外資系金融機関で日本株のファンドマネジャーを20年務めた、日本株運用のプロ・山本潤氏による、「株の長期投資基礎講座」無料セミナーが6/30に東京・原宿のダイヤモンド社会議室で開催された。老後年金問題が注目を集める中、プロの運用者は、長期投資についてどのようなノウハウを持っているのか、今回はセミナーで明かされた長期投資の肝についてレポートする。
セミナーは主に以下のように進行した。
・長期投資のデザイン
・他社と違う運用→長期予測+配当モデル
・長期投資の真髄 トレンドとブレ
・日本株 やっては行けない! 信用と短期売買
・ポートフォリオ運用のメリット
・長期投資の会社ムーブメント
・質疑応答
日本株は個人投資家にとってハッピーな投資先に
山本氏によると、今、日本株は投資家にとって非常に良い時代になってきているという。その根拠をデータとともに説明してくれた。
「今、日本の全上場企業の自己資本比率は平均で50%以上ある。90年代の自己資本比率の平均が35%前後だったことを考えると、企業が自己資本をうまく使えるようになってきている。これは、付加価値の高いビジネスモデルを行なって、少ないコストで利益を上げられるようになってきたということで、日本株全体にとっても楽観的な状況と言える。自己資本比率が高いほどキャッシュが溜まりやすくなるので上場企業の配当性向も良くなっていて、今は20%後半で推移しているが、今後40%台まで行く可能性もある」
人口減や経済の頭打ちへの懸念から日本株にネガティブな声もあるが、山本氏の見立て
からは株価はまだまだ伸びるともいえる。
ブレが少ない配当モデルで評価する
ただ、そうはいってもやみくもに投資する企業を選んでいいわけではない。通常、企業選びにはPERやPBRを参考にする投資家も多いが、山本氏は配当の成長を見るのが重要なのだという。
「配当は利益と比べるとブレが大きくない。1992年から2019年の全上場企業の配当成長率の分布を見ても、成長率の平均が6%、標準偏差が30しかないので非常にコンパクトで評価しやすい。一方、利益で見るとPERが30~40%程度変化することはよくあり、こうした大きなブレが発生する数字を使ってモデルを作ると厳しい結果になる」
以上のような理由から、山本氏は長期の予想をベースにした配当モデルで企業を評価しているのだという。
長期投資は報われる可能性が高い
銘柄の保有期間についての解説では、山本氏は長期投資の有効性を強く伝えている。
「株価は過去の推移から算出する上昇期待値と、上下動の振動でできている。日本株の上昇期待値はキャピタルゲインとインカムゲインを併せると10%くらいだが、長期投資で考えると、リターンは時間に比例して増え、リスクは時間の平方根に比例して増えるので、例えば4年ではリターンは4倍だが、リスクは2倍になる。つまり、投資は保有期間が長ければ長いほど有利になる。この点からも長期で投資をデザインすると報われる可能性が高い」
山本氏は実際に過去の日経平均チャートを参照して、それぞれの期間で長期投資の有効性を解説した。近年では米中関税問題などで市場が変動することもあるが、こうした動きはノイズとみなして長期のトレンドを信じて投資を行なうことが重要だという。
「お宝銘柄」はいらない!
ただ、こうした長期投資が有効と頭で分かっていても、信用取引を用いた短期集中投資で目先の利益を取りにいく個人投資家も多い。山本氏はこうした投資について、データを用いて以下のように主張する。
「確率を計算すればわかるが、信用取引でのレバレッジを効かせた取引は投資家に不利になる。結果的に短期集中投資は難易度を上げることになり、失敗の原因になりやすい。一方、長期投資は短期の振動を押さえることができる。また運用に関してはお宝銘柄や仕手株など個別銘柄に集中投資せず、複数の銘柄に分散投資することが肝となり、ポートフォリオとして考えることが重要」
仕手株のような銘柄に短期集中投資する場合、単純に仮に勝つ確率が50%であっても4連勝する確率は0.5×0.5×0.5×0.5となり、わずか6.25%。信用取引2階建て(ひとつの銘柄で現物買いと信用買いを両方行なうこと)をしていれば成功確率はかなり低い勝負となる。より勝算の高い投資を行なうことが重要ということだ。
20%のリスクを取って23%のリターンを目指す
投資について山本氏は個人プレー(個別銘柄)ではなく、チーム(ポートフォリオ)で勝つのが重要なのだという。
「戦略としてはリスクを20%に抑え、リターンが23%を目指すのが目標。23%のリターンを10年取り続けることができれば資産は複利計算で10倍になる。ポートフォリオに採用する銘柄を25~30銘柄以内で厳選し、ボラティリティの高い銘柄は少なく、ボラティリティの低い銘柄は多く持つのが基本」
こうした考え方に加え、配当は再投資、内需と外需は半分半分でバランスよく、といったポートフォリオの基本を解説していった山本氏。分散投資の場合、リスク・リターンのバランスも個別単位でなく全体で見て調整していくことが必要なようだ。
「無配当銘柄は成長企業ではないのか?」
セミナーの最後には参加者との質疑応答も行われ、他にも、テクニカル分析の取り入れ方や、ポートフォリオ売買回転率、企業の絞り込みなど様々な質問が寄せられた。その中からいくつか紹介しよう。
参加者:配当モデルでポートフォリオを組むということでしたが、メルカリのような無配当銘柄は除外されるということでしょうか?
山本氏の回答:ポートフォリオの中には無配銘柄もありますし、バランスよく配当が市場平均よりも低いものも入っています。私たちは配当性向を見て逆算しているので、保有してから5年後10年後に企業が成熟するまで無配でも全く問題ありません。
参加者:四季報は読まれていますか?もし読まれているのであれば、最新号の感想をお聞きしたいです。
山本氏の回答:四季報は読んでいません。というのも私の場合、企業に直接取材して一次情報に触れることができます。株価は四季報に出ている情報を織り込んでいますし、直接企業に取材して判断しているので、あえて二次情報である四季報を見る必要性を感じていないのです。
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ザイ投資戦略メルマガ編集部
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