ダイヤモンド・ザイでは、ザイ読者10人の保有する投資信託が「いい投資信託」なのか「悪い投資信託」なのか、プロに診断してもらう特集『行列ができる投信診断室』を掲載。診断してくれたのは、長年投資信託に携わってきた経験を活かし、投資信託を評価するデータベース「ファンド・ラボ」を開発した「投信の窓口」ファンド・リサーチセンター長の植村佳延さん。今回は、人気ファンド「JPMザ・ジャパン」を保有する読者への診断を抜粋して紹介しよう!
福田彩子さん(仮名・埼玉県・41歳)
30年くらいかけて大幅に資金を増やす目的で「JPMザ・ジャパン」を選択。しかし、成績の低迷が顕著で、手放すべきか悩んでいる。
★福田さんが保有する投資信託
◎「JPMザ・ジャパン」
福田さんの保有銘柄の診断結果
⇒「JPMザ・ジャパン」(保有額の100%)
「JPMザ・ジャパン」は中小型株の発掘に定評があり、かつては日本株型の成績トップの常連でしたが、過去3年の成績は同タイプ内で268本中265位と低迷。福田さんのように、以前から保有している人の多くが、戸惑っていることでしょう。
この成績低迷の理由は、2013年に大手証券会社が販売会社に加わったことがきっかけとなり、急激な設定・解約が生じたこと。元来、投信にとって、急激な資金の流入は、運用に大きな負担となりますが、中小型株中心の投信では特にそうです。
「JPMザ・ジャパン」の場合、2013年4月になんと1250億円の資金流入があり、その後1400億円を超える解約が生じました。このような純資産総額の急激な増加や減少は、運用成績に悪い影響を及ぼすので要注意です。純資産はゆっくり増加するのが理想なのです。
さて、「JPMザ・ジャパン」を保有し続けるべきかどうかですが、過去1年の成績は同タイプ内の317本中13位まで回復しており、かつての栄光を取り戻しつつあります。
ただ、紆余曲折を経て、上昇相場に強かった昔の運用スタイルとは少し変わった可能性も。最悪期は脱した模様ですが、今後しばらくは推移をチェックすべきでしょう。過去3年の成績は低迷したものの、過去10年では同タイプ内で2位と優秀な成績を維持しています。
ポートフォリオの診断結果は…
純資産の急激な増減には要注意
今は適正な純資産で保有継続もあり!
「JPMザ・ジャパン」は解約も落ち着き、成績は回復傾向なので保有継続もありです。投資対象によって違いますが、投信には適正な運用資産の規模があります。日本株型の場合は、2000億円が1つのメドに。
この投信の場合、一時は3000億円超まで増加した純資産も現在は700億円台です。3カ月に1度程度は、自分が保有している投信の成績とともに、純資産の傾向もチェックしましょう。
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