ダイヤモンド・ザイ編集部では半年に一度、毎月分配型ファンドの本当の利回りを算出。今回のデータを見ると、全体的に平均利回りは高水準をキープしている。人気100本を対象とした利回りランキングのベスト10を大公開。
リート型、豪ドル債券型、株式型が
平均で7%以上の高利回りをキープ!
毎月分配型ファンドの利回りは高水準をキープしている。2014年1年間の投資対象別の平均利回りを見ると、トップはリート型で9.8%、2位は豪ドル債券型で7.8%、3位は株式型で7.5%となっている。利回りがダウンしたハイ・イールド債型も5%後半をキープ。さらに、リスクが低い先進国債券が中心のグローバル債券型や、債券と株式などに分散投資するバランス型も3~4%台の利回りだ。
人気(純資産上位)100本の利回りランキングでは、トップが30%超。2~4位は20%超、また10%超の高利回りファンドも数多く見られた。
しかも、ここで評価している利回りとは、基準価額が下落した場合は分配金の合計からその下落分を差し引いて算出する「本当の利回り」のこと。見せかけではなく、本当の実力を示したものだ。
ここで、日本株(東証1部全銘柄)の予想配当利回りの平均を見てみると、利回りは1.77%(加重平均、2月3日現在)でしかなく、毎月分配型ファンドの利回りは日本株の配当利回りを大きく上回る状態となっている。
日本株は最低投資額が下がっているとは言え、10万円程度の投資資金が必要なのに対して、ファンドは1万円などの少額から買える。また、毎月分配型投資信託は海外資産に投資するタイプが豊富で為替の影響を受けるというリスクもある一方で、円安メリットを受けられるのも魅力だ。さらに、投資対象がさまざまで、分散投資でリスクを低減できる。
高配当株もいいが、一部の資金を高利回りの毎月分配型に振り分けないのはもったいないのでは。
発表!2014年1年間の本当の利回りベスト10
ほぼリート型が独占する結果に!
では、個別ファンドのランキングを見てみよう。
◆2014年1年間の本当の利回りベスト10(本誌では30位まで紹介) | ||||||
順位 | 分類 | 本当の利回り | 6カ月前の利回り | 1年前の利回り | 分配合計/ 基準価額の増減 |
投資信託 詳細へ |
1位 | 【ファンド名】◆楽天USリート・トリプルエンジン(レアル) | |||||
リート | 30.7% | 17.5% | 26.2% | 2040円 | ||
+260円 | ||||||
2位 | 【ファンド名】◆野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドル) | |||||
株式 | 21.6% | 21.0% | 17.4% | 3000円 | ||
+1229円 | ||||||
3位 | 【ファンド名】◆ダイワ米国リート・ファンド | |||||
リート | 20.6% | 13.3% | 20.6% | 1200円 | ||
+1323円 | ||||||
4位 | 【ファンド名】◆ゼウス[新光US-REITオープン] | |||||
リート | 20.3% | 9.5% | 20.1% | 900円 | ||
+857円 | ||||||
5位 | 【ファンド名】◆ダイワ・US-REIT・オープンB(為替ヘッジなし) | |||||
リート | 19.0% | 13.3% | 19.3% | 960円 | ||
+1246円 | ||||||
6位 | 【ファンド名】◆トリプルストラテジー[好配当グローバルREITプレミアム・ファンド通貨セレクト] | |||||
リート | 19.0% | 10.1% | -% | 2400円 | ||
+1008円 | ||||||
7位 | 【ファンド名】◆アジア好利回りリート・ファンド | |||||
リート | 18.9% | 10.0% | 11.9% | 2220円 | ||
+889円 | ||||||
8位 | 【ファンド名】◆ラサール・グローバルREITファンド | |||||
リート | 18.6% | 15.6% | 18.8% | 720円 | ||
+654円 | ||||||
9位 | 【ファンド名】◆日興・AMPグローバルREITファンドA(ヘッジなし) | |||||
リート | 18.4% | 15.8% | 19.0% | 840円 | ||
+725円 | ||||||
10位 | 【ファンド名】◆ワールド・リート・オープン | |||||
リート | 17.7% | 14.0% | 17.3% | 785円 | ||
+709円 |
表は2014年の1年間の本当の利回りでランキングしたベスト10本(純資産上位100本が対象)。今回の1位は、リート型の「楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)」で、2位を9ポイント以上引き離し、本当の利回りは30.7%とダントツ。2位は半年前時点で3位だった株式型の「野村ドイチェ・好配当インフラ関連株投資信託(米ドル)」で21.6%、3位と4位も20%以上で、リート型の「ダイワ米国リート・ファンド」と「ゼウス」だ。
上位10位までは2位を除いてすべてリート型となったが、1位の「楽天USリート・トリプルエンジン(レアル)」は、米国リート×オプション取引×ブラジルレアルの3階建てのリスクを取っており高リスクだ。とはいえ、リート型は通貨選択型以外でも上位となり、リート市場自体の好調がうかがえる。
ちなみに、半年前時点で本当の利回り27%で1位だった「資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル」は純資産の減少により今回は対象となる上位100本に入らなかった上に、資源株の下落により本当の利回りは2.4%のマイナスにまでダウン。本当の利回りが高いということはそれだけリスクが高いことの裏返しなので、注意してほしい。
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