「勝者のゲーム」と資産運用入門

植田総裁はノーチャレンジング、故に日本株は上昇。2024年は金融相場到来やマイナス金利解除など激動。投資初心者も新NISAを徹底活用して資産形成しよう!太田忠の勝者のポートフォリオ 第116回

2023年12月26日公開
太田 忠
facebook-share
x-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

12月19日開催の日銀会合の結果は現状維持。マイナス金利解除なし

 政策は現状維持、マイナス金利解除なし、フォワードガイダンスは不変―。

 非常に注目されていた12月19日火曜日、今年最後となる日銀の金融政策決定会合が開催された。結果は大方のマーケット関係者の予想通り、従来通りの大規模金融緩和の維持である。しかも金融政策の先行き指針を盛り込んだフォワードガイダンスも変更されなかった。「全然チャレンジングじゃないじゃないか!」という声があちこちから聞こえてくる内容だった。

 会合前まで「チャレンジング」という言葉に振り回されていた為替市場と日本株市場。12月12日のコラムで私が話題にした日銀植田和男総裁のチャレンジング発言である。

円高・株安が進んだのはチャレンジング発言を引き締めと早合点したこと

 「チャレンジングな状況が続いていますが、年末から来年にかけて一段とチャレンジングになると思っています」。12月7日の参議院財政金融委員会における植田総裁の発言を受けて為替市場でドル円は145円台から一気に141円台まで急騰、日経平均株価も587円安となり円高・株安が進んだ。私がコラムで指摘したように植田氏の発言は金融政策に関する質問の回答ではなく、日銀総裁としての職務一般に関する質問の回答だった。そのため「早ければ年内にも金融政策はチャレンジングに引き締め方向に変更される」という早合点がマーケットを動かす状況を招いた。

 それにしても、だ。欧米の中央銀行はインフレ加速や景気過熱への対策を早々に打ち、政策金利をどんどん上げてすでに最終盤。利上げ効果を確認しつつ「来年からはいよいよ利下げへ」という期待が高まるほどのダイナミックな展開をしているのに対し、我が国の中央銀行はこの間、ほとんど何もしていない。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正を実行しただけだ。もし、金利正常化に向けて本格的に動き出すのならば、事前に告知する役割のフォワードガイダンスの文面を変更し、少なくとも「いよいよ日銀が動き出す」というニュアンスを伝えなければならなかったと思うが、12月時点においてはそれもなされなかった。

マイナス金利解除は来年4月が有力シナリオ。カギを握るのが賃上げ動向

 とは言え、もちろん日銀はマイナス金利政策をいつ解除するか見極めの段階に入っている。19日の金融政策決定会合後の記者会見で植田総裁は次のように発言した。「2%の物価安定目標達成の確度は少しずつ高まってきているが、なお見極めていく必要がある」「来年1月にマイナス金利を解除する可能性は新しい情報次第」。市場関係者が最も重視しているのが4月の金融政策決定会合である。金融正常化に向けて重要な判断材料にしているのが賃上げの動向だからだ。春季労使交渉が始まるのは年明けの1月、そして大企業の交渉結果がまとまるのは3月中旬。労使交渉結果を確認した上で日銀が物価見通しを示す4月の会合で動くというシナリオだ。

 このところ日米の金融政策が為替市場に与えている影響は大きいが、2024年は米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動き、日銀が金融正常化で利上げに動けば「ドルが売られて円が買われる」、すなわち円高・ドル安の方向に進みやすい。すでにそうした先読みでドル円は151円台から現在142円台まで円が強含んでいる。日銀会合で「全然チャレンジングじゃないじゃないか!」という結果が出たため、日本の株式市場は上昇した。大規模金融緩和の維持で金利上昇が回避されたことで日経平均は12月19日に460円高、20日に456円高とわずか2日間で916円も上昇した。

日経平均が上昇する中、秋まで好調の日本の銀行株が苦戦する理由とは?

 ところで秋頃まで絶好調だった日本の銀行株。2Q決算も非常に良い内容だったのに、今の株式市場で一人負けの状況になっている。この現象はまさに昨今の金融政策、すなわち金利動向の影響を受けているからだ。

 「どうして日本の銀行株は下がって、米国の銀行株は上がっているのでしょうか?」。最近、私の元に多くの個人投資家から寄せられる質問だ。日米の長期金利がともに下がっているという状況で、何故このような違いが出るのか? 疑問を持つ方も多いと思う。

 まず大事な点は、日本の銀行株は圧倒的に国内金利が収益に直結していることだ。なので「最近の日本国債10年物の利回りの低下(直近ピークの0.950%から0.550%に)→日本の銀行収益にマイナス→株価下落」という構図がこのところのメガバンクを始めとする銀行株下落の要因になっている。日銀が金融緩和を継続すると金利上昇が当面見込めず、「失望感」が漂うことになる(いずれマイナス金利が解除されると金利上昇で銀行株に大いにプラス)。

日本の銀行株は金利上昇でプラス、米国の銀行株は金利低下でプラス

 一方、米国では金利が高すぎることが本業にマイナスの面が強くなっており(貸し出しが伸びない、貸し倒れリスク増など)、このところの米長期金利の低下(直近ピークの5.00%から3.84%に)は銀行にプラスと受け取られるのだ。「金利低下→”貸出が伸びない&貸倒れリスク増”の心配が減る→株価上昇」である。さらに言えば、銀行が投資している米国債の評価益は「米長期金利の低下→債券価格上昇→銀行収益にプラス(評価損縮小や評価益増加)」となる。特に米国の銀行は米国債価格の暴落により今春破綻したところが相次いだため、この点についてはいまだに敏感であり債券価格の上昇は歓迎される。日本の銀行株はこうした面ではほとんど評価されない。あくまでも本業、メインのビジネスに直結する国内金利の上昇が重要なのだ。

 要するに、日本の銀行株と米国の銀行株は「金利上昇や金利低下」という視点において逆方向の動きになる。それは低すぎる金利環境と高すぎる金利環境におけるビジネスが全く異なることに起因している。こうした面について、皆さんにはきちんと理解していただきたい。

新NISA活用法を徹底解説。年代やシチュエーション別の活用法も展開!

 さて、太田忠投資評価研究所とダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ(DFR)がコラボレーションして投資助言を行っている「勝者のポートフォリオ」。新たな講義動画として太田流「新NISA活用法」のスペシャル講義がスタートした。新NISAは本格的な個人の資産形成にとても有力な枠組みであり、活用しない手はない。第一弾として「何に投資をして、どう資産配分すればいいの?」という投資初心者のご要望にも分かりやすくバッチリ解説させていただいた。1月からは年代別、シチュエーション別の新NISA活用のシミュレーションの講義を行う予定だ。人生において5年や10年はあっという間。そのあっという間の期間に「きちんと取り組んだ」か「おろそかにしたか」で雲泥の差が出る。資産形成力は生活クオリティ、人生クオリティに直結する問題だけに軽んじることはできない。

 そして、毎月恒例のWebセミナーを年明け大発会の1月4日(木)20時より開催する。テーマは『2024年のマーケット展望と投資戦略』。このコラムでは個別銘柄の話はできないが、セミナーでは今後大きく上昇が期待できる注目銘柄も存分にお話する予定だ。会員限定だが10日間の無料お試し期間を使えば誰でも参加可能である。セミナー当日14時までのお申込み(15時URL配信)。資産運用で大きく躍進されたい方々の積極的なご参加をお待ちしている。なお、有料会員の方々は後日アーカイブでの視聴ならびにプレゼンテーションPDFもご覧いただけるので見逃さないでほしい。

●太田 忠 DFR投資助言者。ジャーディン・フレミング証券(現JPモルガン証券)などでおもに中小型株のアナリストとして活躍。国内外で6年間にわたり、ランキングトップを維持した。現在は、中小型株だけではなく、市場全体から割安株を見つけ出す、バリュー株ハンターとしてもDFRへのレポート提供によるメルマガ配信などで活躍。

※この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、メルマガ配信の他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。原則毎月第一水曜夜は、生配信セミナーを開催。

 

国内外で6年連続アナリストランキング1位を獲得した、
トップアナリスト&ファンドマネジャーが
個人投資家だからこそ勝てる

「勝者のポートフォリオ」を提示する、
資産運用メルマガ&サロンが登場!

老後を不安なく過ごすための資産を自助努力で作らざるを得ない時代には資産運用の知識は不可欠。「勝者のポートフォリオ」は、投資の考え方とポートフォリオの提案を行なうメルマガ&会員サービス週1回程度のメルマガ配信+ポートフォリオ提案とQ&Aも。登録後10日間は無料!

太田忠の勝者のポートフォリオ

10日間無料 詳細はこちら※外部サイトに移動します


moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社!
年200万円利用で高級ホテル宿泊券がもらえる!最強ゴールドカードを検証! ダイヤモンド・ザイのウェブ会員登録はコチラから 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ゴールド・プリファード・カードの公式サイトはこちら moomoo証券は「米国株」投資におすすめの証券会社! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の公式サイトはこちら! 三菱UFJ eスマート証券(旧:auカブコム証券)の魅力を徹底解説!NISAは全商品が手数料無料!「クレカ積立で最大3%還元!」「普通預金金利が大幅アップ!」などメリット多数! 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強の高配当株&
増配株111銘柄
投信格付240本

4月号2月20日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[最強の高配当株&増配株111銘柄]
◎巻頭特集
最新決算で判明!トヨタやイオンなど人気20銘柄の買・売診断も!
株価も業績も伸びる2026年大本命株

●増益率や進捗率が高い業績好調株
●指針改訂で経営効率の改善に期待の株
●成長投資が本格化!大化け“高市株”

◎第1特集
オルカン超えの上昇率!
利回り5%超が続々登場!
最強の高配当&増配株111銘柄
●1:高配当株が最強な4つの理由
●2:損したくない人のための高配当株の必勝法
●配当利回り3%超で優待も!
桐谷さん厳選の高配当優待株10
●安心して持てる最強の高配当株鉄板7&買いや強気は48銘柄!人気高配当株トップ70「買」「売」診断!
●「連続増配+優待」「少額の高配当」で手堅く勝つ!初心者に安心の高配当株22
●「減配しない」「金融庁の“喝”」「テーマ」で爆上げを狙う!株価が上がる高配当株42

◎第2特集
投資しないは大損!?
2026年こそ始める!暗号資産入門

●暗号資産を買うべき理由3
●ビットコイン価格がまだ上がる2つのワケ

●ビットコインはどこで買えばいい?
●販売所の取引コストには注意!

◎第3特集
NISAで売れてる投信をズバ斬り!
★★★の数を見るだけでOK!投信格付240本

●金相場を予測!
ドルや株の代替として金への資金流入が続く!

●NISAで買う投信の選び方
●新登場の投信も!インデックス型46
●市場環境が激震!アクティブ型61
●全体的に成績が向上!バランス型24
●本当の利回りが上昇!毎月分配型100

◎別冊付録
申込み忘れを防いで旬の味覚を満喫しよう!
2026年ふるさと納税年間計画

●申込プランを立てて欲しい返礼品を確実にゲット!
●楽ちん定期便ベスト13
●春夏秋冬の食材が集結!単品ベスト26

◎いつもの連載も充実!
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.19
「教育訓練給付金ってなに?」
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.14
「レートの“ワープ”が介入サイン」
●おカネの本音!VOL.44 吉州正行さん
「銀座の煩悩と禅寺の静寂 両極を見てわかったおカネの適量とは?」
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.112
「カネの匂い? 新富裕層の正体」
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
「ステルス増税とも揶揄される!『独身税』ってなんだ?新制度のリアル」
●ZAiクラブ拡大版!1カ月で1番上がる株を当てろ!
「人気ランキング最下位のティーケーピーが下剋上!」

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報