賢く貯める節約術![2020年]
2014年8月1日 ザイ編集部

独身キャリアウーマンを待ち受ける
長くて苦しい老後地獄への対処法とは?

女性の老後は思っている以上に長い。今65歳の女性は2人に1人は90歳まで生き、4人に1人は95歳まで生きる。こうした現実をふまえて、独身キャリアウーマンが幸せな人生を送るための方法を探ってみた。

最低でも女性の2人に1人は90歳まで
生きるのに3人に1人は何と貯蓄ゼロ!

 女性の余命ははどんどん伸びている。今50代の女性の半数は92歳まで生き、100歳以上も10万人を超えると見られている。つまり60歳まで働いたとしても、人生は35年も残っている可能性が高いのだ。それまでに35年分の生活費のメドを立てておく必要がある。独身女なら、自分だけで用意する必要があるのだ。

 しかし、現実は厳しい。国税庁の給与統計では女性の平均収入は35歳で頭打ち、公務員など一部を除けば歳を重ねるごとに収入がダウンする。しかも50代を過ぎると職や住まいの確保も難しくなるのが実態だ。問題は、厳しい現実にもかかわらず貯蓄や結婚を先送りしがちなこと。40代の独身女性の35%は貯金ゼロだ。

 ところが、頼みの年金はただでさえ減額&支給先送りが濃厚。そもそも年金額は現役時代の収入に比例するため、低収入な独身女性は元々の年金額が少ない人が多く、貧乏老後に拍車がかかる。

 一方、収入や貯蓄があればあったで別のリスクが。「家賃がもったいない」「終(つい)の棲家に」と無計画にマンションを購入してしまい、人生の重荷となっているケースが目立つのだ。

 さらに独身には特有のリスクもあるので男女問わず意識してほしい。

 1つは希望していたのに結婚できないリスク。特に経済的理由が原因で結婚できない男女は多い。収入や貯蓄を増やすことが結婚への近道となることを認識するべきだ。

 もう1つは病気やケガで収入がゼロになるリスク。自立している独身はリスクも1人で背負っているので、貯蓄や保険で備えておこう。

 要注意が借金のリスク。消費者金融は論外だが、銀行のカードローンやクレジットカードのローンも同類だ。目的が英会話の受講料のような自己啓発であっても手出しは厳禁。50万円を年利14.5%の銀行ローンで5年間借りれば、利息だけで約27万円、54%も金利を払うことになる。利息もさることながら、「収入の範囲内で暮らして貯める」という、人生を左右する大事な習慣が身につかないことも大きなリスクとなる。

長い老後に低収入と低年金の
三重苦から脱する方法とは…

 繰り返しになるが、女性の人生は長い上、大半の独身女性の収入は増えず貯蓄も少ない。しかも老後の年金額も少ない三重苦が待っている。

 だからこそ、借金は厳禁で収入の範囲内で生活する習慣を身に着ける必要がある。ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんは次のように話す。

 「親の援助や借金に依存しがちで、収入の範囲内で生活していない独身の女性が目立ちます。交際費や通信費の削減など収支の黒字化が第一歩です」

 次のステップは毎月の収入の中から積立て貯蓄をすることだ。ここでポイントとなるのは「節約して貯蓄するお金を捻出する」ではなく、まず収入から先に貯蓄額を天引きし、残った収入の中で暮らす習慣を身に着けること。

 FPの江原さとみさんは「低コストな生活術を身に着けると2倍トクします」と言う。例えば月2万円生活費をカットすれば月額2万円貯蓄できる。老後はその2万円を取り崩せる上に2万円安く生活する習慣を身に着けているので、4万円の効果があるというわけだ。

 しかし、節約と積立て貯蓄だけでは限界がある。35年もの老後をカバーするには投資も必要だ。

 ただし、投資といっても「株を買って2倍を狙う」というような発想は不要。FPの柳澤美由紀さんは、次のように語る。

 「毎月2万円を定期預金に、2万円を安定性の高い債券に投資する投資信託で積み立てるようなマイルドなもので十分。10年超の期間ならリスクは回避できるし、インフレに打ち勝てます。それに貯蓄型の保険と違い、結婚などで状況が変われば積み立てを中止することもできます。積み立てを中止しても、それまで積み立てた分の運用は続くのも魅力です」

 ここで気を付けたいのは、お金が貯まると、ついマンションなど不動産が欲しくなること。

 だが、50代後半で老後の住まいを確保するためならまだしも、30~40代だと不動産も高額なローン残高も、その後の結婚や転職の障害となり、人生プランの柔軟性を奪う足かせとなりかねない。例えば購入した2500万円のマンションが2割下落すれば500万円の損だ。500万円を貯めるために、どれだけの節約と時間が必要かも考えてみよう。

 江原さんは「節約も大事ですが、王道として、やはり収入アップを目指すべきです」とアドバイス。「独身女性の収入が増えない背景には、たった100円でも時給がアップすれば生涯賃金で大きな差がつくことを認識していないこともあります」と指摘する。

時給が300円アップするだけで
20年では1000万円もの大きな差に!

 1日7時間、月20日間働くとして、時給が100円アップすれば月に1万4000円、年収は16万8000円もアップする。時給が300円アップするなら年収は約50万円もアップするのだ。あと20年働くとしたら、生涯賃金は1000万円もアップすることになる。

 時給800円のパートの人なら、まずは時給900円のパートを探す。そして、次は時給が1200円の派遣社員を目指していくというのがいいだろう。さらに、資格取得や専門スキルを磨いて時給が1500円になれば、生涯賃金を2000万円以上も増やすことができるのだ。

 ところで、今好評発売中のダイヤモンド・ザイ9月号には、こうした老後のリスクに備えて対応するための術をまとめた「夫婦、独身男女別のお金の貯め方・増やし方」の特集が掲載されている。また、500万円の借金を抱えたサラリーマンが1000万円を貯めるために捨てることを決意した18のことも大公開。その中には、何と「家計簿」「ファストフード」「過去に出会った人の名刺」など意外なモノがズラリ……。お金を貯めることを身につけたいと思っているならぜひ、この企画も読んでほしい。