ウクライナでミサイルの餌食になった
戦車や艦艇は金食い虫?

「要らない武器ランキング」1位は「調達の優先度が低いものはない」だった。防衛装備が合理性を持って適切になされているという自負を感じさせる回答だ。

 その一方で、伝統的な防衛産業からすれば背筋が寒くなる回答も目立った。戦車、装甲戦闘車(2位)、F-35戦闘機(3位)、空母、護衛艦(6位)などレガシー兵器の代表格が続々とランクインしてしまったのだ。

 必要性が低い理由は、戦車については「日本のどこで戦車戦をするの?」「陸自の“象徴”という以外に存在理由がない」「(ミサイルで多数の戦車が損壊している)ウクライナを見れば一目瞭然」など。F-35には、「発注量が多過ぎる。ドローンの方が効率的」「撃墜されて終わる。無人爆撃機がベター」など辛辣な意見が相次いだ。

 4位はイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)。建造に約4500億円ものコストが見込まれた上、配備候補地であった山口、秋田両県の反対もあり、20年に配備が停止された“いわく付き”の装備だ。

 5位は、イージス・アショアの配備停止に伴い検討されている「代替システム」。海上への配備が検討されているが「地上よりも割高」「金食い虫」「船となると船乗りの自衛官が足りない」などと自衛官からは非難ごうごうだ。改めて、ミサイル防衛の難しさが露呈した格好だ。

Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic:Daddy's Home