新井美江子
パナソニックは11月13日、社長交代と同時に、組織の大幅改変を発表した。これまで後手に回っていた低収益事業の売却や、家電事業の抜本的な戦略見直しが一気に進みそうな様相だ。

#9
愛知県では中京銀行が台風の目となりそうだ。三菱UFJ銀行が行う中京銀株の放出に絡め、再編劇が動き出すのではないかとみられているのだ。そして最近、そんな中京銀・三菱UFJ銀に向けて “ラブコール”を送ったのではないかとささやかれる銀行が浮上し、中京圏の金融業界がざわついている。

津賀一宏・パナソニック社長が、来期ついに退き会長職に就く。在任期間中は収益アップがなかなかかなわず苦しんだが、社長交代と同時に発表した組織変更で、成長への道筋を示す。津賀氏が新社長に託した大改革の内容とは。

#7
地銀関係者が「関東地方における次の再編候補」として固唾をのんで動向を見守っていた孤高の地銀、群馬銀行がTSUBASAアライアンスへの参加を決めた。覇権争い上、これを機に関東の地銀は、さらなる再編に動く可能性が高い。中でも“地銀トップ”である横浜銀行は、いよいよ首都圏固めに乗り出しそうだ。

ダイキン工業が、17年ぶりにルームエアコンで国内シェア1位を奪還しそうだ。空調機メーカー世界最大手ながら、実はルームエアコンでは紆余曲折を味わったダイキンは、なぜ今、その“課題の製品”でパナソニックを追い上げられたのか。

#9
三菱商事のメッキが剥がれかけている。先達が足場を固めた日本の電力業界や鉄鋼業界が、世界的な産業構造の変化の波にのまれて揺れている。新規ビジネスの創出力も衰えが否めない。本来、三菱商事には「競合はもちろん、行政をもしのぐ視座の高さ」でビジネスを創出する気構えがあったものだが、最近は目先の実績にとらわれ、視野が狭まっているのだ。三菱商事が直面する“危機”に迫る。

#5
いつの時代にも、総合商社は時代の“半歩先”を行く分野への投資を急ぐ。現在、商社がこぞって注力しているのがデジタルトランスフォーメーション(DX)領域。商社が対面する「主要業界」の効率化とイノベーションで稼ごうというビジネスモデルだ。壮大なビジョンをぶち上げる三菱商事に対して、伊藤忠商事、三井物産、住友商事はどのような戦略で迎え撃つのか。大手商社のDX戦略の中身を徹底検証し、課題を追った。

#3
今、総合商社界で最も“ホット”なのは「デジタル領域」である。デジタル技術の発展に伴い、日本の産業界では古びたビジネスモデルのリニューアルが急務となっている。こうした顧客の「お困り事」の解決を新たなる食いぶちにしようと、商社各社の鼻息は荒い。だが、商社が全業界で起こそうとしているDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進には、事業部門の「縦割り」志向を打破して「横串」機能を働かせるという、商社にとっては古くて新しい課題が横たわる。商社の雄である三菱商事はどうやってデジタル戦略を成就させようとしているのか。三菱商事でその指揮を執る責任者が、ベールに包まれてきた「プラットフォームの胴元化構想」の全貌を語った。

新型コロナウイルス禍の中、エレベーターの割安なメンテナンスサービスを引っ提げ、急成長する「異端児」がいる。重電メーカーの「3強」が君臨するエレベーター業界で今、大きな地殻変動が起きようとしている。

#14
新型コロナウイルスの第2波が押し寄せ、「需要は2~3年は戻ってこない」との諦念が漂いつつある外食業界。これから秋に向け、外食企業は金融機関に事業の継続性を本気で問われることになる。この状況下では、資金力があるものが勝つ。M&Aを含め、勝負を仕掛けるのはどこか――。ビッグクライシスが起きるたび、新しいトレンドをつくる「破壊者」が生まれてきた外食業界の次の覇者候補とは。

#5
これまで、基幹デバイスや基幹技術を内製化するのがトヨタ自動車の方針だった。今も、電気自動車など電動化に不可欠なデバイス・技術の獲得には余念がない。その一方で、従来のクルマとは離れた新しい領域については、異業種・ベンチャーへの資本参加、競合との協業など新しい「組み方」も続出している。金に糸目を付けずに新領域でも投資を加速させることで、「トヨタ帝国」は存続できるのか。技術の側面からトヨタの野望をひもとく。

#4
三菱重工業傘下の三菱航空機が開発を進める国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」が揺れている。「MRJ」から名称変更し、派生機の開発にも前のめりだった昨年から一変、開発費の大幅削減を決断。航空機の市場投入に不可欠な「型式証明(TC)」と呼ばれる航空当局による“安全に関するお墨付き”を取得するために採用した外国人エキスパートを大量リリースするなど、事業縮小に動く。スペースジェット事業を巡り、社内外に渦巻く「手仕舞い」の危機感を追う。

#3
コロナ禍の中、日本自動車工業会のサプライヤー支援プログラムの発足を主導したり、1兆2500億円の借り入れを行って取引先の「もしも」に備えたりと、トヨタ自動車はサプライチェーンの保護に余念がない。しかし、サプライヤー関係者は、そんな“調子の良い”施策に熱狂はしていない。自動車部品業界の実態はもっと複雑で、競争力を保ち続けるために抜本的な改革が必要とされているときだからだ。

売上高2.5兆円ながら、日本の時価総額トップ20にランクインする空調機メーカー世界最大手のダイキン工業は、新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が混乱する中でも、ライバルに一段の差を付けようとすさまじい勢いで変革に動く。なぜダイキンは強いのか。今、何を変え、今後の成長チャンスをどこに見いだしているのか。1994年に社長に就任してから26年間、経営トップとしてダイキンを率いてきた井上礼之・取締役会長兼グローバルグループ代表執行役員に聞いた。

番外編
新型コロナウイルスを封じ込めるための外出自粛などによって、これまで日本が過度に依存していた自動車産業が大打撃を食らっている。銀行は、すでに資金繰りが厳しくなっている飲食業や観光業にばかり目が行っている状態だが、実は自動車部品業界はより深く、複雑な問題に直面しており、今まさに異次元の変革期に突入しようとしているところだ。

#12
新型コロナウイルスの感染が終息しても、コロナ前の世界にはもう戻れないだろう。ただでさえ、消費が低迷しているというのに、人々の価値観と生活スタイルは激変しており、移動需要の一部は“蒸発”しそうだ。移動に関わる自動車や航空機業界は、ビジネスモデルの解体的見直しを迫られそうだ。

#11
パナソニックは4月27日、新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月期の売上高予想を下方修正したが、それでも利益予想は据え置いた。5月18日に発表された実績は、ほぼ想定通りの結果となり、一見まずまずの決算となった。だが、ポストコロナのパナソニックは順風満帆とはいえそうもない。

#17
東レは米ボーイングやユニクロの開発パートナーを務める他、リチウムイオン電池の主要部材の主力メーカーの地位を築くなど、世界の主要産業と取引関係のある一大素材メーカーである。その素材の“雄”は、新型コロナウイルスが襲った「世界封鎖」パニックをどのように乗り切ろうとしているのか。

#11
新型コロナウイルスの感染予防に万全を期したい気持ちはあれども、マスクと同じく、いまだになかなか手にできないのがアルコール消毒液だ。消毒液は、なぜこんなにも足りないのか。消毒液の流通を阻む“意外な犯人”を明らかにする。

#2
いまやすっかり“希少品”となり、どうにか入手しようと誰もが必死になっているマスクとトイレットペーパー。ドラッグストアにも連日、人が詰め掛けているが、実はこの2商品ではドラッグストアはちっとも儲からない。マスクに至っては、どれだけ作っても供給が追い付かず、メーカーを含めてもはやヘトヘト状態だ
