千本木啓文
番外編
ワクチン担当大臣補佐官として新型コロナウイルスのワクチン接種状況を記録するシステムの開発を担当するなど、政府のIT投資に詳しい小林史明衆議院議員にデジタル庁の課題を聞いた。

#3
JAグループ京都のトップに26年以上にわたり君臨する中川泰宏は、高校を卒業するとそのまま独立起業の道を選んだ。足の障害を「名刺代わり」や「交渉の武器」にすることで貸金業や不動産業の世界でのし上がっていった。だが、カネを稼ぐだけでは中川の心の欠乏感は満たされなかった。

#2
JAグループ京都のトップに26年以上にわたり君臨する中川泰宏は、いまでこそこわもての権力者だが、幼少期は病弱で、足の障害をだしにいじめられるなど辛酸をなめていた。進学や就職でも障害がネックになったが、高校を卒業直後は、たくましい青年実業家へと変貌した。中川はいかにして暗い青少年時代と決別したのか。

#1
JAグループ京都のトップに26年以上にわたって君臨する中川泰宏は、「ラジオ番組の主役」「小泉チルドレン」──としてて、京都府で高い知名度を誇る。彼を改革派と見る府民も少なくない。だが、中川には知られざる一面がある。農協組織を意のままに動かして「地上げ」などを行い、ファミリー企業への利益誘導をしているのだ。とりわけ、目の上のたん瘤だった政敵、野中広務元自民党幹事長が故人となった2018年以降は中川のやりたい放題となっている。連載『農協の大悪党 野中広務を倒した男』では、「農協の独裁者」誕生の秘話や野中との権力闘争、中川の裏の顔を明らかにしていく。

予告編
JAグループ京都のトップに26年以上にわたって君臨する「農協界のドン」の裏の顔
JAグループ京都のトップに26年以上にわたって君臨する中川泰宏氏は「ラジオ番組の主役」「小泉チルドレン」――として、京都府で高い知名度を誇る。だが、中川氏には知られざる一面がある。地元の農協の「労働組合潰し」が違法認定された他、農協組織を意のままに動かして「地上げ」を行い、ファミリー企業に利益誘導を図っているのだ。本連載では、そうした中川氏の裏の顔や、政敵、野中広務・元自民党幹事長との権力闘争などを明らかにしていく。

#4
ダイヤモンド編集部は、政府のITシステム投資を寡占的に受注してきた大手ITベンダーの天下り受け入れ状況を独自に調査した。受け入れ人数が最も多かったのはNTTグループの25人で、ITシステムの受注額においてもトップだった。この官民の癒着構造を断絶できなければ、デジタル庁は“砂上の楼閣”と化してしまうだろう。

#1
新型コロナウイルス対策の給付金を国民に配るシステムの不備などにより、日本政府は「デジタル敗戦」を認めざるを得なくなった。その政府が起死回生を狙い、9月1日に立ち上げるのがデジタル庁だ。デジタル庁職員500人の出身組織の構成を明らかにするとともに、同庁幹部が大手ITベンダーを批判しつつも、実際には引き続き大手ITベンダーに依存している実態を明らかにする。

有機農業に冷淡だった農林水産省が一転、農薬の使用量を2050年までに半減する目標を含む「みどりの食料システム戦略」を打ち出した。だが、JAグループなどは面従腹背の姿勢であり、農業業界の既得権益に切り込むのは容易ではなさそうだ。

#15
2019年の参院議員選挙で、60万票を獲得して、自民党比例代表のトップで再選された柘植芳文氏(元全国郵便局長会会長)は、かんぽ生命保険の不適切販売の問題の根本原因は郵便局ではなく、かんぽ生命にあると言い切った。「もっと謙虚になれ」とかんぽ生命保険の経営者を叱責したという柘植議員に同社への怒りの理由を語ってもらった。

#14
2015年に東京証券取引所第1部に上場した日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株価は、そろって半値程度まで下落している。3社の株価が上昇に転じる余地はあるのか。民営化・上場を経験した他の旧公社、JR東日本、NTTと比較して、日本郵政の構造問題をあぶり出す。

#10
旧特定郵便局長が組織した全国郵便局長会(全特)メンバーによる座談会の後編。かんぽ生命保険の不正販売など不祥事発覚後、本当にノルマ営業はなくなったのか。地方における郵便局長とはどのような存在なのか。現場を取り仕切る複数の郵便局長に語り尽くしてもらった。

#5
2007年の郵政民営化前後には、おびただしい数の大企業が日本郵政グループに群がった。日本郵政グループが持つ、金融資産、不動産、既得権益が、企業にとって商売のタネとなったからだ。そして今、最後の “甘い汁”が絞り出されようとしている。ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式売却益を原資に行われる巨額投資だ。日本郵政の周囲にうごめく企業の思惑に迫った。

#1
かんぽ生命保険による不適切販売の引責で辞任した横山邦男・日本郵便前社長の復帰を待ち望む声が、日本郵政グループ関係者の間で強まっている。横山氏は、2009年のかんぽの宿問題でも責任を問われ、西川善文・日本郵政社長(当時)の退任とともに古巣の三井住友銀行に舞い戻った過去を持つ。こうしたスネに傷持つ人物の「再・再登板」が取り沙汰されること自体が、経営統治の不全を物語っている。多頭権力支配の闇は、どこまでも深い。

日本経済団体連合会(経団連)の前会長で、日立製作所の社長、会長を歴任した中西宏明氏が死去した。2019年にリンパ腫を患っていると公表し、闘病中だった。日立の経営再建の立役者だった中西氏は、同社社長退任後も強い影響力を持ち、現役幹部に檄を飛ばしていた。日立も経団連も、中西氏の改革マインドを受け継げるかどうかが問われることになる。

東芝の株主総会で取締役会議長の永山治氏の再任が否決される異例の事態になった。「仕切り役」が不在となり、経営の混乱に拍車がかかることは必至だ。物言う株主(アクティビスト)は余勢を駆って、今後追加される5人の取締役ポストを狙っており、東芝経営陣は防戦一方になりそうだ。

政府の新たな農協改革の方策が決まった。農協ごとにKPI(重要業績評価指標)を設けて農業所得の増大に取り組み、農林水産省にそれを徹底監視されるのだ。地域に農業がほぼない都市部の農協に高いハードルが課されたことで、東京都や大阪府などで、信用組合や生活協同組合へと転換する農協が増えそうだ。

東芝の研究開発費がリーマンショック前から6割も減っている。アクティビスト(物言う株主)による株主還元圧力が強まっているからだ。成長投資が縮小すれば将来の展望は描けない。

政府と一体となり物言う株主(アクティビスト)に圧力をかけていたことが明るみになった東芝が、定時株主総会を前に4人の役員を事実上更迭した。今後はアクティビストと現経営幹部との間でポスト争奪戦が激化。非上場化を含む東芝の身売りなどで取締役会が分裂する事態も予想される。

#2
パナソニック製の床材が剥がれる不具合が多発している。ユーザーからのクレームへのパナソニックの対応は一貫しておらず、責任回避ともとれる同社の姿勢にユーザーは不信感を募らせている。クレームは、顧客との信頼関係構築の機会にすべしという創業者、松下幸之助氏の教えをパナソニックは忘れてしまったのか。床材不具合問題から同社の病巣に迫った。

東芝が、経済産業省と一体になって株主総会における株主の議決権行使に圧力を掛けていたことが外部弁護士による調査で明らかになった。株主への圧力に関わったり、その状況を放置したりした役員の続投に黄色信号が灯った。東芝の“人材欠乏症”がさらに悪化しそうだ。
