
ANAマイルを使ってANAおよび提携航空会社の特典航空券を取得する場合の必要マイル数が、2015年4月12日発券分から変更になった。
(関連記事⇒ANAマイルの国際線特典航空券の利用条件が変更!2015年春から、必要マイル数の計算方法が変わり、国内線の乗り継ぎに必要だった追加マイルも不要に!)
改正の主なポイントは、「飛行距離制」から「ゾーン制」への変更で、ANAのWebサイトには「国際線特典航空券がますますご利用しやすくなります」と記載されている。では、この変更によって特典航空券の取得がどのように変わったのか、筆者の経験を元に具体的に解説してみたい。
日本からソウル経由で中央アジアに行く特典航空券は発券不可能に
筆者は、今年のゴールデンウィークに、改正前に発券したスターアライアンスの特典航空券を利用して、韓国とウズベキスタンを旅をした。実際に利用したのはアシアナ航空であるが、「羽田⇒関空⇒ソウル⇒タシュケント⇒ソウル⇒成田」という行程をエコノミークラス利用で、1人4万3000マイルであった。
さて、同じ行程を利用するのに、改正後は何マイル必要なのかを調べるためオペレーターを通して予約をお願いしてみたところ、「済みません。なぜか発券できません」と言う答えが返ってきた。
原因を調べてもらうと、Webサイトの「ご利用条件4」に記されているルールに抵触することが判明した。すなわち「出発地からの必要マイル数がより高いゾーンの都市を乗り換え地点にすることはできません」というルールに引っかかるのである。
ANAホームページのチャート表を見ると、日本から中央アジア(タシュケント)までの必要マイル数は、エコノミークラスの場合3万8000マイルとなっている。これに比べ、より距離の短い「ソウル⇔中央アジア」の必要マイル数は4万8000マイルに設定されている。したがって、「ご利用条件4」のルールに引っかかり、日本からソウルを経由してタシュケントへ行くルートの発券はできないのだ。

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改正後のルールに従って「羽田⇒関空⇒ソウル⇒タシュケント⇒ソウル⇒成田」ルートの特典航空券を取るには、「日本⇔ソウル」「ソウル⇔中央アジア」という2つの航空券に分けて発券しなければならない。この場合、日本⇔ソウルが1万5000マイル(エコノミークラス)、ソウル⇔中央アジアが4万8000マイル(同)、合わせて6万3000マイルが必要となる。
この「ご利用条件4」は、かなりの“改悪”を生みだしているルールだと筆者は考えている。
例えば、韓国や中国を経由してヨーロッパに行くルートは、同様の制約を受ける。また、中東のアブダビを経由してヨーロッパに向かうルートもこの制約を受ける。エティハド航空を利用して、アブダビ経由でパリまで向かうとなると、7万マイル(日本⇔中東)+4万(中東⇔欧州)=11万マイルが必要になる。今や、中東経由のヨーロッパ便は、エミレーツ航空やカタール航空なども競い合っており、そのサービスの質、アクセスの良さなどからメインルートになりつつあるだけに、今回のルール変更は大変残念だ。
東京から沖縄に行くには、ソウル経由のほうが安い?
一方で、今回のルール改訂では「日本発・海外発ともに途中降機は、目的地以外に往路・復路いずれか1回可能です」という記述がある。筆者の記憶では、以前のルールでは、日本国内での途中降機(24時間を超えての滞在)はできなかったはずだ。
このルールを適用すると「東京⇒沖縄⇒ソウル⇒大阪⇒東京」というような発券の仕方が可能となる。往路の沖縄か復路の大阪のいずれかは乗継(24時間以内の滞在)である必要があるが、残る一方は24時間以上の滞在ができるのだ。実際にANAのWebサイトで入力してみたところ、上記の航空券の必要マイル数は、レギュラーシーズンの日程の場合で1万5000マイルと表示された。

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ここで重要なポイントが2つある。
ひとつは、1万5000マイルという極めて少ないマイル数で、沖縄旅行ができるということ。「東京⇔沖縄」の国内線特典航空券の取得に必要なマイル数は、ハイシーズンだと2万1000マイルだ。これが、ソウルに立ち寄ることによって国際線の特典航空券扱いになり、ハイシーズンでも1万8000マイル。韓国に立ち寄ってから沖縄に行ったほうがお得になるのだ。
もうひとつの重要なポイントは、国内線の特典航空券が2カ月前から予約可能なのに対し、国際線特典航空券は330日前から予約可能であること。すなわち、ソウルに立ち寄ることにより、はるかに早い時点で沖縄行きの特典航空券を手に入れることが可能となるのだ。
ANA特典航空券のルール改正は改悪された部分も多い。
“抜け穴”を最大活用して少しでもお得にも使おう
話を最初に戻そう。
今回のANAの「マイル制からゾーン制」へのルール変更に関しては、ANAマイラーにとって改悪の面が多い。さらにルールがとても複雑で、Webサイトのユーザーインターフェイスも良くないので、使い勝手は非常に悪くなった。
一方で、上記に記載したような発券も可能となった。これはもしかするとルールの抜け穴であり、このような「抜け穴」にはすぐにフタをされてしまう可能性もあるが、ANAマイラーとしては、新ルールを熟読し、よく理解して賢く立ち回りたいものである。
以上、今回は、ANAマイルを使った特典航空券発券のルール改正について、メリットとデメリットを考察した。
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