100本ノック#百貨店
Photo by Satoru Okada

4、5月の臨時休業で売り上げが“消失”した百貨店。営業再開後も客は戻らず、売り上げがコロナ以前の8割程度で推移しているコロナ下の“ニューノーマル”が今後も続けば、手元の現預金はいつまで持つのか?特集『超楽チン理解 決算書100本ノック』(全17回)の#1では、百貨店大手4社の営業赤字額と現預金枯渇の時期を試算した。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

Jフロント除くと大幅な営業赤字
高コスト体質にコロナ直撃で瀕死

 平日の夕方、買い物客でにぎわう百貨店の“デパ地下”。新型コロナウイルスの感染拡大以前と異なるのは、買い物客がマスクを着用しているか否か、そしてレジで店員と客を隔てる透明のシートの有無程度である。

 デパ地下はまるでコロナ以前を思わせるにぎわいを見せる百貨店だが、ステイホームで4月から5月半ばまで食料品売り場を除いてほぼ臨時休業し、この間の売上高は前年同期の2~3割程度に激減。そのあおりで、10~11月に発表された百貨店大手4社の中間決算は、いずれも深刻な状況だ。

 具体的には、三越伊勢丹ホールディングス(HD)…売上高3357億円(41.8%減)、営業損失178億円。高島屋…売上高2973億円(34.4%減)、営業損失102億円。J.フロント リテイリング…総額売上高3195億円(41.5%減)、事業利益2億円(98.9%減)。エイチ・ツー・オー リテイリング…売上高3356億円(25.5%減)、営業損失44億円(いずれも連結、%は前年同期比、Jフロントは国際会計基準のため事業利益を使用)――といった具合だ。

 特に今期中間期は臨時休業による売り上げ“消失”の影響で大打撃を受けている。6月以降の月次の販売動向を見ると、店舗によってばらつきはあるものの、おおむねコロナ以前の7~8割程度で推移している。

 今も一定の外出自粛が続いているため、需要が戻り切らないということだ。しかも、11月に入って各地の新規感染者数が増加している。そもそも百貨店は、都市部のインバウンド需要を除き、主力の衣料品がコロナ以前から不振だった。