「ひふみ投信」が不調の理由を藤野英人さんに直撃!
2018年後半以降は「休むも相場」で守りを固めて、
「5G」や「人手不足」関連に投資するのがおすすめ!

2018年8月29日公開(2018年10月19日更新)
ザイ・オンライン編集部

「ひふみ投信」のファンドマネージャー・藤野英人さんが語る、2018年後半の株式市場で勝つための投資戦略とは?

ダイヤモンド・ザイの特集は、「最強”日本株”2018年 夏の陣」! 「株主優待株」「10万円株」「高配当株」「10倍株」「大型株」「新興株」などの分野ごとに、2018年後半に”買い”の日本株98銘柄を紹介している。

今回はその中から「今後の株式市場で勝つための投資戦略」について、「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスの最高投資責任者・藤野英人さんへのインタビュー記事を抜粋して紹介しよう!

景気の影響を受けやすい「外需関連株」には注意

レオス・キャピタルワークス
最高投資責任者
藤野英人さんレオス・キャピタルワークス 最高投資責任者
藤野英人さん

 2018年前半は運用が難しい相場でした。そして、今後も難しい相場展開が続きそうです。

 そもそも、2017年9月から、2018年2月までの日本株の大幅上昇は、機械や電機、半導体などの景気の影響を受けやすい業種が牽引しました。こういった業種の中でも、AIやIoT関連は、長期テーマだと言われて人気を集め、私たちも注目していました。しかし、2017年の10~12月が株価のピークに。足元の業績は良いのですが、今後の業績に不透明感が出てきたからです。

 例えば、ロボットなどを制御する減速装置を展開する「ハーモニック・ドライブ・システム(6324)」は、売上高は伸びていますが、受注高が半減しています。つまり今後の売上高が大幅に減る可能性が高い。これを嫌気して、株価が大きく下落しました。

 AIやIoTはこれまで相場テーマの主役でしたが、予想に反してこれが変わろうとしている。とはいえ、相場を牽引するメガトレンドが今も見えません。

 今後は、どこに資金が向かうのか判断しにくい状況です。この背景には、景気が踊り場であることや、トランプ政権の政策リスクがある。

 こういったことから、私たちが運用する「ひふみ投信」は、ディフェンシブな資産配分にシフトしています。具体的には、外需株の比率を下げて、内需株の比率を上げています。

 加えて、株価が割安なバリュー株の動向にも注目しています。これまで、業績の成長性が高いグロース株の優位が長期間続きました。このため、割安株に投資する投資信託の解約などで、バリュー株が叩き売られています。しかし、こういうタイミングが、底値となり、その後上昇するケースが多いです。

個人投資家なら「休むも相場」も作戦! 手堅く稼ぐ企業を狙え

 今後の投資戦略を個人投資家にアドバイスするなら、ひとつはトレンドが出てくるまでじっと待つということ。プロと違い「休むも相場」という作戦が取れるのは個人の強みです。または、5Gや人手不足に関連した株への投資がおすすめです。なぜなら、こういったテーマに関連した事業は、需要が底堅く、業績が下ブレするリスクが小さいからです。メガトレンドが見えてくるまで小さいテーマを掘り起こして、投資するという戦略が有効だと思います。

 こういった戦略は、「ひふみ投信」には難しい。なぜなら、「ひふみ投信」の純資産総額が急激に増えたことで、以前ほど俊敏に動けないからです。そのため、米国や中国に企業調査に出向き、株価好調が続いている、米国株の「アマゾン(AMZN)」や「マイクロソフト(MSFT)」、「ビザ(V)」などに投資しています。また、世界景気の影響を受けにくい米国の中小型株にも注目しています。

 これまでも、「ひふみ投信」は相場が軟調だったときには、守りをしっかり固め、相場全体が上昇に転じるタイミングでしっかりついていく運用をして、成果を上げてきました。今後も世界景気の影響を受けにくい、着実に成長する地味で地道な株に資金の6~7割程度を長期投資し、3~4割程度を柔軟に運用し、好成績を目指します。

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