新井美江子
SBIホールディングスが新生銀行に仕掛けたTOB(株式公開買い付け)に、スルガ銀行と離婚協議中のノジマが“共鳴”している。場合によってはスルガ銀株の買い増しもあり得そうな雲行きだ。

#15
プライム落ちを回避するには、株式の流動性を高めるのも重要な一手だ。しかし上場企業の中には、オーナー一族に保有株を売ってもらえず、頭を抱えるところも多い。そんな中、横浜銀行は頭取自らオーナーに株式放出を直談判する「スーパートップセールス」まで始めている。神奈川、東京という肥沃な地盤を武器に、東証の市場再編をチャンスとして企業に食い込む横浜銀の動きを追う。

#7
近鉄百貨店が8月、東京証券取引所の市場再編対策として立会外分売を実施した。これにより流通株式比率が高まったことで、近鉄百貨店は「スタンダード」の基準クリアにめどを付けた。だが近鉄百貨店の本当の正念場はこれからだ。親会社である近鉄グループホールディングスとの間で、“自立協議”が始まりそうだ。

鉄鋼各社が絶好調決算をたたき出す中、業界首位の日本製鉄に“珍事”が発生した。敵対的TOBで取得したばかりの東京製綱の一部株式を早くも売却するというのだ。日本製鉄に何があったのか。

三井住友フィナンシャルグループ(FG)が米証券準大手と戦略的資本・業務提携を締結した。米国での金融事業は他メガバンクが先行するが、三井住友FGが今になって米国開拓に乗り出すのはなぜか。

#19
2019年、五大法律事務所のパートナーから三菱UFJフィナンシャル・グループの執行役常務グループCLOに転じた森浩志氏。森氏はなぜ安泰だった法律事務所の座を捨て、「斜陽産業」といわれる金融機関の企業内弁護士に転じたのか。今、日本の法務部に求められている機能や、社内役員に外部出身の弁護士がいる意義などについてとことん聞いた。

#17
各国がダイナミックなレギュレーション変更を仕掛けている。一方で、企業のコンプライアンス順守に対する世間の目は厳しくなるばかりだ。しかし日本の法務部は、“法務先進国”である米国と比べて「30年遅れている」といわれる。日本の法務部の“危機”とは何か。その危機を打破するために必要な改革とは何か。三菱UFJフィナンシャル・グループが投じた一手から読み解く。

#2
日本鉄鋼連盟の会見で、橋本英二会長(日本製鉄社長)が突如、鋼材の「値上げ宣言」を行った。自社の営業部隊を鼓舞するとともに、トヨタ自動車をはじめとする重要顧客に“けん制球”を投じた形だ。いつになく値上げへの意思を強く見せる鉄鋼業界の裏事情とは。

#13
リモートワークの拡大などで「働かない社員」が明るみに出たこともあり、人員整理に対する企業の関心がにわかに高まっている。さらにワクチン接種を望まない従業員などへの“対応マニュアル”も必要になった。コロナ解雇とワクチン接種――。この二大問題をスムーズに解決するための具体的な対処法を、すご腕社労士への取材を基に解説する。

#9
民間企業などに勤める組織内弁護士といえば、かつては「格下」の弁護士と見られたものだ。法科大学院制度の導入による「弁護士過剰問題」のあおりを受け、就職先に困った者がなるものだというイメージが張り付いていたからだ。だが、時代は変わった。三つの追い風によって、組織内弁護士の業界内地位がアップしている。

#4
労働保険、健康保険の書類作成や、発達障害&うつ病社員対応、コロナ禍の中でニーズが爆発した雇用調整助成金の申請代行など、社労士が引っ張りだこになっている。しかし、労働問題は複雑化するばかり。今後、デキる社労士とそうでない社労士の差は今以上に開いていきそうだ。将来的に「のし上がる」社労士が目を付けるブルーオーシャンとは何か。

5月末、スルガ銀行と、その筆頭株主で家電量販大手のノジマの“離婚協議”が明らかになったことで金融業界がざわついている。ノジマはスルガ銀経営から手を引くのか否か。どちらにしても、金融業界は無風でいられそうにない。

10月に、パナソニックは持ち株会社体制への移行を踏まえた「組織大改編」を実施する。いよいよ、楠見雄規「新社長」が率いる新体制が本格スタートするのだ。組織改編のポイントは、持ち株会社にぶら下がる事業会社の自己責任経営だ。新体制では、家電や現場プロセスなどの主要4事業会社が主力とされる一方で、黒物家電など3事業会社は格下げされた。新社長が描くグループ再編の最終形の姿を明らかにすると共に、幹部の人事配置と身売り事業を予想する。
![パナソニック新社長が描く「組織解体」最終形、主要4社の社長人事と“身売り”事業を大予想[見逃し配信]](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/a/8/360wm/img_a812d8d8f1c35e18d65a572d616b9e3e298908.jpg)
ボードメンバー独白
パナソニック次期社長として、楠見雄規氏が指名・報酬諮問委員会の審議を経て選出された。次期社長選出の決め手は何だったのか。パナソニックの事業再編改革が日立製作所に大きく後れを取った理由はどこにあるのか。パナソニックで社外取締役を務める冨山和彦・経営共創基盤(IGPI)グループ会長に、パナソニック停滞の病巣について聞いた。

伏魔殿解体
持ち株会社制移行後、最大の事業会社となるのが「パナソニック株式会社」だ。継承するのは白物家電や電材などの保守本流事業。特に家電事業は安定収益を稼いできた歴史があるだけに、旧態依然とした“伏魔殿”と称されてきたが、実は品田正弘・パナソニック専務執行役員は大外科手術に打って出ようしているところだ。その改革の要諦とは何か。

買収の大博打
4月23日、パナソニックは世界最大のサプライチェーンソフトウエア企業である米ブルーヨンダーを買収すると発表した。買収総額は実に71億ドル(約7700億円)。三洋電機をはじめ、過去30年のM&A(企業の合併・買収)はことごとく不発に終わるが、それでも楠見次期社長が買収にゴーサインを出した理由はどこにあるのか。

「解体」最終形
10月に、パナソニックは持ち株会社体制への移行を踏まえた「組織大改編」を実施する。いよいよ、楠見雄規「新社長」が率いる新体制が本格スタートするのだ。組織改編のポイントは、持ち株会社にぶら下がる事業会社の自己責任経営だ。新体制では、家電や現場プロセスなどの主要4事業会社が主力とされる一方で、黒物家電など3事業会社は格下げされた。新社長が描くグループ再編の最終形の姿を明らかにすると共に、幹部の人事配置と身売り事業を予想する。

#10
旅客需要の蒸発で米ボーイングが2020年12月期、巨額赤字を計上した。その余波を受けるのが三菱重工業、川崎重工業、IHIの「航空3重工」だ。機体の分担製造事業にしても航空機エンジンの分担製造事業にしても、日本の民間航空機関連ビジネスはボーイングなしには語れない。しかし、この3社は事業範囲がとてつもなく広い。ボーイングの浮沈のみでは測れない3社の将来業績について追った。

ルネサスエレクトロニクスの主力生産拠点で火災が発生し、自動車向け半導体などを生産するラインが停止した。この復旧までの作業が、半導体業界の“大問題”を改めて浮き上がらせることになっている。

#11
東京エレクトロンは、半導体製造装置シェア世界ナンバー3の会社である。最先端の半導体を作る上で不可欠な技術を持っているのだ。主要国がこぞって半導体技術の囲い込みに走っており、東京エレクトロンにも生産拠点の海外誘致の引き合いが強くなりそうなものである。だが、河合利樹・東京エレクトロン社長は国内生産中心の方針に変更はないと言い切る。国内生産にこだわる理由や、半導体製造装置メーカーとして優位性を維持する条件について、河合社長に聞いた。
