総合商社がわが世の春を謳歌している。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社が株式を取得した2020年以降、商社の株価は最大4倍以上に上昇。三菱商事や三井物産は、初めて純利益1兆円超をたたき出した。この間、米中対立の激化やウクライナ危機といった地政学リスクの高まりがあったことは見逃せない事実だ。歴史的に、資源価格の高騰をもたらす“有事”は商社の稼ぎ時なのだ。特集『戦時の商社』で1月10日(水)から22日(月)までの全16回にわたり、乱世を生き抜く商社の戦略を明らかにするとともに、絶好調に見える商社の死角に迫る。
#1 1月10日(水)配信
【独自】三菱、三井、伊藤忠…7大商社の「海外駐在員数」激変!中国から最速“足抜け”は人員6割減のあの会社
ダイヤモンド編集部は過去15年間の七大商社の各国・地域の駐在員数や投資額の変化を分析した。中国やロシアからの撤退が続いていることや、日系自動車メーカーのEV(電気自動車)開発の出遅れが商社のビジネスに影を落としている実態が明らかになった。要員の6割超を中国から引き揚げた商社もあった。商社の人員配置の変化から、各社の経営戦略と、激変する世界の政治経済の動向を読み解く。
#2 1月10日(水)配信
伊藤忠・岡藤会長「独裁14年」の弊害判明!役員が長老化し子会社トップ“塩漬け”の実態も
伊藤忠商事経営陣の“長老化”が止まらない。会長CEOの岡藤正広氏が実権を握ってから13年9カ月――。岡藤氏からの信頼が厚い人材が、幹部ポストや主要子会社のトップを長期続投する傾向が強まっているのだ。次世代の経営者は育っているのか。行き場をなくした50代社員のモチベーションは維持できるのか。伊藤忠の独裁の弊害を明らかにする。
#3 1月11日(木)配信
丸紅の株価がバフェットの商社株投資で4.7倍に!急伸の秘訣は「禁断の情報共有」と「3つのタブー」
著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社による五大商社の株保有が明らかになった2020年8月末以来、上場来高値を更新してきた商社。この中で飛び抜けて株価が上昇したのが丸紅だ。他社が2~3倍の値上がりにとどまるのに対し、最大4.7倍まで上昇した。背後には日系企業ではタブーとされる情報の社内共有や、大型投資の失敗を回避する三つのルールがあった。
#4 1月12日(金)配信
石炭火力発電所の“脱炭素化”に商機!剛腕・前田国際協力銀行会長が目論む「アジア脱炭素外交」
東南アジアは電力供給の多くを、日本の商社が建設に関わった石炭火力発電所に依存している。この主力電源からの温暖化ガスの排出抑制を支援することが、日本の「脱化石外交」の中核だ。日本が主導する「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想のキーパーソンで内閣官房参与でもある前田匡史・国際協力銀行会長は、「アジアの現実に沿った脱炭素の対策とルール作りが重要」と言う。具体的な取り組みと、どんなプロジェクトが浮上しているのかを聞いた。
#5 1月13日(土)配信
三菱商事最大の収益源「石炭」で最強ライバル登場!逆張り投資で3兆円稼ぐヒール企業の“強み”
三菱商事の利益の3~4割を稼ぎ出す製鉄原料用石炭(原料炭)の世界市場で異変が起きている。脱炭素時代の“座礁資産”といわれる石炭を買いあさっているスイスの資源商社グレンコアが、昨年11月にカナダの原料炭鉱山を買収したことで世界2強に躍り出たのだ。その1カ月前、三菱商事は逆に、原料炭2鉱山を売却している。グレンコアの猛追に対し、三菱商事はどんな手を打つのか?
#6 1月14日(日)配信
戦乱で稼ぐ総合商社のチャンスと死角、ウクライナ危機で生まれたエネルギー需要は40兆円!
ロシアによるウクライナ侵攻は、LNG(液化天然ガス)や小麦価格の高騰を招いた。商品価格の上昇とともに"爆上げ"したのが三菱商事や三井物産など商社の株価だ。歴史的に、商品の欠乏はトレーダーの"稼ぎ時"なのである。しかし、商社の内実を取材すると、乱世という商機を逸しかねない深刻な問題が明らかになった。
#7 1月15日(月)配信
賞与だけで1000万超え!三菱商事、伊藤忠など商社の「驚きの給料事情」を徹底解明
空前の利益をたたき出している商社業界。「高給取り」のイメージも相まって就活学生からの人気も上々だ。果たして、その実態はどうか。五大商社の給与比較や驚きの賞与額を徹底解剖する。
#8 1月16日(火)配信
5大商社「洋上風力」番付!前頭は伊藤忠、小結は三井物産、横綱は?
三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の五大総合商社が激しくしのぎを削る分野の一つが、政府が脱炭素の切り札として期待を寄せる「洋上風力発電」だ。国内の洋上風力発電プロジェクトでは、五大商社のいずれかが必ず顔を出している。洋上風力で抜け出すのは?落とし穴にハマるのは?独自に「洋上風力番付」を作成する。
#9 1月17日(水)配信
高給の総合商社から毎年100人が辞める理由とは?退職者が本音を暴露「ぶっちゃけ」座談会
人気かつ堅調な総合商社でも、社によっては毎年100人も退職者が出ている。風通しの悪さ、やりがい搾取、まん延する大企業病への不満……。どんな好待遇でも退職をいとわなかった元商社社員らから古巣の問題点などを聞いた。
#10 1月18日(木)配信
誰も書かない伊藤忠の「中国の時限爆弾」1.2兆円まで肥大化したリスクマネーの正体とは
大手商社の中で中国に投融資したリスクマネーが最も大きいのは伊藤忠商事だ。しかも同社の中国のリスクマネーは直近3年で5000億円近くも膨れ上がっている。その原因こそ伊藤忠が2015年に6000億円を投資した中国中信集団(CITIC)だ。伊藤忠の中国のリスクマネーが膨らんでいくからくりと、その負の影響を明らかにする。
#11 1月19日(金)配信
三菱商事、三井物産のLNGビジネスに意外な伏兵登場!脱炭素の「ドル箱」に群がる海外勢
脱炭素までの移行期の中核的なエネルギーと目されるのが液化天然ガス(LNG)だ。現在も世界市場は毎年4%成長しており、三菱商事や三井物産もLNGビジネスの拡大を狙っている。だが、そこに“伏兵”が現れた。長期契約が主流だったLNGの世界市場でスポット取引が増えたことをチャンスとみて、石油メジャーや欧州の資源トレーダー、そして中国企業が参入し始めたのだ。商社は新時代のLNGビジネスに適応できるのか。
#12 1月20日(土)配信
三菱商事の次期社長「最有力候補」が判明!バブル入社組の過酷な出世レースを勝ち抜くエースの実名
総合商社最大手の三菱商事の社長レースで、先頭集団がいよいよ絞られてきた。社員数が多いバブル入社組の激烈な出世競争を勝ち抜くのは誰なのか。三菱商事の次期社長の最有力候補の実名を明らかにする。
#13 1月21日(日)配信
伊藤忠「非資源No.1」の実態はカーボン依存商社!三井物産、三菱商事と収益構造を徹底比較
伊藤忠商事は「非資源商社ナンバーワン」を標榜している。しかし純利益の内訳を解析すると、石油や石炭由来の製品に関わる部門の利益が約6割を占めていた。その比率は、化石燃料で利益を積み上げる三菱商事の約7割に迫る水準だ。「炭素商社」ともいえる伊藤忠の収益構造の実像に迫る。
#14 1月22日(月)配信
住友商事の社長レースで“ダークホース”だった上野新社長が改めるべき同社の「悪弊」とは?
住友商事の経営トップが6年ぶりに交代する。新社長と現社長が“同い年”であり、若返りの流れに逆行することに対して、社内外では失望が広がる一方、新体制に改革を期待する声も出ている。上野真吾新社長が改めるべき住友商事の“悪弊”を明らかにする。
#15 1月23日(火)配信
専門商社vs総合商社「経営力」ランキング【160社】7大商社が占める上位に食い込んだのは半導体のあの会社
半導体など特定の商品を扱う専門商社の業績が好調だ。コロナ禍がもたらした商品の不足・価格高騰の追い風を受けているからだ。総合商社と伍して戦う実力を有する専門商社はどこなのか。「総合・専門商社・卸 “経営力”ランキング ベスト160」をお届けする。
#16 1月24日(水)配信
総合商社・資源会社グローバルランキング【ベスト40社】石油メジャーに匹敵する唯一の日本の総合商社は!?
エネルギーや金属を扱う資源会社の業績が好調だ。コロナ禍がもたらした資源価格高騰の追い風を受けているからだ。日本の総合商社の実力は、資源メジャーに匹敵するのか。「総合商社・資源会社グローバルランキング ベスト40」を大公開する。
Key Visual by Noriyo Shinoda