現在、銀行に10万円を1年間預けると(定期預金)、利息はいくらになるかご存知だろうか?
(A)20円
(B)300円
(C)1000円
一般的なメガバンク(みずほ、三菱UFJ銀行、三井住友)の場合、1年間の定期預金金利は0.025%(7/9現在)なので、正解は(A)の20円(税引き後)である。
普通預金の金利も0.02%なので、税引き後の利息は16円。定期預金とそれほど変わらない。仮に定期預金を10年預けたとしても利息は200円にしかならない。この利率では資産を増やすことは無理だ。
地方銀行ではメガバンクの20倍の利息が付く定期預金もあるが(参照:「メガバンクに定期預金を預けるな! 20倍以上の金利が付く銀行もたくさんあった!」)、メガバンクを上手に使う方法はないのだろうか?
そこでザイ・オンラインのおススメが「メガバンクの普通預金に10万円を預けておくこと」だ。
「少ない利息の普通預金に預けるメリットはないでしょ?」と思うかもしれないが、普通預金に10万円以上入っているだけで「顧客」としての扱いはグンとアップし、様々な「優遇」が得られ、1年間に数千円お得になる可能性がある。金利に換算すれば5%以上の計算となる。
最低でも10万円。金額が多くなればおトク度が増していく!
なぜ「普通預金に10万円」なのか? 次の表を見てもらいたい。
上の表はみずほ銀行の普通預金の残高(月末時)に応じたサービスを示したもの。普通預金口座を作った後、みずほマイレージクラブに入会し(入会は無料)、月末に一定額(10万円以上、50万円以上)の残高があれば翌々月のATM使用料と振込手数料が安くなるか、もしくは無料になる(その他の取引条件でも可:後述)。
ほとんどの方は現金を引き出す際にコンビニストアのATMか、銀行のATMを使うだろう。その際の手数料は金額と時間帯にもよるが、1回あたり105円もしくは210円かかる。
仮に毎月4回コンビニで引き出しをした場合、1年間に48回×105円=5040円かかる。金利にすると5%(!)に相当する。定期預金の金利が0.025%の時代に、これは由々しき事態といわねばならない。
コンビニATMは全国に3万8000台。24時間無料の場合も
手数料も安くなるが、コンビニのATMが使えるのは大変なメリットとなる。
メガバンクの現金引き出しで使えるコンビニのATMで代表的なものは、セブン銀行、E-net(イーネット)、ローソンの3つ。
全国にセブン銀行のATMは1万6895台(7/12時点)、ローソンのATMは9357台(7/10時点)、イーネットのATMは1万1799台(6/30時点)設置されている。日本全国津々浦々、コンビニのあるところでは手数料無料で元金を引き出せるので旅行の際も便利だ。
ちなみにイーネットはファミリーマート、ミニストップ、セーブオン、ポプラ、デイリーヤマザキ、セイコーマートなどに設置されている。
また、コンビニATMはほぼ24時間稼働している。深夜にちょっと手持ちがなくなっても手数料無料で下ろせるのだ。
振込手数料も安くなる
メガバンクの優遇はATMの使用料だけではない。振込手数料も安くなる。
みずほ銀行を例に取ると、月末に10万円以上残高があれば自行宛(みずほ銀行の他支店への振込)が金額の多寡にかかわらず無料となる。他行(他の金融機関)でも105円安くなる。
いまはネット通販などで商品を購入することも少なくない。振込手数料が無料もしくは安くなれば、これまた1年間で1000円単位の削減が可能となる。
残高が10万円なくても優遇が受けられるケースも
メガバンクの優遇サービスの場合、普通預金の月末時点の残高が基本条件となっているが、その他の条件でも優遇サービスが受けられる。
みずほ銀行の場合、普通預金のみならず定期預金や外貨預金も対象となり、住宅ローンかマイレージクラブカード(クレジットカード)を使用していても、同じ優遇サービスが適用される。三菱UFJ銀行銀行と三井住友銀行については次ページ以降で解説する。
いずれにせよ、メガバンクで10万円預けても1年間で利息は20円しか付かないことは前述したとおり。それなら10万円を普通預金に入れておいたほうが手数料やその他の優遇で、1年間だけでも数千円のお得になる。
ただ、普通預金に入れておくといつでも引き出せてしまうのが難点(定期預金なら解約しない限り一定期間は引き出せない)。「普通預金の10万円は使えないお金!」と決めておくべきだろう。
定期預金の金利も優遇される三菱UFJ銀行銀行
次に三菱UFJ銀行銀行の優遇システムをみていこう。
まず、優遇を受けるには「メインバンクプラス」に申込む必要がある。すでに普通預金口座を持っている場合はスーパー普通預金に変更し、三菱UFJダイレクトに申込む(店頭、郵送、インターネットなど)とメインバンクプラスとなる。
コースは3つあり、運用資産残高によって10万円以上(ホワイト)、50万円以上(シルバー)、500万円以上(プラチナ)となっており、それぞれ優遇内容が異なっている。内容については下表を参照してほしい。
なお、判定の対象は普通預金の残高だけでなく、同一名義の円預金、外貨預金、投信なども合算され、月末時点の残高が基準に達していれば翌月20日から翌々月の19日まで適用される。
みずほ銀行と異なるのは優遇の対象となる範囲。ATM利用料と振込手数料以外にも定期預金金利や為替手数料、投信申込手数料なども優遇される。キャンペーン時によって内容が変わるので詳しくはHPで確認をしてほしい。
優遇の対象残高は30万円以上の三井住友銀行
もうひとつのメガバンク、三井住友銀行は「SMBCポイントパック」という優遇システムがある。
通常の普通預金の口座を「SMBCポイントパック契約口座」とし、ある一定以上の条件を満たすと各種優遇サービスが適用されるが、他の2つの銀行と大きく異なるのが残高が30万円以上であること。定期預金や外貨預金なども残高の対象となり、残高が30万円未満でもWeb通帳契約や給与・年金の受取りをしていれば優遇サービスが受けられる。
また、取引に応じてポイントが貯まる形式になっており、ポイントの多寡によって優遇の幅が変わってくるのも大きな特徴。詳しくは下表もしくはHPで確認をしてほしい。
手数料を少しでも軽減するために必要なこと
これまでメガバンク3行の優遇サービスについてみてきた。
ATM利用料と振込手数料が安くなる、もしくは無料になるだけで、金利数%分がおトクになることがおわかりいただけただろうか?
現在、メガバンクを使用しているなら、
(1)自分が現在使っている銀行にどのような優遇サービスがあるか?
(2)自分が優遇サービスを使うと1年間でどれぐらいお得か?
(3)優遇サービスを使うために足りない条件はなにか?
の順番でチェックし、実行に移すとよいだろう。
それほど手間をかけずに効果が大きいメガバンクの優遇サービス。すぐにチェックと試算をしてみることをおススメする。
(取材協力・データ提供/ストックリサーチ 大和田智美)
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