◆今日の内容を10秒でチェック!
・日経平均は一時1300円安も反発、AI株は高安まちまちも出遅れに買い
・三菱重工業はガスタービン生産増強、西松屋チェ・DCMは決算で上昇
・相次ぐ需給イベントで波乱含みか、米雇用統計に注目
【1】今日の株式相場&話題株 早わかり!
一時1300円安も反発、AI株は高安まちまちも出遅れ銘柄に買い
【今日の相場】
日経平均株価は小幅反発! 26日の米国市場では主要株価指数がそろって下落。好決算を受けて急伸したマイクロン・テクノロジーが一転して売られたほか、オープンAIのIPO(新規株式公開)延期検討の報道を受け、半導体などのAI(人工知能)インフラ関連株に売りが広がった。一方、これらの材料は先週末の東京市場で概ね織り込まれており、日経平均株価は上昇スタート。ただ、引き続き四半期末に伴う資産配分の調整を目的とした売りが重石となり、一時は6万7997.57円(-1363.31円)まで下落した。他方、先週末から応酬が続いていた米イランの攻撃停止での合意や、韓国サムスン電子などによる大規模な半導体投資の計画が伝わったことで、取引終盤にかけては大きく持ち直した。
AI関連株が高安まちまちの一方、任天堂などのゲーム関連やイオンなどの小売株のほか、不動産、陸運、医薬品など、これまで不調だった銘柄で上昇が目立った。今日のX(旧ツイッター)の音声チャット「スペース」では、乱高下する株式相場の見通しや投資戦略、注目株などについて解説している。
【※Xスペース配信(6月29日)はコチラから】
⇒https://x.com/ZAiClub/status/2071442639711523289
【日経平均】69468.11円→(+107.23円)
【グロース250】702.77↑↑(+20.22)
【NYダウ】51876.11ドル→(-44.51ドル、26日)
【ナスダック】25297.618↓(-60.985、26日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【今日の話題株】
◆キオクシアホールディングス(285A)
8万8450円(-3730円)
今年に入ってからの株価上昇が断トツだったことで、四半期末(4~6月)に伴う資産配分の調整(リバランス)を目的とした売りが強まった。また、米アップルは先週、半導体メモリー価格の高騰を理由に製品の値上げを発表。更なるメモリー価格の高騰は大型テック企業の収益性悪化につながるため、メモリー価格の上昇継続に対する懐疑的な見方が出てきたことも影響したようだ。一方、1→5株の分割で投資単価が下がった日東紡績は、早い時期から株価が調整していたこともあり大きく上昇するなど、AI関連株は高安まちまちだった。
◆三菱重工業(7011)
3651円(+84円)
大型ガスタービンの生産能力を2030年度に24年度比で2倍に引き上げると一部で報じられた。AIデータセンターでの電力消費量の急増が背景にあり、日米の生産拠点に1000億円超を投じるという。メンテナンスなどの継続的なアフターサービス需要も拡大しているようで、中長期的な業績拡大への期待が高まった。
◆DCMホールディングス(3050)
1575円(+67円)
2027年2月期の第1四半期(3~5月)営業利益は前年同期比17.4%増の113億円、3.1%減の上期計画に対して好発進となった。中東情勢の影響により、塗料用品などのまとめ買いが発生したほか、気温が高く推移し、空調ウェアなどの夏物作業衣料が好調だったようだ。西松屋チェーンも、第1四半期の営業利益の上期計画に対する進捗率が71.3%と好発進。ネット販売で新規会員が増加、小学校高学年向けの衣料も好調だった。
【2】月曜コーナー「ザイアナリスト仲村幸浩『今週の焦点』」
相次ぐ需給イベントで波乱含みか、米雇用統計に注目
先週の日経平均株価は-1889.18円(-2.65%)。人材争奪戦や大型テック企業の製品値上げ、半導体企業の決算など、生成AIを巡るニュースに振らされる変動率(ボラティリティー)の激しい相場展開だった。
引き続き月末月初に伴う需給(売りと買いのバランス)イベントに注意が必要だ。四半期(4~6月)末と上半期(1~6月)末が重なる6月は、海外投資家を中心に資産配分の調整(リバランス)を目的とした売り需要が膨らみやすい。7月以降も、「益出し売り」(四半期入りの早い段階で利益を確定し、ファンドの運用パフォーマンスに余裕をもたせようとする機関投資家の動き)が予想される。また、8日・10日に決算日が集中する国内の指数連動型ETF(上場投資信託)の分配金捻出に伴う売り需要が7日~10日にかけて控えており、需給イベントを前に軟調になりやすいだろう。
経済指標では2日(木)に米国で発表される6月雇用統計に注目。6月16~17日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の結果やウォーシュ新連邦準備理事会(FRB)議長の会見は予想以上にタカ派的だった。雇用統計が予想を大きく上振れると、利上げ懸念が更に高まりかねない。円安・ドル高が一段と進んだ際には、当局による為替介入が相場の変動率を高めるリスクもある。ただ、サプライマネジメント協会(ISM)景況感指数の雇用項目の50割れや、NFIB(全米独立企業連盟)の採用計画を見る限り、雇用の実態は弱さも孕んでいる。平均時給も鈍化傾向にあるため、予想をよほど大きく上振れない限り、利上げ懸念は緩和しそうだ。
上述の需給イベントも景気・企業業績の見方を変えるものではない。また、周知のイベントである分、早ければ需給イベントの通過前後から、あく抜け感を意識して株価が持ち直していくことも考えられる。下半期(7~12月)入りに伴い、海外投資家の新規資金も期待される。韓国の株価指数KOSPIの動きや、米アップルの製品値上げの発表を機に高まった大型テック株の採算悪化の懸念など、やや気になる動きはあるが、悲観に傾くにはまだ気が早いとみる。
【仲村の今週の注目銘柄・テーマ】
富士フイルムホールディングス
「半導体」「創薬・先端医療・バイオ」
3513円(+77円)
政府は2040年度までに総額370兆円超となる官民投資計画をまとめた。戦略17分野の主な項目にはAI・半導体のほか、サイバーセキュリティ、防衛、造船、創薬・先端医療、コンテンツ(ゲーム・アニメ・マンガ)などが含まれる。
富士フイルムHDは、ビジネスイノベーション(複合機など)や、Z世代のレトロブームで注目を集めるインスタントフォトシステム(チェキ)「instax」などのイメージングのほか、ヘルスケアやエレクトロニクスも手掛ける。
ヘルスケアでは、高成長が見込まれるバイオCDMO(医薬品開発製造受託)市場において「医療版TSMC」を目指しており、市場を上回るペースで成長を続けている。また、世界シェア1・2位の製品が多い医療機器は、一部で競合のオリンパスを上回る勢いでシェアを伸ばす。半導体材料も前工程から後工程までラインナップを広げながら成長期待を高めている。
バイオCDMOの一時的な収益性悪化が嫌気され、株価は5月にかけて調整したが、その分の出遅れ感が強い。先週から、AI・半導体関連が売られる半面、その他の一部の銘柄が買われるセクターローテーション(業種間での資金移動)が見られるが、富士フイルムHDは週明けも堅調で、更なる上昇に期待したい。

仲村幸浩
ダイヤモンド・ザイ アナリスト
立教大学経済学部卒業。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。証券会社や金融情報サービス会社を経て2023年10月より現職。マーケットアナリストとして各種メディアで活動中。
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