今日の注目株&相場見通し

【4月19日の注目株&日本株市場見通し】中東情勢で注目の原油高メリット株/先取りサマーストック/日経平均反落 「デイリーZAi」4/19号

2024年4月19日公開(2024年4月19日更新)
ザイ編集部
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【1】今日の株式相場早わかり!
中東情勢の緊迫化で一時1300円超安

 日経平均株価は大幅反落! 18日の米国市場では好決算が評価されたユナイテッドヘルス・グループの上昇でNYダウは小幅高となったが、連邦準備理事会(FRB)高官が年内に利下げが実施されない可能性を示唆したことで、ナスダック総合指数は下落。台湾積体電路製造(TSMC)半導体市場の見通しを下方修正したことも重石になった。半導体株を中心に売りが先行し、日経平均株価は3万8000円を割り込んでスタート。イスラエルによるイランへのミサイル攻撃が報じられるとリスク回避の動きが強まり、一時3万6733.06円(-1346.64円)まで下落。その後、「ミサイル攻撃ではなかった」などと伝わると3万7000円台を回復。ただ、情報が交錯する中、週末に伴う様子見ムードもあり、戻りは限られた。

 東京エレクトロンなどの半導体株が急落した一方、原油高からINPEXなどが買われた。経済産業省からの補助金支給が内定したさくらインターネットは急騰。今晩の米国市場ではプロクター・アンド・ギャンブル(PG)などの決算が発表される。

日経平均】37068.35円↓↓(-1011.35円)
グロース250】638.74↓↓(-21.13)
NYダウ】37775.38ドル(+22.07ドル、18日)
ナスダック】15601.499(-81.874、18日)

■日経平均株価チャート/日足・6カ月

日経平均株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)※画像をタップで最新データに飛びます

【2】今日の注目株!注目
高まる地政学リスクで注目の原油高メリット銘柄

 イスラエルのイランへのミサイル攻撃が伝わったことで今日の株式市場は急落。その後、爆発音はドローン撃墜によるものだったとの報道もあり、いったん事態は沈静化した。ただ、状況が混沌とする中、報復合戦がエスカレートする可能性も残されている。一方、地政学リスクから原油市況が高騰し、エネルギー関連株の一角は逆行高となった。可能性は低いが、仮にエネルギー供給の大動脈とされるホルムズ海峡が封鎖されることになれば、原油市況の一段高は避けられない。週明け以降も不透明感がくすぶりそうな中、原油高メリット銘柄をおさらいしておきたい。

15日取引終了後に決算を発表した主な企業

 注目は石油・ガス開発で国内最大手であるINPEX。国内外プロジェクトの安定操業により堅実な収益・キャッシュフローを創出し、高い株主還元力を誇る。2024年12月期の会社計画の前提はブレント原油1バレル=73ドル、為替1ドル=138円。足元のブレント原油は90ドル前後、為替は154円台であるため、業績予想の上方修正の公算が大きい。上期決算時には上方修正と合わせて追加の自社株買い発表の可能性もあり期待したい。

 三井物産三菱商事などの大手商社も全体相場に比して底堅い動きとなった。原油価格をはじめとした商品市況の上昇は資源事業の追い風になるため、中東情勢での供給網混乱なども味方に付けそうだ。また、18日には米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが円建て社債の発行条件を決めた。商社株の買い増しに対する思惑も強まる中、下げたところは良い押し目と捉える投資家も多そうだ。

 キャッシュフローの創出に長けていて株主還元力が高い資源関連株は、もともと投資家からの関心が高いが、今回の中東情勢の一件を受け、注目度はさらに高まりそうだ。

■INPEX株価チャート/日足・6カ月

INPEX株価チャート(出典:SBI証券公式サイト)※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】金曜連載「ザイアナリスト小林大純『ホットなテーマ!』」
初夏の陽気に夏の消費改善を期待、サマーストック

 東京では15日、最高気温が26.8度となり、汗ばむような初夏の陽気だった。目前に迫ったゴールデンウィーク中も、最高気温が25度に達する日(夏日)が多くなるという予報だ。

 ゴールデンウィーク中の旅行・JR・航空各社の予約状況はおおむね好調のようだが、先に発表された小売企業の決算などから、当面は内需への期待が高まりづらいかもしれない。一方、今年の春闘での賃上げを受けて、今夏には実質賃金のプラス転換(物価を上回る賃金の上昇)が実現するとの予想も多い。気温上昇で夏物商品の需要が前倒しされるとともに、夏の個人消費の改善を期待して「サマーストック(猛暑関連銘柄)」を先取りする動きが出てくる可能性もありそうだ。やや気が早いとは承知しながらも、関連銘柄を改めて確認しておこう。

 空調機器で世界トップのダイキン工業などはサマーストックの代表格。経済産業省は夏にエアコンの修理などが集中するのを避けるため、早めに試運転するよう呼びかけている。足元の気温上昇でエアコンの使用が増えるとみられ、関連銘柄に目を向けるのもあながち早すぎるということはないかもしれない。また、夏物衣料の動き出しが順調なら、機能性に強みを持つファーストリテイリングワークマンにとって特に追い風となる可能性がある。飲料やアイスの販売が伸びることも期待される。

 今夏はパリ五輪(7月26日~8月11日)・パラリンピック(8月28日~9月8日)が開催されるのも見逃せない。こちらも今週17日に日本選手団の公式ウェアが発表され、徐々に盛り上がりを見せてきそうだ。スポーツイベントと言えば真っ先に挙がるハブや、公式ウェアを手掛けるアシックスなどのスポーツ用品メーカーに注目したい。

サマーストック(猛暑関連銘柄・五輪関連銘柄)

小林大純
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
早稲田大学法学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科(現経営管理研究科)修了(MBA)。金融情報サービス会社などを経て現職。日本株アナリストとして各種メディアで活動中。

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