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【1】今日の株式相場早わかり！
最高値にあと100円弱まで迫る場面も、今晩は米PPI
日経平均株価は続伸！ 15日の米国市場ではNYダウが300ドル超上昇し、S＆P500指数は終値で過去最高値を更新した。1月の小売売上高が予想以上に落ち込んだが、利下げ観測につながったようだ。また、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズが決算を受けて時間外取引で急伸。今日の東京市場でも朝方に東京エレクトロンなどの半導体関連株に買いが入ると、日経平均株価は一時3万8865.06円（＋707.12円）まで上昇し、1989年に付けた史上最高値（3万8957.44円、取引時間中）にあと100円弱まで迫った。ただ、その後は半導体株が伸び悩むとともに、日経平均株価も上げ幅を縮めた。三菱UFJフィナンシャル・グループや川崎汽船は堅調だった。
今晩の米国では1月の卸売物価指数（PPI）や2月のミシガン大学消費者調査結果が発表される。特にPPIはこのところの経済指標や要人発言を受け、金融政策の行方を探る上で注目度が増しているようだ。
【日経平均】38487.24円↑（+329.30円）
【グロース250】753.25↑↑（+27.55）
【NYダウ】38773.12ドル↑（+348.85ドル、15日）
【ナスダック】15906.174↑（+47.028、15日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
【2】今日の注目株！
最新高配当ランキング、トップは新NISAで人気のJT
2023年10～12月期決算の発表が一巡し、今日は最新決算を反映した「配当利回りトップ10」を紹介する。2023年7～9月期決算後のランキング（11月15日号）と比較すると、10銘柄中6銘柄が前回に引き続きランクインした。
今回1位になったのは新NISAで人気常連のJT。競争の激しい加熱式たばこで販管費が増加する中、2024年12月期の1株あたり配当予想は前期比で横ばいとされた。同社は配当性向75％を目安（上下5％程度の変動あり）とし、今期予想の配当性向は75.7％。ただ業績予想は保守的との声もあり、期中の増配発表の可能性は十分にありそうだ。
前回に続き2位となったコスモエネルギーホールディングスは第1四半期決算時に増配と下限配当の引き上げ、第2四半期決算時に追加増配を発表していたが、第3四半期決算時での追加発表はなかった。ただし、総還元性向60％の方針を踏まえると、追加の還元余地は残されている。新たに3位にランクインしたのは飯田グループホールディングス。分譲戸建市場では在庫過剰が続き足元の業績は苦戦している。一方、同社は2013年の経営統合後に減配の経験がなく、財務も健全であるため減配懸念は小さい。業績の一段の悪化は想定しづらく、足元の配当利回りは魅力的とも考えられる。
鉄鋼大手3社もランクイン。日本製鉄は第3四半期決算に業績・配当予想の上方修正を発表。買収したカナダの原料炭鉱山会社の収益寄与も想定すると来期も高水準の配当が予想される。JFEホールディングスは来期に固定資産の売却益計上が予定されており、こちらも大幅な減配はなさそうだ。神戸製鋼所は一過性利益の剥落で来期の配当に不透明感がくすぶるが、5月には新中期経営計画が発表される可能性が高く、そこで昨年8月に続く配当性向の引き上げが発表されるかに注目だ。
■JT株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『ホットなテーマ！』」
バフェット氏がアップル保有減、エネルギー株買い増し
著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイは14日、米証券取引委員会（SEC）に報告書を提出し、2023年12月末時点の米上場株の保有状況が明らかになった（前四半期の開示については昨年11月17日号参照）。
話題となったのは、ポートフォリオの中核銘柄であるアップルの保有減少だ。15日の取引でアップルの株価は1.5％あまり下落する場面があった。このところスマートフォン「iPhone」の中国での不調などから株価が伸び悩み、時価総額ではマイクロソフトに逆転を許していたため、バークシャーの保有減少がことさら注目を集めやすかった面もあるだろう。ただ、減少したのは保有株の1％あまりにすぎず、バークシャーのアップルに対する評価が変わったと判断するのは時期尚早か。一方、コンピューターのHPやメディアのパラマウント・グローバルはより保有減少が大きかった。
また、住宅のDRホートンや保険のグローブ・ライフなど4銘柄を全株売却した。DRホートンは前々四半期（4～6月）に新規取得したばかり。ただ、同時期に取得したレナーやNVRの保有は継続しており、現時点で米住宅市場に対する見方が変わったとも言えない。逆に保有増加したのはエネルギーのシェブロンやオキシデンタル・ペトロリアムだ。三菱商事など日本の大手商社株の買い増しも公約通り期待できそうか。
15日の取引では、半導体のエヌビディアによる株保有が材料視され、音声AI（人工知能）のサウンドハウンドAIが急騰。他方、ハイテク株人気が続く中で、バークシャーの売買動向を伝える報道は従前より減った感がある。しかし、エネルギーインフレへの備えなど、個人の資産防衛の観点からはなおバークシャーに学べるところが大きいだろう。
小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科（現経営管理研究科）修了（MBA）。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。
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