土本匡孝
4期8年務めた横倉義武・前会長を激戦の末に破り、日本医師会長に初当選した中川俊男氏が9日、ダイヤモンド編集部などの共同インタビューに応じた。これまでは“物言うドクター”として各方面から恐れられた中川副会長だが、会長就任後は影を潜めている。それでもインタビューの節々で、胸に秘めた熱き想いをのぞかせた。

精密大手のオリンパスが「やっと」、長年赤字続きだった映像事業(デジタルカメラなど)を売却する。かつては大黒柱の一つだったが、スマートフォン搭載カメラの登場・進化で収益が悪化。近年は医療事業ほぼ一本足打法となっており、「医療機器グローバル大手並みの営業利益率20%」という大胆な目標を掲げ始めた昨年末ごろから、映像事業の“外科手術”は秒読み段階とみられていた。コロナショックによりデジカメ市場は対前年同期比で半減しており、他のデジカメメーカーにとって「対岸の火事」ではない。

ノーベル賞本庶氏との特許闘争で小野薬品が「対価は売上高の1%」と主張する根拠
夢の薬と騒がれたがん免疫治療薬「オプジーボ」の特許の対価を巡り、ノーベル賞受賞の本庶佑・京都大学特別教授が小野薬品工業を提訴すると表明した。本庶氏は「支払い約束の不履行」を糾弾すると共に「特許の対価が低過ぎる」と訴えているが、製薬業界では職務発明対価の相場や判例などを根拠に小野薬品を擁護する向きも一部にある。シーズを産むアカデミアと、製品化し販売する企業で、価値観が対立している。

老舗医薬品メーカーの塩野義製薬が「サービス業」に乗り出す理由
大阪の老舗製薬企業、塩野義製薬が新中期経営計画で、「HaaS(ハース、ヘルスケア・アズ・ア・サービス)」を提唱した。高脂血症治療薬やエイズ治療薬で大型製品を生み出してきた「創薬力」に自信を持つ同社があえて異業種とパートナーを組み、サービス業の要素を取り入れていく真意は?

ソニーが金融事業を完全子会社化、真の狙いは「脱エレキ」の加速
コロナショックをものともせず、ソニーが攻め続けている。来春63年ぶりに商号を変更し、ソニーグループとなる。また金融持ち株会社を完全子会社化する。業績堅調なソニーは電機業界で勝ち続けられるのか。

羅針盤なき経営(4)
古森重隆・富士フイルムホールディングス会長兼CEO(最高経営責任者)がダイヤモンド編集部の取材に応じ、コロナショックによる経営のかじ取りの難しさについて、「メインビジネス崩壊やリーマンショック時に比べれば易しいのではないか」と語った。大注目のアビガンが薬事承認間近でますます血気盛んなベテラン経営者に経営論を聞いた。

#10
2012年以降相次ぐ社員の自殺や労災認定を受け、三菱電機は今年1月に再発防止策を発表した。だが、「問題と向き合っていない」「これで体質が変わるとは思えない」と、遺族代理人や被害者の見方は厳しい。日本の電機業界の優等生と見られてきた三菱電機で何が起きているのか。

#07
新型コロナウイルスの感染拡大でサプライチェーンが混乱し、消費も低迷した電機業界は多大な影響が避けられない。その中にあっても前々期まで2期連続で営業最高益を更新したソニーは前期、そして今期も家電事業を中心に影響を受けつつも、ダメージは比較的軽微のようだ。社員の痛みを伴う大リストラでポートフォリオの大変革を断行した結果、ショックにも強くなったのだ。

#25
コロナショックによる巣ごもり需要でゲーム業界が活気づいている。任天堂やソニーの家庭用ゲーム機の売れ行きが大幅にアップ。ゲーム各社のゲームソフトも総じて好調のようだ。一方で、ゲーム業界が絶賛売り込み中のeスポーツは意外にも苦戦している。

#20
新型コロナウイルスの治療薬候補として大注目を集める、富士フイルム富山化学(富士フイルムホールディングス傘下)の「アビガン」。政府は買い上げて200万人分を備蓄する方針を示し、企業による臨床試験(治験)も最終段階だ。それでも現状では、製薬業界で大ヒット製品を指す「ブロックバスター」への道のりは険しそうだ。なぜなのか。

#13
新型コロナウイルスによる影響で世界的に製薬サプライチェーンが混乱し、日本でも一部のジェネリック医薬品(後発医薬品)の供給に支障が出始めている。医薬品の有効成分である「原薬」の多くを海外に頼っているからだ。そして、共に製薬の根幹を握る米中では、覇権争いの新たな火種として、医薬品が急浮上している。

#5
新型コロナウイルスの感染拡大が日本国内で顕著になって以降、医師の処方箋が不要な「大衆薬(OTC医薬品)」がおおむね好調だ。大ヒット商品に至っては前年比5倍強と神懸かり的な状態。病院受診の回避、感染対策、マスク購買目的でドラッグストアや薬局に来店したときの“ついで買い”などが背景にあるようだ。

#14
「農業の王道は?」と問われれば、穀物、野菜、畜産、果樹……。いやいや待ってほしい。忘れてもらっては困るのが、消費者の心を癒やす花卉や観葉植物の存在だ。ニッチな品目を攻めて高い収益を誇る中小規模農家に稼ぐ秘訣を聞いた。

#1
新型コロナウイルスの影響で困惑しているのは、東京五輪・パラリンピックが延期になった選手だけではない。選手の活躍を写真で切り取るデジタルカメラの新製品戦略にも狂いが生じているようだ。

ポーラHD経営トップが勝訴、それでも恐れる「もう一つの遺産裁判」とは
約20年前の巨額遺産相続を巡り、化粧品大手ポーラ・オルビスホールディングスの鈴木郷史社長が叔父(故人)の妻に訴えられていた裁判。東京地裁は25日、鈴木社長の不正疑惑の判断に踏み込まず、訴えを却下した。

#11
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、製薬業界の“花形営業”として知られるMR(医薬情報担当者)の「不要論」が再び熱を帯び始めている。特集『倒産連鎖危機』の#11では、コロナショックで半ば強制された「働き方改革」に戸惑うMRと業界の未来予想図をレポートする。

#3
新型コロナウイルスの震源地である中国の「原薬」製造・物流の混乱に加えて、インドも一部輸出制限を始め、世界の製薬サプライチェーンに動揺が走っている。日本では直ちに医薬品の欠品が起きる事態はなさそうだが、長期化すれば複数社間で供給を調整する事態が起きかねない。原薬調達の国内回帰が起これば、ジェネリック医薬品業界再編の後押しになりそうだ。

新型肺炎の治療薬・ワクチン開発で日本企業の影が薄い理由
新型コロナウイルスによる肺炎が日本でも猛威を振るい始めているが、治療薬やワクチンの開発では海外製薬会社ばかりが目立ち、国内製薬会社は存在感に乏しい。なぜなのか。

eスポーツが目指す「プロ野球並みファン数」の大風呂敷は実現可能か
経済産業省の委託で日本eスポーツ連合が開催した有識者検討会(全5回)は、2025年に目指す市場規模を「600億~700億円」と決めた。18年のおよそ15倍で、目標ファン数もプロ野球並みの「2300万~2600万人」と大風呂敷を広げた。海外と比べて出遅れていた国内eスポーツに火が付けば不可能ではない数字にも思えるが、ハードルは少なくない。

#03
パナソニックの津賀一宏社長は時に批判されながらも人事で“ショック療法”を施し、経営のかじ取りを行ってきた。昨秋には増えすぎた執行役員を大幅に減らす人事を強行。就任8年目の津賀社長の留任観測が高まるなか、この2月にも発表される役員人事の行方が最大の関心ごととなっている。特集「パナソニック 続・老衰危機」(全4回)の#03では、パナソニックの上層部人事とカンパニーの序列を徹底分析した。
