枝久保達也
JR西日本は京都と奈良を結ぶ奈良線の複線化に向けた工事を進めており、来年3月には京都~城陽間20.2キロの複線化が完了予定だ。廃線議論や減便、サービス縮小など、なにかと寂しい話続きの鉄道業界だが、一方で奈良線はなぜこれほどの大改良を行うのか、そして、どのように変化していくのかを見ていきたい。

前回は北海道新幹線の札幌延伸にあたってJR北海道から経営分離される函館本線の廃止を巡る議論を取り上げた。だが、北海道新幹線を巡っては、もう一つの「貨物撤退論」が存在する。その背景にある「青函トンネル」の速度制限問題について解説する。

2030年度に札幌延伸開業予定の北海道新幹線を巡って北海道が揺れている。朝日新聞(電子版)が8月31日、「函館線、大部分が廃線濃厚 新幹線アクセス以外は不透明 貨物も分断」と報じたのである。なぜこのような事態になったのか、その背景について解説する。

JR東海が1993年から行ってきた観光キャンペーン「そうだ 京都、行こう。」が今夏、2年半ぶりに復活した。その狙いは何か。

JR四国の西牧世博社長は8月26日の記者会見で、同日に運賃の上限変更認可申請を国土交通省に行ったと発表した。認可が得られれば、2023年春に運賃改定を行う計画だ。この改定には、JR他社が遠からず行うであろう運賃改定に通じる要素が見え隠れしている。

JR上場4社、大手私鉄15社の第1四半期連結決算が出そろった。目下、感染第7波の影響が全国に波及しているが、感染が増加傾向にありながらも比較的、状況が落ち着いていた今期は19社全てが最終黒字を達成した。

今年も豪雨により、ローカル線で深刻な被害が生じている。歴史の古いローカル線は山間部を、河川を幾度も渡りながら縫うように進むため、土砂災害、河川氾濫の影響を受けやすい。JR東日本、JR西日本などはローカル線のあり方を見直す考えを表明しており、こうした中、多額の費用をかけてまで復旧すべきかという議論が今後、さらに高まる可能性もありそうだ。

JR西日本がサイコロの出た目で決まる行き先までの割引乗車券を発売する異例のキャンペーンを展開している。なぜこのような取り組みを始めたのか、同社に話を聞いた。

社内外の技術や知見を駆使して新たな価値を創造し、それを社外にも展開する「オープンイノベーション」。鉄道事業ほど食い合わせの悪い業界はないと思っていたが、時代は徐々に変わりつつあるようだ。

国土交通省は7月22日、2021年度の都市鉄道の混雑率調査結果を公表した。混雑率上位の路線の顔ぶれがほとんど変わらない中、東急田園都市線、目黒線など、東急沿線の混雑率は大きく減少した。その理由と、そこから見えるアフターコロナの鉄道利用のあり方とは。

いつ走るか公開されていないため、「見たら幸せになる」ともいわれる新幹線の点検専用車両のドクターイエロー。昨年には運行20周年を記念してセイコーが限定モデルのウオッチを発売したところ、鉄道ファンの間で大きな話題となった。ドクターイエローはなぜ大人たちも魅了するのか。

今年は新幹線のアニバーサリーイヤーだ。特に、山陽新幹線から東北新幹線までの10年間は、新幹線にとって大きな曲がり角を迎える試練の10年だったと言えるだろう。

7月15日で総武快速線が開業50周年を迎える。両国を軸に回り続けてきた総武線の歴史とは。

山形新幹線が7月1日で開業30年となった。「逆転の発想」によって早期開業を実現した歴史と、これからのさらなる進化の計画とは。

JR東海は6月13日、東海道新幹線で大規模訓練を行った。昨年10月に京王線車内で発生した刺傷事件を踏まえ、安全対策はどのように変わったのか。

日本で鉄道が開業して今年で150年となる。JR各社がキャンペーンを計画するなど、開業日である10月14日に向けて、これから盛り上がりを見せていくだろう。だが、あまり知られていないが、開業日の4カ月前から一部区間で乗客を乗せて走り始めていた。なぜ鉄道開業日は10月14日になったのか。

北海道・知床で遊覧船沈没事故があったばかりで、観光列車にも「危険」があるのか心配する人もいるかもしれない。2022年ゴールデンウイークの初日、JR九州の臨時観光特急「あそぼーい!」が線路上の倒木と衝突したのである。事故の経緯とJR九州の見解を振り返るとともに、観光列車と一般の列車を比較したときに、「リスクになり得る要素」を2点だけ指摘しておこう。

5月25日、JR東海の葛西敬之名誉会長が81歳で逝去した。「国鉄改革三人組」の一人であった葛西氏は、国鉄分割民営化において何を考え、何を行ったのか。

5月25日、JR東海の葛西敬之名誉会長が81歳で逝去した。国鉄分割民営化において、国鉄内改革グループの中心として活動し、JR東日本の元会長である松田昌士氏、JR西日本の元会長である井出正敬氏とともに「国鉄改革三人組」と呼ばれた人物だが、社長在任中から安倍晋三元首相と密接な関係を築くなど右派論客、政界のフィクサーとしても知られた。国鉄の分割民営化とは何だったのか、そして民営化の旗手であった葛西氏は何を考え、何を行ったのか。

東京都は5月27日、武力攻撃事態などに備える国民保護法に基づき、23区内の計109の地下施設を緊急一時避難施設に指定すると発表した。109施設のうち、105施設が都営地下鉄と東京メトロの地下鉄駅だが、その多くが小さな駅である。その理由とは。
