天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」で、車中から沿道を見る官房長官の菅義偉
天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」で、車中から沿道を見る官房長官の菅義偉。今後も皇室行事が続き、菅にとっては息が抜けない日々が続く Photo:JIJI

「全く初めてのことを一つ一つ丁寧にやってきた。国民の心の中に残ることになればいい」

 天皇陛下の即位を披露する「祝賀御列(おんれつ)の儀」(パレード)を終えた翌日の11日、官房長官の菅義偉は周囲にこう語った。

 上皇陛下が退位のお気持ちをにじませたのは2016年8月8日。そこから退位に向けての法整備と準備が始まった。天皇は国政に関与できないという憲法に定められた大原則に抵触せず、皇室の伝統との調和をいかに図るかなど、極めて困難な作業が続いた。その中心にいたのが菅と官房副長官の杉田和博だ。菅の発言には多くのハードルを越えた安堵の思いがにじんだ。

 もっとも、パレードに引き続き14日からの大嘗祭、さらに来年4月19日に予定される秋篠宮さまの「立皇嗣の礼」まで代替わりに伴う息が抜けない日々が続くことは変わらない。その後も東京五輪があり、その間には1月召集の通常国会が開かれる。このほぼ10カ月間は、1強といわれる首相の安倍晋三でも権力行使の証しである「日程の支配」が極めて難しい局面を迎えることになる。

 しかし、容赦なく過ぎ去っていくものがある。「時間」だ。安倍の都合や願望などにはお構いなしにどんどん過ぎ去ってしまう。しかも安倍には二つの「任期切れ」が忍び寄る。それもほぼ同時期にやって来る。いずれも「21年の秋」。