決算のクリレスHDは株式分割＆優待拡充/管理先不明株式の対処法/日経平均反発【今日の注目株＆日本株市場見通し】「デイリーZAi」7月15日号

◆今日の内容を10秒でチェック！
・ナスダック最高値や円安が追い風も、長期金利の上昇を警戒
・新薬期待の武田薬品、好決算のクリレスHD＆クリエイトSDが上昇
・管理先金融機関が不明な株式への対処法

【1】今日の株式相場＆話題株 早わかり！
4日ぶり反発、ナスダック最高値や円安が支援も金利上昇が重石

【今日の相場】

　日経平均株価は4日ぶり反発！ 14日の米国市場で主要株価指数はそろって上昇し、ナスダック総合指数は2日ぶりに最高値を更新した。トランプ大統領が欧州連合（EU）とメキシコに30％の関税を課すと表明したことを受け、序盤は売りが先行した。ただ、新たな関税率の通知は「ディール」だとし、交渉に応じる姿勢を見せたことが投資家心理を改善させ、上昇に転じた。米株高を受けて日経平均株価は上昇スタートも、10年物国債利回りが約17年ぶりの高水準まで上昇したことが重石になり、その後は前日終値を挟んで一進一退。一方、為替市場での円安基調が下支えし、取引終盤にかけては強含んだ。

　米メタ・プラットフォームズが大規模データセンターの第1弾を来年に稼働すると発表したほか、トランプ米大統領が大型のAI（人工知能）・エネルギー関連の民間投資を発表する見通しと伝わったことで、古河電気工業などの電線株が買われた。今晩は米国で6月の消費者物価指数（CPI）が発表予定。伸び率は前月比および前年同月比ともに加速する見通しで、利下げ期待の変化に注目したい。

【日経平均】39678.02円↑（+218.40円）
【グロース250】731.38↓↓（-16.12）
【NYダウ】44459.65ドル→（+88.14ドル、14日）
【ナスダック】20640.327↑（+54.800、14日）

■日経平均株価チャート／日足・6カ月

 

【今日の話題株】

◆武田薬品工業（4502）
4445円（＋84円）
　睡眠障害の1つである「ナルコレプシー」の治療薬候補「TAK-861」が、最終段階の臨床試験ですべての主要評価項目を達成した。本治療薬は年間売上高が10億ドルを超える大型薬（ブロックバスター）として期待されている。現在の主力製品の潰瘍性大腸炎「エンタイビオ」は2032年に特許満了を迎えるが、その後の業績けん引役の1つで商用化の目途が立ったことになる。

◆クリエイト・レストランツ・ホールディングス（3387）
1576円（＋189円）
　2026年2月期第1四半期（3～5月）の営業利益は前年同期比10.7％増の30億4800万円、通期計画に対する進捗率は31.7％と好スタートを切った。前期にM＆A（合併・買収）を実施した2社が増収に貢献したほか、人件費の適切なコントロールと販売価格の適正化によりコスト増を吸収した。また、8月末を基準日とした1→2株の分割や株主優待の拡充も発表している。

◆クリエイトSDホールディングス（3148）
3530円（＋270円）
　2025年5月期の営業利益は前の期比11.9％増の226億円と計画（220億円）を上振れ、期末配当は34円→44円へ増額。2026年5月期は6.5％増の241億円を見込み、1株あたり配当も90円（中間・期末45円）と前期（78円）からの増額を計画。生鮮食品をはじめとした食品の品揃え強化や低価格での提供により、売上が好調に推移しているようだ。

【2】火曜コーナー「投資＆おかねのギモン」
管理先金融機関が不明な株式への対処法

（ご質問）
　高齢の父のもとに株主総会の案内が毎年届くのですが、大昔に買った株式のため、どの金融機関で管理されているかわからず困っています。どう対処すればよいでしょうか？

（答え）
　証券保管振替機構（ほふり）に申請し、株主名義の証券口座がある金融機関を確認しましょう。信託銀行の場合は移管の手続きが必要になります。

　“終活”が一般化してきた昨今、金融資産の整理を始める人が増えています。ただ、証券口座をどこで開設したか、保有する株式はどの口座で管理されているか忘れてしまっている場合も多いでしょう。そこで、三菱UFJ信託銀行の証券代行部・三輪紘子さんに対処法を聞きました。

 「信託銀行には株主総会の案内を送る役割がありますが、信託銀行に問い合わせをいただいても、『○○証券の口座にあります』と株式の管理先をお答えすることができません。その株式が証券会社で管理されている場合、年に1回は証券会社から『取引残高報告書』が郵送で届くため、まずはそれで確認するのが一つの手。その他の手としては、証券保管振替機構（ほふり）に『登録済加入者情報の開示請求』を行う方法があります」

 「登録済加入者情報の開示請求」とは、どの金融機関に証券口座を持っているのかを有料で調べることができる制度。「○○証券、△△証券、××信託銀行」のように、対象の株主の証券口座がある金融機関が一覧でわかります。ただし、わかるのは金融機関名まで。銘柄名や保有株数は各金融機関に問い合わせましょう。

　ここで気になるのは、信託銀行で保管されているケース。一般的に株式は証券会社を通して売買されますが、なぜ信託銀行にあるのでしょうか？

 「2009年に紙の株券が廃止され、株券がすべて電子化されました。その際、証券会社を通じてほふりに預託されなかった株式は、株式の発行会社が信託銀行に開設した『特別口座』の中で管理されています。株主が然るべき手続きをせず、無効になるところだった株式を信託銀行が保護しているイメージ。このケースが可能性として考えられます。特別口座の株式は売買や譲渡ができません。売却等を行いたい場合は『口座振替申請書』を信託銀行に提出し、証券口座へ株式を移管してから、売却することになります」

　また、特別口座が1つでも開設されていると、株式の配当金の受取の際に「株式数比例配分方式」が選択できないのもデメリット。NISAの非課税メリットが十分に活かせなくなります。

 「株主が亡くなった場合は相続関連の手続きも発生し、一連の手続きはさらに手間がかかることに。株主が元気なうちに株式の移管を済ませるほうがいいでしょう。なお、移管が済んで空になった特別口座はそのまま閉鎖されるため、株主が閉鎖の手続きを行う必要はありません」

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