松野友美
#1
JR東海の2021年3月期予想売上高は前期から半減。JR東日本よりも、JR西日本よりも、JR九州よりも、そして私鉄大手よりも落ち込みが大きい。それでも最も強気でいられるのはなぜか。各社が大打撃を受けたホテル事業から「強者の論理」が見て取れる。

三井物産&日鉄物産アパレル統合の裏で「リストラ異動」「年収2割減」の不安
コロナ禍が直撃した2020年、上場企業約100社が早期・希望退職者募集を打ち出した。21年に入ってからもすでに約40社。コロナ禍の直撃を受けて赤字が膨らんだ企業だけが実施するのではない。黒字企業も人員整理を断行し、誰しもが無関係ではいられない。「1億総リストラ」時代がやって来た。

#10
名門レナウンがつぶれ、他の大手アパレルもリストラを繰り返している。コロナ禍はさらに追い打ちをかけた。アパレル業界は一部の勝ち組を残して大不況に陥り、そのあおりは総合商社で働く人々にも及んでいる。

#8
近畿日本ツーリストが1月末に締め切った早期退職募集には、グループ従業員数の約2割に当たる1376人が応募。残留組が固唾をのんでいた春の異動内示は、3月1日に出る予定だったのが遅れた。その間に、近鉄グループ本体までもが早期退職を募り始めた。

大手ゼネコンの鹿島で社長が交代する。トラブルが相次ぐ中での交代は「引責辞任」なのか否か。トップ人事の深層に迫る。

準大手ゼネコンの前田建設工業は1年前、グループ傘下の前田道路に対するTOB(株式公開買い付け)に成功した。当時「親子げんか」状態だった両社を束ねる統合会社は看板から「前田」を消そうとしている。

設計大手である日建設計は、コロナ禍で「東京2時間圏」まで社員の通勤圏を広げた。東京での仕事が転機を迎える中、地方移住した社員は、副業的に地元の課題解決に取り組んでいる。東京でメインの仕事をしながら副業的に地方に携わる働き方の真髄を日建設計社長が語る。

建築設計事務所は「建築設計」の仕事が中心であり、設計大手である日建設計の歴代社長は建築設計畑出身者だった。ところが今年1月に就任した新社長は「街づくり」のプロ。傍流ともいえるところから大抜擢の裏にある「異変」を大松敦社長が明かす。

JR本州3社の2020年10~12月期(21年3月期第3四半期)の純損益は赤字組と黒字組に分かれた。ポストコロナの戦略で進む道は、赤字組と黒字組とで異なる。

#17
再生屋である経営共創グループのみちのりホールディングスは、赤字を抱えた東北のバス路線やローカル鉄道の事業者をどんどん傘下に収めてきた。人口が減る地方の交通に手を出して稼ぐことなどできるのか。同社CEOを直撃した。

#16
両備グループ(岡山県)の小嶋光信代表兼CEOは、和歌山県のローカル鉄道や広島県のバスなど、地方交通の事業再生を手掛けてきた。地方交通の雄をもってしても、このままでは救いようがなく、「1年以内に半分は経営維持が困難になる」という。

#15
JR東海はリニア中央新幹線の2027年開業を目指してきたが、静岡県の水問題がこじれ、開業時期の延期が濃厚になっている。問題を深刻化させた原因は、表に出ているものだけではない。JR東海の「体質」が少なからず影響している。

#14
鉄道の運行エリアがすみ分けされている大手私鉄16社では、事業が競合することはあまりない。それどころか、16社は部門や階層別に定期的に情報交換の場を設けるほど仲が良い。16社が集う「民鉄16社会」の内実と序列を説き明かす。

#5
国鉄出身者が経営上層部にずらりと名を連ねるJR各社は、今なお官僚組織的な色合いが残る。そんなJRの「キャリア組・ノンキャリア組」構造とは?JR東日本、JR東海の社長人事で判明した「ある特徴」とは?JR各社の待遇ヒエラルキーとは?

#30
景気動向が他業界よりも遅れて業績に現れるゼネコン業界。コロナ禍での悪影響はまだ本格化していないものの、先行きを示す指標には「変化」が現れている。ゼネコン業界に及ぶ不景気の影響とは。果たして潤うゼネコンはあるのか。

#29
ホテルや百貨店、不動産などの事業が鉄道事業の収入を上回る事業構造になっているのが私鉄の特徴。関東最大の私鉄である東急はその代表格だ。コロナ禍でJRが運輸収入の激減にあえぐ中、東急はインバウンドの落ち込みと観光の需要減少に足を引っ張られた。非鉄道分野の落ち込みをいかに回復させるのか。

#28
首都圏の通勤需要と東北・北陸新幹線で巨大な運輸収入を稼いできた東日本旅客鉄道(JR東日本)に大試練が訪れている。コロナ禍での外出自粛や、リモートワークの浸透という新たな生活様式により、運輸収入が蒸発してしまったからだ。先細りする運輸事業をソフトランディングさせて、非鉄道分野のビジネスを拡大できるのか。JR東日本の深澤祐二社長に21年以降に目指す会社像について聞いた。

#27
かねて、鉄道業界では人口減少で鉄道利用が先細りすることは予想してきた。しかし、コロナが変化のスピードを一変させ、JRも民鉄も今期は大赤字を抱える見通しだ。

#11
ゼネコン主要33社の最新決算は、受注高減少ラッシュとなった。コロナ禍の影響などによる民間企業の設備投資抑制や、ホテルや商業施設の苦戦がゼネコン業界にまで波及している。そんな中で各社の受注高は、「ある比率」で明暗が分かれた。

JR本州3社における規模の序列はJR東日本、JR東海、JR西日本の順で定着してきた。しかし、2021年3月期通期予想でこの序列が崩れる。売上高見通しでJR東海がJR西日本を下回り、3社中で最下位になったのだ。利益の序列はまた別の異変が起きており、これが3社の経営課題を浮き彫りにしている。
