超成長株投資で資産10倍計画!

フィールズ(2767)の株価はバリュー株として超割安。来年以降のパチンコの大規模入れ替え&映画「シン・ウルトラマン」公開での特需に期待!山本潤の超成長株投資の真髄 第38回

2019年10月16日公開(2022年3月29日更新)
山本 潤
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

パチンコ業界は市場縮小もその中の割安株がフィールズ

 パチンコ・パチスロ産業は未曾有の危機にあります。2007年、同産業は年間30兆円を誇る市場規模でした。その10年後の2017年には19.5兆円へ大幅に縮小しました。市場の縮小はさらに継続する見通しです。数年後には15-16兆円程度の規模になると言われています。

 主因は、いくつかあるでしょうが、大きな要因は、射幸性の低下です。つまり、出玉が制限され、ギャンブルとしての魅力が落ちているのです。

 そうはいっても10兆円を超える規模の大産業であることには変わりがありません。

 「こうした成熟・衰退産業には、投資のチャンスは全くないのだ」と考える方が多いと思います。それは違います。

 衰退トレンドの産業であればあったで、それに見合った株価になっているからです。中には異常な安さに沈んでいる企業もあります。今回紹介するのは、投資妙味が十分に備わっているフィールズ株式会社(2767)です。

ネットキャッシュが時価総額を超えている

 財務状況と株価とを比べてみましょう。フィールズの時価総額は170億円程度です(2019年10月現在)。一方で、保有現金は289億円です。投資有価証券と長期貸付金が合わせて75億円です。両者を合わせると364億円です。有利子負債が154億円です。

 保有現金から有利子負債を除いたネット・キャッシュは210億円です。時価総額の170億円をネットの保有現金が凌駕しているのです(ネットキャッシュは将来の配当原資の一部であると考えることができます。ですのでバリュー投資家が好む財務指標のひとつです)。

 投資家に人気の高いPBR指標では、このように資産内容や負債内容が評価されません。一般論として、機関投資家はPBRではなく、時価総額ネットキャッシュ比でバリュー度を測ります。そしてその比率(=時価総額/ネットキャッシュ)が1を下回る企業をバリュー株と呼びます。

 

バリュー株の上昇にはカタリストが必要だが?

 こうしたバリュー株は10中8-9、万年割安なままです。できれば、投資を成功に導くためには、1年以内にくる株価の支援材料がほしいところです。株価を押し上げるかもしれない支援材料のことを「カタリスト」と呼びます。トレーディングの多いヘッジファンドの運用者は毎日、カタリストを探しています。

 わたしはグロース株の方を主流としていますので、通常はカタリストは考えません。なぜならば、グロース株は、業績が拡大していく見通しがあるので、成長株には株価支援のための特段のニュースや材料が必要ないからです。

 一方で、バリュー株への投資については、わたしもカタリストがないと投資しません。一般的に、バリュー株投資スタイルには多かれ少なかれカタリストの要素が必要になります(機関投資家でPBRが低いという理由だけで保有するファンドマネジャーはいません)。

 バリュー投資でカタリストが必要な理由について解説します。たとえば、PBR0.5倍というバリューがあったとしても、PBRには時間の目処がありません。わかりにくいですか?

 これではどうでしょうか。PERです。PERはみなさまは考えたことがないかもしれませんが、はっきりとした時間要素があります。年数です。

 株価を1年で生み出した利益で割るのですから、年率のペースが存在します。PER10倍ということは、今の利益額(EPS)が同水準で今後10年継続すれば株価に到達することを示すものです。

 PERの逆数は益利回りですね。益利回りというぐらいですから年率の利回りなのです。10倍のPERであれば益利回りは1/10ですから10%。年率10%程度の投資案件(利益が変わらないならば)なんだとわかるのです。

 ところがPBR0.5倍には、時間感覚がないのです。0.5であれば低いとはいえます。でも、それがいつ0.6倍になるのか。いつ1倍に戻っていくのかの目安はどこにもありません。

 そこで、PBR投資家はカタリストを設定して、カタリストの強さとカタリストの出現するタイミングをリターンの目安に用います。

 バリュー投資家は、特段、長期業績についての強いコンビクション(確信)を持ちません。その代わり、短期及び中期の支援材料やニュースであるカタリストの有効性を考えて、割安株に投資をするのです。

 フィールズはご覧のようにバリュー株です。ですので、教科書通りの投資にするためには、カタリストが必要です。このコラムでは、わたしは二つのカタリストを紹介したいと思います。

 

カタリスト1 
パチンコ・パチスロの大規模入れ替えによる超特需が発生!

 射幸性をさらに落とした新機種にパチンコホールは旧来機種を撤去しなければならないのです。期限は2021年1月です。ですので大規模特需が発生します。

 ただし、投資意欲の低いパチンコホールの中には、これを機会に廃業するところもあります。パチンコ設置台数が1割程度に縮小することになるでしょう。長期的にはまだ業界の苦境は続きそうです。

カタリスト2 
映画「シン・ウルトラマン」が公開予定

 フィールズの子会社となった円谷プロダクションですが、今期に入って、ウルトラマンの映画化が決定しました。制作側はシン・ゴジラと同じ顔ぶれで、監督は樋口さんで映画脚本は庵野さんです。映画のタイトルは「シン・ウルトラマン」であり、シン・ゴジラと同様にメガヒットの可能性が大いにあります。

 興行収益としては大きな規模感で円谷を通してフィールズに計上されると見ています。業績としては2022年3月期に計上されるでしょう。国内東宝系で上映される予定です。

来年以降、特需で黒字化予定

 フィールズが前期まで3期連続で赤字であったのは、ビジネスモデルや収益構造に問題があったからではありません。フィールズが拡大投資・先行投資によって、固定費を膨らましたタイミングで、パチンコ業界の自主規制などもあり、需要が減少したためです。アクセルを踏んだ直後に急ブレーキを踏まざるを得なかったのが業績の低迷の主な理由です。実際、固定費を削減した今期は黒字転換の計画です。また、足元業績にも若干明るさが出てきました。

 来期以降、二年連続で大きな「特需」が発生するため、今後1年程度の投資にはよかろうと考えます。1年程度のスイングトレードとでもいえばよいのでしょうか。

 

(DFR投資助言者 山本潤)

フィールズの投資判断、理論株価はメルマガの会員ページに掲載しています。

この連載は、10年で10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。

フィールズ(2767) /日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)

 

 


今日の注目株&相場見通し!!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

大企業で1億円
NISA投信グランプリ
チャート入門

6月号4月21日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[大企業で10倍株!]
◎第1特集
ソニーやサンリオ、JALなど92銘柄
大企業で10倍株!

●日本が誇る大爆騰株!最強10倍株
●夢を買う!次世代テーマ10倍株
●現実的に狙う!手堅い実力10倍株

●若手アナリスト&編集部員が発掘!
株価10倍になるZ世代株
●株価がすべて200円未満!激安10倍株
●オリエンタルランドや東京エレクトロンは?低迷大型株を売り買い診断

◎第2特集
第3回ダイヤモンド・ザイNISA投信2025
グランプリ宣言!
ザイは毎年、個人投資家目線でNISAで買いの投信を表彰します!

●日本株総合部門
●日本中小型株部門
●米国株部門
●世界株部門
●新興国株部門
●リート部門
●フレッシャー賞
●ダメなモンはダメと言います!期待ハズレな残念投信3本を今年も発表!

◎第3特集
値上げに勝つ!インフレ時代の最強節約術77
●コメの値上がりが家計を直撃!食費のワザ
●省エネで家計を守る!光熱費のワザ

●惰性で払っている固定費を点検!生活費のワザ
●もらえる制度はフル活用!医療&教育費のワザ
●資産40億円の億り人マサニーさんの節約術

【別冊付録】
3回集中講座の第1回!
買い時・売り時がQ&Aでわかる!チャート入門
「チャートのつくりとトレンドの読み方」

◎連載リニューアル!
●プロがこの先1カ月の日本株のポイントを解説&ガチ予測!
●3カ月先を読む「日本株」と「為替」の透視図

◎いつもの連載も充実
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.09
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.04
●10倍株を探せ!IPO株研究所2025年3月編
●おカネの本音!VOL.34 オモロー山下さん
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.102
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報