品質管理や健康被害報告
提言案で「義務化」

 専門家検討会がまとめた提言案が示した主要なポイントは三つある。

 一つ目は製造工程での品質管理。錠剤やカプセルといった形状のサプリタイプの機能性表示食品を製造する工場に対し、GMPに基づいた品質管理を義務化する。小林製薬の当該サプリは健康被害の原因の特定は確定していないものの、製造過程における異物混入が疑われており、一層の品質管理が必要とされた。

 二つ目は健康被害報告。医師が診断した健康被害の情報は全て、行政機関への速やかな報告を義務化する。

 三つ目は製品パッケージ表示。医薬品や特定保健用食品(トクホ)などと混同しないように、「機能性表示食品」であることなどをより分かりやすくパッケージに記載する。

事業者が制度から降りないよう
ギリギリの線を狙った提言案

 消費者庁はこの提言案を反映して、今月末に制度の在り方を取りまとめる。これにより制度を厳格化する方向ではあるが、濃縮された成分を毎日飲むサプリの安全性リスクを完全に取り除ける内容ではない。例えば最終製品による安全性試験を義務化するといったレベルのものは盛り込まれていない。

 というのも、規制を厳しくし過ぎれば、事業者が機能性表示食品制度から降りて、縛りのない健康食品に流れかねないからだ。提言案は、事業者が受け入れられるギリギリの線を狙うものとなっている。

Key Visual by Noriyo Shinoda, Kanako Onda, Graphic:Daddy’s Home