土本匡孝
予告
「JERA」大解剖!エネルギーのグローバルメジャーに脱皮、新規上場と「親離れ」は秒読み
東京電力グループと中部電力の合弁会社「JERA(ジェラ)」で4月、異例の共同CEO(最高経営責任者)体制が発足し、日本最大級のエネルギー会社として新規株式上場が視野に入ってきた。グローバル総合エネルギー会社への脱皮を図るJERAを大解剖する。

公正取引委員会が、関西電力を扇の要に中部電力、九州電力、中国電力が絡んだと認定した電力カルテル事件。うち中部電、中国電は巨額の課徴金納付命令の取り消しを求める訴訟を提起する方針を示し、九電も検討中だ。公取委の処分に対し、事業者側の勝率は低いといわれているが、どれぐらいなのか。

#15
在京の大手電力・ガスで人気の就職先は、東京電力(現東電ホールディングス)か東京ガスが定番だった。原発事故を経て待遇では東ガス優勢が続くが、意外な競合JERAの存在感が増している。

大手電力10社は当初、燃料価格高騰や為替の影響でいずれも23年3月期通期の業績予想は「最終赤字」という惨憺たる状況だった。だが、決算発表では、中部電力と関西電力の2社がまさかの黒字転換を果たし、6社が赤字幅を縮小した。業界に吹いた「神風」の正体とは。

家庭向け電気代値上げに関する公聴会は、北海道電力が値上げを目指す電力大手7社の大トリを務めた。東京電力ホールディングスなど4社が原子力発電所の再稼働を前提に原価算定した一方、再稼働を織り込めなかった北電は、原発賛成派と反対派の双方から攻められてサンドバッグ状態となった。

家庭向け電気料金の値上げを巡る国の審査は終盤戦。東京電力エナジーパートナーの公聴会では、高給と原発に批判が噴出した。同社の説明も理にかなっており、議論は堂々巡りとなった。

関西・中部・九州・中国の大手電力4社が絡んだカルテル事件は過去最高の約1010億円もの課徴金納付命令が下り、地元自治体の対応に注目が集まる。歴史的に密接なステークホルダー(利害関係者)であるためだ。

関西・中部・九州・中国の電力4社によるカルテル事件で、公正取引委員会は関電を除く3社に課徴金計1010億円の納付命令を出した。今回の処分は、中部電と関電の強い確執を生み出した。今後、両社の間で繰り広げられることになる“三番勝負”の構図を解説する。

2017年の就任以降、小早川智明社長の超長期政権が続く東京電力ホールディングス。次期社長候補の最有力と目されるのは、社内外から“ピーチ姫”の愛称で呼ばれる長崎桃子常務執行役なのだが、今春、同年齢のライバルが急浮上した。

家庭向け電気料金の値上げに関する国の審査は佳境で、電力各社が提示した人件費の精査に入っている。審査では東京電力ホールディングス子会社の高額な退職給与金の計算方法に注文が付いた。

東京電力ホールディングスと中部電力の合弁会社で、両社の燃料調達・火力発電を担う「JERA(ジェラ)」は次期社長に中部電出身の奥田久栄副社長を昇格させる方針を固めた。同社設立以来、3代続けて中部電出身者がその座を担うことになる。電力業界で急成長を遂げるJERA次期社長レースの舞台裏をいち早く解き明かす。

#6
関西電力を皮切りに、多くの大手電力会社で発覚した送配電子会社による顧客情報漏洩問題。新たな不祥事が発覚した関電に新電力側は“逆襲”を仕掛けている。さらに、関電のライバル、大阪ガスの出方にも注目が集まる。電力・ガス、新電力の入り乱れた大乱闘の様子を紹介する。

#5
大手電力4社によるカルテル事件で処分を受ける見込みの中国、中部、九州の大手電力3社には、課徴金の支払いが済んでも、歴代経営陣への株主代表訴訟の提起は避けられそうにない。現時点で判明している各社課徴金案をベースに、残酷な歴代経営陣の「自己破産デッドライン」を予想した。

#4
電力カルテル事件で707億円もの課徴金納付命令案を受けた中国電力。今期予想は過去最大の1740億円もの最終赤字に沈む見通しだ。同社は電気料金値上げで立て直しをもくろむが、容赦ない「最凶シナリオ」もささやかれている。

#3
東京電力ホールディングスや関西電力の凋落によって電力業界で存在感が際立つ「三男坊」の中部電力。だが、大手電力4社のカルテル事件に名を連ね、275億円もの課徴金納付命令案が出された。さらに、東邦ガスとの間でもカルテル疑惑がくすぶる。カルテル事件の余波に次期社長レースが絡み、社内の権力構造は混沌としている。

#2
東京電力エナジーパートナー(EP)完全子会社の新電力、テプコカスタマーサービス(TCS)が、今春から東電EPの取次会社になることがダイヤモンド編集部の取材で分かった。TCSはかつて関西を中心に安値攻勢を仕掛け、新電力首位に立ったこともある。燃料価格高騰の逆風で多くの新電力が苦しむ中、TCSの撤退戦は新たな局面に入った。

#1
大手電力10社で構成する「電気事業連合会(電事連)」の池辺和弘会長(九州電力社長)の続投が濃厚となった。カルテルや情報漏洩などの相次ぐ不祥事で、有力候補は軒並み“アウト”に。迷走する業界の「顔役」選びの内幕を明らかにする。

予告
電力業界、不祥事続出で「裏切り御免」の戦国時代に突入!生き馬の目を抜くバトルロイヤル
大手電力会社が大揺れだ。関西電力や中部電力など大手4社が絡む電力カルテルは、史上最高額の課徴金納付命令が出される見通しとなったほか、電力自由化の理念を踏みにじるような、大手電力の送配電会社による情報漏洩も発覚した。自らが招いた荒波の真っただ中にある電力業界で、周りは敵ばかりのバトルロイヤルが既に始まっているのである。

東京電力ホールディングスが規制料金と呼ばれる家庭向け電気料金の値上げを国に申請した。同時に経営見通しや小売子会社へ2度目の増資を発表したが、示した「三つの数字」に崖っぷちの“ギリギリ感”が漂う。

関西電力など大手電力の送配電子会社から小売り部門への情報漏洩(ろうえい)が続々と発覚している。送配電子会社が管理するライバルの新電力の顧客情報を小売り部門が閲覧できる状態だった。新電力側は大手電力小売りが営業活動に不正利用していたとの疑念を抱いている。
