医薬経済ONLINE
沖縄県で薬剤師不足が深刻化している。薬学部設置の署名を集めたところ、たちどころに10万人を超えた。しかし、新設を阻む障害が立ちはだかる。

武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長兼CEOは「25年までは経営に関与したい」と口にしてきた。その通りであれば、トップ交代まで残り2年。次期トップの最有力候補とは?

厚生労働省は2022年11月の部会で、国内初となる肥満対策のOTC薬「アライ」を要指導医薬品として承認することを了承した。大正製薬が申請したのは4年も前のこと。ずっと棚晒しとなっていたものが、なぜここにきて承認されるのか。

後発医薬品大手である日医工の経営危機は、一義的にはワンマンで鳴らした社長の能力不足が招いた。が、この転落を他人事のように高みから見物している別の「悪人」たちがいることを忘れてはならない。

国内漢方最大手のツムラは2023年3月期の通期売上高は前年比6.9%増の1385億円を予想する。創業一族による特別背任と「小柴胡湯」の副作用とで倒産寸前に追い込まれた往時を知る関係者からすれば、隔日の感であろう。にもかかわらず、株価の上放れが起きない理由はほかでもない。中国リスクが、どう好意的に解釈しても「予見可能」な状態とは言えないからだ。

11月14日の世界糖尿病デーの少し前の8日、新聞紙上に「『糖尿病』の名称変更へ」という見出しが躍った。痴呆症を認知症に、精神分裂病を統合失調症に変え、成人病を生活習慣病に変更した例もある。糖尿病の名称変更話は今までもときどき、話題になる古くて新しい問題。果たして名称変更へ、という新聞報道は本当なのか──。

難病に対する最高の“医療保険”といえそうだ。10月中旬、大手旅行会社「JTB」がiPS細胞のパイオニア企業である「リプロセル」と提携。訪日外国人向けに「パーソナルiPS」を作製、冷凍保管する医療インバウンドサービスを始める、と発表した。訪日外国人旅行客を対象に将来、万一、難病にかかった時の再生医療に備えるために今からパーソナルiPS細胞を作製、保管しておこう、という医療インバウンドなのである。

古くより、危機は常に好調の内に芽生え、多くの投資家が褒め称えた時にはすでに頭をもたげている、と言われる。この警句が今、最も当て嵌る国内医薬品メーカーと言えば、やはり中外製薬をおいてほかにはないだろう。2022年12月期決算は、売上高が同社初の1兆円超えとなる1兆1500億円を予想、コア営業利益は4400億円に膨らむとしており、無事に達成すれば6期連続の増収増益となる。薬価が毎年引き下げられる環境下にもかかわらず、中外だけは別の世界線に立脚しているかのようである。

漢方薬大手「ツムラ」が直面する最重要課題は成長だろう。2020年度の国内の医療用医薬品市場規模は約10.3兆円と推定され、そのうち医療用漢方薬は1610億円、シェアに換算すると約1.6%である。成長戦略として目指すのは、国内の医療用漢方薬の裾野拡大と中国市場への逆進出、である。

塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症治療剤「ゾコーバ」が11月下旬に緊急承認の可否をめぐって厚生労働省で再審議される見通しだ。当日の結果次第で、塩野義の命運は大きくわかれる。「国産初の新型コロナ経口薬」「緊急承認制度の第1号」――。承認されれば、こういった称号が飛び交うだろう。

11月上旬時点で時価総額9兆円超の第一三共。同社の「自信」の源泉となっている抗がん剤「エンハーツ」の成長に今後異変等が起きたときに、今と変わらぬ姿勢を取り続けられるか。実際、「好事魔多し」とはよく言ったもので、絶好調の第一三共においても、天候急変につながるかもしれないシグナルがここに来て、散発し出している。

イオン傘下のイオンリテールは10月18日、横浜市にIT技術満載の新店を開業した。1階のフード&ウエルネスにはイオン薬局(調剤薬局)を設置した。患者ニーズと現在の調剤報酬の取得最大化を狙った最新鋭の調剤薬局で、近隣の調剤薬局経営者も「どこまで患者が流れるかなぁ」と不安視するほどだ。

このクスリこそが日本を救い、世界を助けるとばかりに喧伝された「アビガン」。結果は周知のとおり、無力で無残だった。血税を投入した国民からすれば、ほぼ詐欺紛いの結末としか言いようがない「大阪発ワクチン」の頓挫や、振り返るのも赤面する「イソジン」騒動というのもあった。これらに共通するのは、ポピュリスティックな権力者による思慮の浅いビッグマウスを、忖度集団が輔弼し、さらにメディアが無批判に拡声することによって、実力とはかけ離れたクスリの虚像が作られるという構図である。

「似合いの合併、いや統合だ」という声も多い。東京医科歯科大学と東京工業大学の統合話だ。両大学が「統合に向けて協議を開始する」と発表したのが8月9日。それから2カ月になるが、反対の声はほとんど聞こえてこない。

「何がめでたい?オリンパス」。8月下旬、大手経済紙・誌を中心に突如、オリンパスの礼賛報道が沸き起こった。歴代トップらの申し送りによる巨額損失飛ばしの発覚というスキャンダルから10年余り。同社の「再建」への取り組みが、一応は成功したと見たうえでの総括と展望という趣旨の記事であったが、読後に去来したのは冒頭に記した思いだった。

米アマゾンは、米ワンメディカルを約39億ドル(約5400億円)で買収し、ヘルスケアサービスの拡充に向けて、再び挑戦する。診察予約や薬局への処方薬の受け取りといったペイシェント・ジャーニーの体験を「再発明することを目的としている」と宣言している。ペイシェント・ジャーニーとは、これまでの中心であった医療機関でなされる「治療」だけでなく、治療の前段にある「予防」と後段にある「回復」を含めて一気通貫でケアすることを指す。

製薬業界最大手の武田薬品工業、大手のアステラス製薬がここ数年間で大量のリストラを行ったことで、“製薬エリート”が続々と放逐された。武田薬品は2010年代半ばから研究開発部門を手始めに、ビジネス部門や一般管理部門でクビ切りを断行。辞めた元社員がベンチャーを立ち上げたり、同業他社の役員に就いたりする事例が相次ぐ。今年7月にもアストラゼネカの日本法人社長に、武田薬品で日本オンコロジー事業部長を務めた堀井貴史氏が就任して話題をさらった。しかし、両社とも「華麗なる転身」ばかりではない。

発売60周年の節目を今年迎えた「リポビタンD」を、長年にわたり会社の代名詞としてきた大正製薬とその持株会社・大正製薬ホールディングス(HD)。2018年秋以降、ほぼ4年にわたって下落し足元では半値以下となってしまった大正HDの株価をはじめ、2期連続の営業赤字を見込む医薬事業の方向付け、リポビタンDや「リアップ」に続く圧倒的ブランド製品の不在に対する見解など、問い質したい項目が積み上がっている。

住友ファーマ(旧大日本住友製薬)は2022年度を最終年度とする中期経営計画の売上高6000億円は未達確定で今年5月に5500億円に修正。さらに、北米で2000億円以上を売り上げる抗精神病薬「ラツーダ」のパテント・クリフ(特許の崖)が23年度から本格化し、再成長への道のりはたやすいものではない。穴を埋める後継品の育成に追われるなか、別の問題も抱える。

スマートフォンで高血圧症が治療できる時代となった。キュア・アップが保険収載を申請していた「キュア・アップHT高血圧治療補助アプリ」が8月3日の中央社会保険医療協議会の総会で了承された。医療機器の決定区分はC2(新機能・新技術)で、使用目的は「成人の本態性高血圧症の治療補助」。特定保険医療材料としての設定ではなく、新技術料で評価された。保険適用は9月からとなる。初診の自己負担(3割)は2910円、2回目以降は2490円だ。
