「やってみようぜ!」と言えばいいのに、「早くやりなよ」と言ってしまう。

 また、NG行為として、比較。『勉強が面白くなる瞬間』にもそれはやってはいけない行為として紹介されていましたが、「同級生と比べる」「兄妹と比べる」などです。

 あと、家柄がいい家庭でいちばんやりがちなのは、「昔の自分と比べること」ですね。

――社会人生活でもよく聞く「俺が若かったときは……」みたいな感じですか?

 まさに、それです。子どもの頃、勉強できた親御さんはついつい昔の自分と比べがち。「比較するのはやめたほうがいい」ということですね。

(取材・構成/編集部 武井康一郎)

(本原稿は書籍『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』をベースにした、インタビュー記事です)