江田智昭
【お寺の掲示板80】今を切に生きよ
お足というとおカネのことですが、幽霊に足がないのは今がないからなのだそうです。平家物語の昔から、世の中は諸行無常ということになっています。自分が何歳まで生きるのか、人生がどのようになるのか、いくら思いわずらってもどうなるわけでもありません。大切なことは、今を生きるということなのです。

【お寺の掲示板79】人を信じるということは
とても愛くるしい愛菜ちゃんも、いまや女子高生。学業の合間を縫って、「変な水」にはまった一家のお話『星の子』の主演を務めました。「あなたを信じる」というとき、他人に何かを期待しているものですが、そこで問われるのは実は自分自身だった、というお話です。

【お寺の掲示板78】人間という儚い生き物
鬼に家族を惨殺され、鬼と化した妹を昼間は箱の中に背負いながら、鬼との戦いに身を投じる少年が主人公となる『鬼滅の刃』。映画編の中で、鬼との戦いで命を失う煉獄杏寿郎の姿に女子は涙します。その彼が残した言葉、それは実に仏教的な、お釈迦さまの心境に通じる名セリフだったのです。

【お寺の掲示板77】猫をしかる前に魚をおくな
“猫にマタタビ”ということわざは、最近すっかり“ネコにチュール”に置き換わった感もあります。A5牛肉を前にした愛犬に3分間“待て”をして、飼い主との信頼関係を試そうという番組もありますが、たいがい成功しません。今回は猫に見る因果論のお話です。

【お寺の掲示板76】「セカンド7番」の心意気
人間、いくつになっても、「自己承認欲求」から解き放たれることはありません。ついつい武勇伝を語って、自分を大きく見せようとしていませんか。「エースで4番」の華やかな生き方に憧れても、皆が4番では野球になりません。自分のやりたいこととできること。今就いているお仕事も、偶然と必然の結果なのかもしれません。

【お寺の掲示板75】たとえお金の雨が降ったとしても
人間の欲望は、はてしがありません。よくいえば向上心ですが、他人との比較で膨らんだ欲が自分自身を苦しめるさまは、塩水を飲んで渇きが止まらないのと同じことだとお釈迦さまは喝破しています。こうした心の渇きを癒やすには、どうしたらいいのか。残念ながらノーベル文学賞を今回も手にすることができなかった村上春樹さんが、昔の著作でその妙案を語っています。

【お寺の掲示板74】やられてもやり返さない
「やられたらやり返す、倍返しだ!」という半沢直樹の決めセリフに快哉を叫び、留飲を下げた人も多かったかもしれません。ところが、教育系YouTuberとして大人気のオリエンタルラジオの中田敦彦さんは「やられてもやり返さない、仏教だ」というのです。それはどういうことなのでしょうか。

第73回
【お寺の掲示板73】こんなにやってあげてるのに
お彼岸でお墓参りをし、先祖供養のための法事を行った方は多いと思います。このとき、僧侶に「お布施」を渡すのですが、その意味について考えたことはありますか?一瞬、「坊主丸もうけ」という言葉が脳裏に浮かぶかもしれませんが、「布施」とは本来どういう行為なのか、「してあげたのに」という心の動きと合わせて考えてみましょう。

【お寺の掲示板72】「自分らしさ」の垣根で苦しむ前に
縁側というと、ひなたぼっこをしながらネコとくつろぐおばあちゃんのところに、近所の人がやってきて、よもやま話に花が咲くといった場所でした。家から縁側が失われ、孤立感が深まる様子は、心の中に垣根を設けて生きづらくなっている心のありようにつうじるのかもしれません。

【お寺の掲示板71】「だいじょうぶだぁ」は仏様からのメッセージ
団扇太鼓をたたきながら、「だいじょうぶだぁ」と叫ぶ志村けんさんのギャグが一世を風靡(ふうび) してから30年余りが過ぎました。3月に、その志村さんの命も奪った新型コロナウイルス。お彼岸のいまこそ、この言葉に含まれる仏教的な要素に思いをはせてみたいものです。

【お寺の掲示板70】「ぴえん」もご縁、超えてご恩
「ぴえんこえてぱおん」。何のことだかよく分かりませんが、この言葉にティーンエージャー女子の気持ちが詰まっています。悲しみをあるがままに受け入れることが、実は成功のきっかけとなる。そんなジョブズのエピソードも味わい深いものです。

【お寺の掲示板69】コロナより怖いのは店員が見た「人間」の姿
自粛することも多い災害続きの2020年。マスクの転売で稼ぐ輩も出て、それを禁じる法がつくられるなど、日本人の振る舞い方も新型コロナウイルスに試されたような気がします。2月頃にはマスクを求める人々が、ドラッグストアの店員に殺気立ってきつくあたるような場面も目にしました。本当に怖いのは、「ウイルス」などではなく「人間」なのです。

【お寺の掲示板68】「仏」は私の中にいる
お寺の掲示板は時代の鏡です。「山川草木悉有仏性」は日本の仏教を考える際のキーワードの1つですが、「私」の中に「仏」がいるって、ちょっとした驚きです。些細なことでの感情の高ぶりが重大犯罪にエスカレートすることもあります。些細なだけに収まりがつかないからです。庶民の「声なき声」を聴いたと自己主張に利用する困った人もいたりしましたね。2020年はどんなことが起きるのでしょうか。

【お寺の掲示板67】「掲示板大賞2019」、受賞3作品を一挙紹介!
いよいよ掲示板大賞が発表されました。第2回となる2019年の受賞作には阿弥陀如来やお釈迦さまも登場します。人間関係に悩む人にとって、仏の教えはとても心に染みるものです。大賞以下、受賞作の掲示板に書かれた言葉を改めてかみしめてみてください。

【お寺の掲示板66】掲示板大賞2019、大賞は「阿弥陀、動きます」
いよいよ掲示板大賞が発表されました。第2回となる2019年の受賞作には阿弥陀如来やお釈迦さまも登場します。人間関係に悩む人にとって、仏の教えはとても心に染みるものです。大賞以下、受賞作の掲示板に書かれた言葉を改めてかみしめてみてください。

【お寺の掲示板65】「夕焼け小焼け」の向かう先
夕焼け小焼けで日が暮れて――なんでカラスと一緒に帰らないといけないのかは永遠の謎ではありますが、ランボーの詩いわく、「また見つけた、何を、永遠を、海に溶けゆく太陽を」というくらい、感性に訴えかけてくる普遍的なものが夕日にはあるからなのでしょう。

【お寺の掲示板64】頭が下がる人生はなかなか歩めない
スマホに気を取られながら歩いていると、時には車にひかれて命を落とすことさえあります。一日中頭を下げっぱなしでも、スマホが感謝してくれるわけでもなく、姿勢が悪くなり、視力も落ちたりして何もいいことはありません。その点、お辞儀を日頃から怠らない人は、世間一般的に礼儀正しい人と評価され、自分を守ることに通じます。頭を下げるのではなく、頭が下がることが肝要なのです。

【お寺の掲示板63】隣のレジは早い。
隣の芝生は青く見えるといいますが、自分の庭がないマンション暮らしでは、なかなか実感できません。私などはせいぜいが、行列に並んだときに自分の順番が遅いと悔しい思いをするくらいでしょうか。「他人と比べると不幸が始まる」という言葉もあります。今回は、目標と目的という観点から考えてみましょう。

【お寺の掲示板62】和顔愛語先意承問
大声で相手を罵倒する人がいます。自分が正しいと思うと、声高になるのでしょう。でも、言われている側はそのことを決して忘れません。そして、いつの日か、意趣返しされるのです。「相手を思いやる優しい言葉を発すること」が仏教の基本、というお話です。

【お寺の掲示板61】老いるショック
東京タワーと同じ年に生まれたみうらじゅんさんは、今年還暦プラス1歳です。数々のマイブームの中から、「ゆるきゃら」や「いやげもの」などを生み出しました。みうらさんは、自身の老いを感じた瞬間、「老いるショック」と自分に突っ込みを入れているようです。この姿勢が実に、仏教的なのです。
