これまで掲載してきた記事『15%台の高利回りのはずが実際はマイナスになっていた!』『「特別分配」に気をつけろ! 自分の投資資産を食いつぶしていないか?』『自分の個別元本と基準価額を比較せよ! この先も数年間は元本の返還しか受け取れないケースも!』を読み、自分が持っているファンドの分配金の中身をチェックしたら、その後はどう対処するべきだろうか。
売るか保有継続するかの判断は難しいものだが、長期にわたって特別分配が出続けているようなファンドは、保有し続けても自分の資産を食い潰しているだけ。売って別のファンドへの乗り換えを検討してみよう。その売り基準としてチェックしたいのが、基準価額と個別元本のかい離だ。
かい離率20%付近で売りを検討するべし
まずは、基準価額が個別元本を下回っているケースでは、かい離率10%未満なら様子見、10~20%付近で売りを検討するゾーン入りと判断。かい離幅が30%にタッチするようであれば回復には相当の時間がかかる。いったん売っておくのがベターだ。

ただし、その場合、投資対象によっても判断は異なってくる。株式型やリート型ならば一発逆転もありうるが、値動きが小さい先進国債券型などの場合は、基準価額の復活はなかなか厳しいと考えられる。投資対象の相場動向も併せて見て判断しよう。
また、儲かっている場合は、かい離額が何カ月分の分配金に相当するのかを余裕度としてチェックするといい。基準価額のトレンドにもよるが、かい離が小さければ、いつ特別分配に陥ってもおかしくない。油断することなく先行きをチェックするべし!
これから買う人は分配余力と健全率の2つをチェック!
これから毎月分配型ファンドを買うならばポイントは2つ。分配金の「健全率」と「余裕度」をチェックしよう。

「健全率」とは分配金に占める利子・配当収入の比率のこと。この比率が低いと、投資した債券や株の「利子・配当収入」以外から分配金に充てるお金を出している、いわば赤字状態。70%以上であれば合格ラインだ(利子・配当収入の額は運用報告書の「損益の状況」などを参照)。
「余裕度」とは、先の利子・配当収入の急激な落ち込みがあった場合に、分配金の蓄え(繰り越し分配原資)で何カ月カバーできるかを示したもの(上の計算式)。この数値が20カ月を切ると、基準価額が下落した際に、即、減配のリスクにさらされかねない。40カ月以上あればまず安心だ。
無論、「余裕度」が高くとも「繰り越し分配原資」を取り崩すのはファンドの資産を削るのと同じ。まずは「健全率」を重要視し、次に減配リスクをはかる「余裕度」を併せてチェックするようにしよう。
(取材・文/大沢玲子、ザイ編集部)
*ダイヤモンド・ザイ2012年5月号より転載
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