総予測2023#20Photo:PIXTA

株価は短期的には需給や材料で動くが、中長期では業績の伸びに比例する。世界景気が不透明なときこそ、目先の値動きに一喜一憂するのではなく、中長期の業績から銘柄を選ぶべきだろう。そこで特集『総予測2023』の本稿ではアナリストの予想を活用して、中長期で期待できる4種類の「お年玉株」候補を選抜。後編では「2期先の売上高拡大株」と「来期増益予想の高配当株」という2種類のランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

不透明な相場環境では
攻めと守りのバランスが大事

 攻守のバランスが大事なのはスポーツだけではない。なぜならば、個人投資家の強みである「時間を味方にする」ためには、過度なリスクを取り過ぎて、市場から退場しないことが不可欠だからだ。

 実際、2022年は世界的な金利上昇が逆風となり、10年以上右肩上がりだったナスダック総合指数が急落。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック<現メタ>、アマゾン・ドット・コム)など世界的な成長株(グロース株)も、株価が大きく調整した。特にレバレッジを懸けた金融商品に投資をしていた場合、大きな痛手を負って市場から退出したケースも少なくない。

 さらに22年12月には、日本銀行も金融政策をサプライズ的に一部変更。日経平均は乱高下している。中上級者であっても、過度な自信は禁物なのだ。

 そこで『「お年玉株」440銘柄【前編】、中長期で狙える成長株&割安株の2大ランキング大公開!』に続く【後編】では、ポートフォリオにおいて攻めと守りを担う2種類のランキングを作成した。前編と同じく、アナリストの業績予想(コンセンサス予想)を活用し、中長期で好業績が期待できる「お年玉株」候補となるランキングである。

「急成長がそろう2期先の売上高拡大ランキング」は、業績に勢いのある小型株や直近IPO(新規株式公開)銘柄がそろう。小型株の最大の魅力は成長余地であり、業績が右肩上がりの小型株を長期保有すれば、テンバガー(Ten Bagger=10倍株)も不可能ではない。

 一方、下値リスクを抑えつつ、手堅く高配当が狙えるのが「来期増益予想の高配当利回りランキング」だ。配当狙いであっても、「利回りの高さ」だけで選ぶのは危険なため、「来期予想が増益」「来期減配予想を除く」など複数の条件を加えている。

 次ページ以降、「お宝株候補」の160銘柄を一気に発表する。二つのランキングの銘柄を組み合わせて、売上高急拡大株で値上がり益を狙い、下値リスクが小さい高配当株で守りを固めるのも一案だ。

 繰り返しになるが、個人投資家の強みは時間を味方に付け、中長期で資金を増やしていけばいいことだ。ぜひポートフォリオにおいて、攻めと守りを担う株を探してみてほしい。