総予測2024#6

過去最高レベルの激戦が見込まれる2024年の首都圏の中学入試。特集『総予測2024』の本稿では、難関校合格に圧倒的な実績を誇るSAPIXの広野雅明・教育事業本部本部長が、わが子の頑張りを結果につなげるための「直前期や入試期間中の過ごし方」を伝授する。(聞き手/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

激戦の24年入試で勝つための
最後の1カ月の過ごし方

 2024年の首都圏の中学入試の開幕まで残りわずかとなりました。24年入試は、過去最高の受験者数だった23年入試と比較すると横ばい、または若干の減少だと考えています。

 ただし、都心部は人口が増えていますし、中学受験率も増加しています。25年入試以降は郊外型の学校で競争が緩和するケースがあるかもしれませんが、都心部在住の方が受験する学校は引き続き厳しい戦いとなるでしょう。

 近年は新型コロナウイルスが流行したこともあり、冬休み明けから小学校を休む方が増えています。小学校をいつから休むかは、ご家庭の方針、お子さまの性格によって正解が異なると考えています。

 小学校を休むメリットは大きく二つあります。一つは新型コロナやインフルエンザの感染リスクを下げること。もう一つは、直前期に学習時間を十分に確保できることです。

 一方、6年生になると反抗期を迎える子も少なからずいますから、自宅で保護者と顔を突き合わせて勉強をやると、ストレスがたまるという子もいます。家の中にずっといると運動不足になり、かえって体調を崩すケースもあります。学校が好きな子であれば、感染対策をしながら、入試前日まで学校に行くこともありでしょう。

 通塾についてはSAPIXの場合、6年生の1月限定で事前に教材を渡し、リアルタイムで授業を動画配信しています。塾で勉強するか、自宅から授業に参加するかを選べるようにしているわけです。

 23年入試の場合、1月末に向けて徐々にオンラインで受講される家庭が増えました。平日は終了時間が遅いのでオンラインで受講をして、塾に一日中いる休日は対面で受けるという方もいます。こちらも正解はないので、ご家庭でよく検討された上で選択をしてください。

 冬期講習以降の塾では、緊張した状況の中でのテスト演習が中心になります。そして講師が答案を回収して、その場で解き方を含めてチェックをします。

 入試当日に「できる問題」「できない問題」の見極めができるような微修正もしていきます。各教科の得点力を高めることで最終的な合格ラインの突破を目指すわけです。

次ページでは広野氏が「ラスト1カ月で伸びる子」の二つの特徴や、冬休み以降の家庭学習のポイントを解説。わが子の頑張りを台無しにしかねない「意外な落とし穴」や「1月受験」、受験期間中の保護者の心得についてもアドバイスする。中学受験生の子どもを持つ親は必見だ。