111年111本 厳選記事でたどる激動の日本経済史【ダイヤモンド111周年~昭和後期 1】Photo:PIXTA

1913年に(大正2)に創刊した「ダイヤモンド」は、2024年に111周年を迎えた。そこで、大正~令和の日本経済を映し出す1年1本の厳選記事と、その解説で激動の日本経済史をたどる「111年111本」企画をお届けする。第11回は昭和後期、1971~75年までの5年間だ。

【59】1971年
突然の「ニクソン・ショック」
1ドル360円時代の終わり

 米ニクソン大統領は1971年8月15日(日本時間16日午前10時)、米ドルと金の兌換(だかん)停止、10%の輸入課徴金の創設、90日間の賃金・物価の凍結など8項目からなる新経済政策を発表した。ニクソン自身が「ルーズベルト大統領のニューディール政策(1933年)以来40年ぶりの、最も包括的な経済政策」と表現したほどの内容で、このうち金ドル兌換停止は世界経済や国際通貨体制にきわめて大きな影響を与える歴史的な政策転換だった。

 60年代の後半から、米国の貿易収支と財政収支の赤字、海外へのドル流出による米国内の金準備の減少から、ドルへの信認が揺らいでいたのはすでに述べた通りだ。「ダイヤモンド」1971年8月26日号は「ドル自爆!決断迫られる円切上げ」との20ページの緊急特集を組んだ。

1971年8月26日号「ドル自爆!決断迫られる円切上げ」1971年8月26日号「ドル自爆!決断迫られる円切上げ」
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