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今回取り上げる書籍『Moonshot(ムーンショット)』は、ファイザーの現CEO(最高経営責任者)、アルバート・ブーラ氏が、2020年に新型コロナウイルスワクチンの開発をわずか9カ月で成し遂げた苦闘の日々を自らつづったノンフィクションだ。世界最大のメガファーマが、なぜこれほどまでに俊敏な動きができたのか。その過程におけるイノベーションとブーラ氏の卓越したリーダーシップを知ることができる一冊である。

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のチーフ・エディターである吉川清史が豊富な読書量と取材経験などからレビューします。

視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のチーフ・エディターである吉川清史が豊富な読書量と取材経験などからレビューします。

今回紹介する書籍『ERROR FREE 世界のトップ企業がこぞって採用したMIT博士のミスを減らす秘訣』は、企業に巨大な損失や危機を呼び込みかねないヒューマンエラーの「防止策」がテーマである。さまざまなミスのパターンやメカニズムに関するビッグデータを分析して導き出された、エラーフリー(エラーが起こり得ない状態)を作り出すヒントとは?

鎌倉新書という会社をご存じだろうか。かつては倒産寸前の出版社だったが、いわゆる「終活」関連事業に手を広げた結果、どん底から立ち直り、東証1部(現・東証プライム)上場を果たしたのだ。その過程を、書籍『倒産寸前だった鎌倉新書はなぜ東証一部上場できたのか』(濱畠 太 著)をもとに読み解いていく。

テレビのコマーシャルで、よく耳にする「あ、小林製薬」。この「あ、」は、小林製薬の経営戦略や商品開発へのこだわりが詰まった、とても“深い”フレーズなのである。その詳細を、書籍『小林製薬 アイデアをヒットさせる経営』(小林一雅 著)をもとに読み解いていく。

ドン・キホーテのマスコットキャラクター「ドンペン」。ペンギンを模したこのキャラは、手を「Y字形」に広げた状態で、店頭外壁などにデザインされているケースが多い。書籍『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(谷頭和希 著)では、このポーズを文化人類学の視点で考察し、「実はドンキの経営戦略を象徴している」という興味深い説を提唱している。

グラミー賞授賞式のステージで圧巻のパフォーマンスを披露した韓国の男性ポップグループBTS。彼らが韓国や日本などのアジア圏のみならず、欧米も含め世界中で大人気となった理由は何か。その背景には、時代を捉えた「巧みな戦略」があった。

「今時の若者はこらえ性がなく、たった数カ月でプイと辞めてしまう」と中高年社員が嘆く声は至るところで聞かれる。なぜ若者は会社を辞めてしまうのか。「今時の若者」の価値観を知ることで、最適な指導法が見えてくる。

新型コロナウイルスのワクチン開発で全世界から注目されたアメリカのバイオベンチャー、モデルナ。創業わずか10年余りのベンチャー企業が、驚異のスピードでワクチン開発に成功できた理由とは何だったのか。その秘密をひもといてみよう。

学校の成績、偏差値、平均年収……人の一生には常に「数字」が付きまとい、重大な決断の理由になったりする。国内総生産(GDP)や物価など、政治や社会の動きも数字に左右されることが多い。ただ、それほど数字が重要ならば、その真偽については慎重に見極めるべきだ。オランダでベストセラーとなった『The Number Bias 数字を見たときにぜひ考えてほしいこと』から、本当の意味で「数字に強い」ビジネスパーソンになるためのヒントを探ってみよう。

目先の仕事からは解放される年末年始の休暇は、普段なかなかかなわなかった「本の熟読」をするのに最適な時期です。今回は、2021年のベストセラーから年末年始におすすめのビジネス書&教養書を厳選して、3冊を紹介します。

私たちは未来を予測できない。ただ、「予測」「推測」「想像」することで頭の中で経験することができる。未来のある時点の自分を想像し、どうやってそこにたどり着いたのか経緯を振り返ることが、「良い決断」をするために役立つという。どういうことなのか。

2010年代から、SNSの普及を背景に再び「スニーカーブーム」が巻き起こっている。スニーカーブームといえば、1990年代の流行を思い出す人が多いかもしれない。90年代後半、ナイキの「エア マックス」というスニーカーが大流行。社会問題が発生するまでになった。こうした90年代のブームと、現代のスニーカーブーム、2つの点で全く「異質」なものといえる。

21年初頭に突如、大きな盛り上がりを見せた、米国発の音声SNS「クラブハウス」。ところが、人気はあっという間に沈静化した。とはいえ、これは決して音声メディアの可能性が絶たれたことを意味しない。GAFAをはじめ、世界的IT企業はこぞって「音声」に投資。今も音声関連テクノロジー(ボイステック)の可能性は広がり続けている。

「頑張ろうと思っても頑張れない」「頑張ろうと思えない」人たちがいる。そうした人たちに悪気なくついかけてしまった言葉が、やる気をさらに失わせてしまうこともある。どんなことに気を付けて声を掛ければよいのだろうか。

大多数が問題を抱える中で、例外的にその問題をクリアしている存在を「ポジティブデビアンス(PD:ポジティブな逸脱者、成功した例外)」という。この“成功した例外”を見つけることが、課題解決のきっかけになることがある。どんなところにポイントがあるのか。事例を踏まえてみていこう。

東京・浅草のかっぱ橋商店街に店を構える老舗料理道具専門店の「飯田屋」は、「積極的に過剰在庫を目指す」「売り上げ目標やノルマがない」といった小売業の常識に反した目標を掲げている。こうした常識外れの方針の裏には、徹底的に顧客を大切にする企業の姿勢があった。

「おかしさ」を意図的に起こさせるのが、ジョークである。どうして笑いが生まれるのか。そのメカニズムをひもとくと、イノベーションが起こるメカニズムとの共通点が見えてきた。

宇宙空間では予想もつかない事態に遭遇する可能性が高い。そうした中でロケット科学者には、的確で創造的な問題解決が求められる。ビジネスにおいてもヒントになりそうな、「ロケット科学者の思考法」をひも解いてみよう。
