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・日経平均は1000円超の下落…トランプ関税への懸念が広がる
・1月に発表された株主優待変更を点検、新設・拡充が続く
・今週の予定は米雇用統計や日米決算
【1】今日の株式相場早わかり！
急反落…米国がメキシコやカナダ、中国に関税
日経平均株価は4日ぶり大幅反落！ 1月31日の米国市場では主要株価指数がそろって反落した。トランプ政権がメキシコとカナダに25％の関税、中国に10％の追加関税を課すと改めて表明。トランプ大統領が2月1日に大統領令に署名し、4日から課税が開始されることになった。トランプ政権の関税政策への懸念が再燃し、今日の日経平均株価は朝方から急落。後場には3万8401.82円（－1170.67円）まで下落する場面があった。メキシコやカナダが対抗策をとることを表明した上、トランプ氏が欧州連合（EU）にも新たな関税を課すことを示唆しており、貿易摩擦の拡大が警戒されているようだ。
個別では、米関税の影響が大きいとみられるトヨタ自動車などの自動車株が売られた。また、決算発表銘柄ではキーエンスが大幅安となり、レーザーテックは一時大幅高となるもマイナスへ転じた。今週も日米企業の決算発表が相次ぐ上、月初とあって重要な経済指標の発表が多い。コラムコーナーで今週の予定をしっかり確認しておこう。
【日経平均】38520.09円↓↓（-1052.40円）
【グロース250】642.15↓↓（-8.52）
【NYダウ】44544.66ドル↓（-337.47ドル、1月31日）
【ナスダック】19627.442↓（-54.307、1月31日）
■日経平均株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【2】今日の注目株！
ライフコーポなどが優待新設、京成また拡充
今日は1月に発表された株主優待の変更を確認しよう。適時開示の表題で確認できる限り、1月はMonotaROなど3社が優待制度を廃止する一方、ライフコーポレーションなど14社が優待制度を新設した。また、優待内容を拡充する企業も多い。株式持ち合いの解消や「物言う株主（アクティビスト）」の台頭、さらに上場維持基準の厳格化などを背景に、2025年も積極的な優待策を打ち出す企業が多そうだ。投資家にとっては、今日のような相場急落が優待株買いのチャンスとなる可能性もある。
ライフコーポレーションは100株以上かつ1年以上保有する株主を対象に、保有株数・期間に応じ「ライフ商品券」「ライフプライベートブランド商品詰合せセット」「社会貢献活動団体へ寄附」のいずれかを贈呈する。なお、2月末を基準日として1→2株の分割を実施するが、分割前後で実施基準に変更はない。分割後は投資額10万円台で優待が利用できるようになる公算だ。その他では大栄環境などが優待新設を発表。それに表外ではあるが、INGSやAiロボティクス、ソラコムといった2024年上場組の優待新設が相次いだのも注目される。
また、京成電鉄は昨年12月末基準で1→3株の分割を実施したことに伴い、優待発行基準を変更。分割後100株から優待を利用することが可能になるなど、様々な拡充策を打ち出した。昨年9月に続き矢継ぎ早に拡充を発表しているが、保有するオリエンタルランド株をめぐる「物言う株主」との攻防と無縁ではなさそうだ。
一方、MonotaROは配当による利益還元に集約するとして、優待廃止を発表。優待関連のコスト増加がネックになっている企業も少なからずありそうなので、優待狙いの投資家は持続性を慎重に見極めたいところだ。
（ザイ優待アナリスト 小林大純）
■ライフコーポレーション株価チャート／日足・6カ月
（出典：SBI証券公式サイト）※画像をタップで最新データに飛びます
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【3】月曜連載「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
米雇用統計や企業決算に注目、円高リスクにも注意
先週の日経平均株価は－359.49円（－0.90％）。中国のDeepSeekが開発した低価格かつ高性能な生成AIによって先端半導体の需要鈍化が意識され、半導体株や電力インフラ関連の銘柄に売りが広がった。週後半は半導体株の好決算もあり下げ止まったが、懸念がくすぶる中で戻りは鈍かった。
今週末の1月米雇用統計では年次基準改定が反映される。前回の改定の際には過去分が大きく下方修正された。今回は、トランプ米大統領がカナダやメキシコ、中国への追加関税の大統領令に署名した直後でもあり、改めて下方修正がされた場合には、米経済への楽観的な見方が後退しそうだ。米国では今週、その他にも重要な経済・雇用関連の指標が発表される。結果次第では、日本株についてはリスク回避の円高が起きないかにも注意しておきたい。
一方、米雇用統計やその他の経済指標が予想以上に強かった場合には、米利下げペースの鈍化が一層意識される。足元では追加関税への大統領令署名を受けてやや米金利高・ドル高に振れている。一段の金利高や米企業の業績下押し圧力となるドル高につながれば、日米の株価全体の重石になる恐れがある。
日米ともに10～12月期決算の発表が本格化している。米大型テック企業のほか、日米の半導体企業など注目決算が多い。投資家心理が悪化している最中であるため、決算が悪い場合には、株式市場全体の売りにつながりそうだ。一方、仮に関連企業の決算が良かったとしても、中国DeepSeekの台頭懸念を払しょくするには至らない可能性もあり、総じて株価の上値は重いとみておきたい。日本株については、配当増額や自社株買いなど株主還元を強化した企業に物色が集中しそうだ。
仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト（CMA）。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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