韓国で45万部の超ロングセラーが発売から7年、いよいよ日本に上陸。韓国で社会現象を巻き起こした『勉強が面白くなる瞬間』。この本を読んで、学生の98.4%が「勉強をしたくなった」と証言! なぜ、勉強をしなかった人たちが勉強に夢中になるのか。10代~70代の世代を超えて多くの人が共感。そこにノウハウは一切ありません。ただ、この本を読んだ人にはわかることでしょう。執筆に8年かかったとされる『勉強が面白くなる瞬間』から、その驚くべき内容を紹介する。

【勉強の本質】学びを実感する瞬間に出合うには?Photo: Adobe Stock

目に見えなくても、コツコツと学びが蓄積されている

 宝石の鑑定士を夢見る一人の若者がいました。彼は宝石鑑定の達人を訪ね、秘訣を伝授してほしいと頼みました。しかし、白髪の宝石鑑定士は首を振りました。宝石鑑定を学ぶには粘り強さが必要なのに、最近の若者には根気が足りないというのです。若者は一度だけチャンスをもらいたいと粘りました。彼には「学ぼうとする気持ち」があったのです。

 ついに鑑定士は若者に椅子を勧めると、手のひらに小さなダイヤモンドを一つ載せてやり、黙ってじっと座っているように言いつけました。鑑定士は若者を座らせたまま、黙々と仕事を続けます。若者は静かに待つしかありませんでした。

 そうして1日がたちました。翌朝も鑑定士は若者の手に昨日のダイヤモンドを握らせ、前日と同じ指示を出しました。3日目も4日目も同じでした。1週間がたち、若者は次第に腹が立ってきました。自分の意欲を理解してくれない師匠に失望しました。

「師匠、私は宝石鑑定を学びたいのです。いつから教えていただけるのですか?」と若者が聞くと、宝石鑑定士はぶっきらぼうに答えました。

「すぐに学べるようになるさ」

 そうして10日が過ぎ、若者は挫折してしまいました。教えたくないのならいっそ嫌だと言ってくれればいいのに、こうして時間を無駄にさせるのはおかしいと思ったのです。そして翌朝、若者は宝石鑑定士がまた同じ指示を出したら、ダイヤモンドを投げ捨てて「一体いつまで私をつらい目に合わせるつもりですか?」と言ってやろうと思いました。

 そしてダイヤモンドを投げ捨てようとした瞬間、若者は思わずこう叫びました。

「これは昨日までのダイヤモンドとは違いますね!」

 すると師匠はにっこり笑って答えました。

「やっと、少しずつ学び始めたな!」

 このように学ぶ気持ちさえあれば、一見学んでいないように思える間にも、実はコツコツと学びが蓄積されているものなのです。

 ですから不満を並べ立てるより、むしろ「自分が何を学ぶか」に気持ちを集中して努力した方が、あなたにとってずっと有益ではないでしょうか?

(本原稿は書籍『勉強が面白くなる瞬間 読んだらすぐ勉強したくなる究極の勉強法』の一部抜粋したものです)