個人型や企業型の「確定拠出年金」で分散投資を行い、利益を出している人の資産構成比や運用方針は?
ダイヤモンド・ザイでは、特集「確定拠出年金 ザイ読者12人の損益セキララ白書」で、積極的に確定拠出年金を活用している読者のポートフォリオや運用方針を紹介している。
読者の運用方針はさまざまだが、今回は、リスクの高い株式型の投資信託に加えて、低リスクな債券型の投資信託も含めた「分散投資」で成果を上げている読者2人の活用術を抜粋して紹介する。
値下がりリスクを低減するには、ある程度の分散投資が効果的
確定拠出年金で選択できるのは、各種投資信託や定期預金、保険などがある。リスク度合いは組み入れる資産によって調整するわけだが、いくらリターンがほしくても「株式型の投資信託だけでは、リスクがあって怖い!」という人も多いだろう。
その場合、値動きを抑えるために、たとえば日本や先進国の債券型など、低リスクな投資信託を組み合わせて投資する必要がある。これらの債券型は低金利なのであまり上昇は見込めないが、相場の下落時にはクッションになってくれるはずだ。
また、たとえば「日本株だけ」など、一種類の資産に資金をつぎ込んでしまうと、相場の下落時にダメージが大きい。値動きの仕方が異なる資産に分散したほうが、値下がりリスクも低減できるものだ。
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そこで、ここからは分散を重視して確定拠出年金のポートフォリオを組んでいる読者の実例を紹介。ダイヤモンド・ザイでは、12人の読者の運用方針やポートフォリオを紹介しているが、今回は、その中から2例(File05楠木さん・File08もぐママさん)をピックアップする。
6本の投資信託に細かく分散投資!
大部分は株式型だが、債券型も積み立ててリスク管理!
【File05 楠木高広さん(仮名・静岡県・30歳)
まずは、企業型の確定拠出年金に2015年7月から加入し、月々の掛け金1万3440円で、資産評価額69万9208円(掛け金の総額は57万5640円)を達成している楠木さんに、運用方針を聞いた。
「2015年に勤務先が確定拠出年金制度に切り替えました。同僚は、一定額が保証されていた前の制度のほうがよかったと不満をもらしていましたが、私は自分で好きに運用できるのでいい制度だと思います。毎月の掛け金(1万3440円)を、6本の投資信託に分散して投資しています」
分散の比率は、日本株型の投資信託2本で、全体の50%を占めている(インデックス型30%、成長株に投資するアクティブ型20%)が、外国株型10%、新興国株型16%に加えて、国内債券型18%、外国債券型6%と低リスクの投資信託も保有している。
「個人の投資志向によって何パターンか用意されていたモデルの比率を参考に、高リターンを狙いたいので、株式型多めの比率にしました。月々の掛け金は2016年12月までは、私が掛けられる上限の2万7500円にしていましたが、今年から住宅ローンの返済が始まったため、投資信託の比率は変えず、家計の無理のない範囲で月々の掛け金を1万3440円に引き下げました。今までは順調に増えていますが、もし下落しても多くの口数を買えるので、一喜一憂せず続けていきたいです」
投資で成果を得るためには、長期で継続することが大事だ。楠木さんのように、住宅ローン返済など支出に変化があった場合は、家計に無理のない額に変更して積み立てを続けよう。
スイッチングのしやすさも考えて、
日本株、外国株、リート、債券の4本を同比率で運用!
【File08 もぐママさん(ペンネーム・千葉県・45歳)】
続いては、個人型の確定拠出年金(iDeCo)に挑戦している主婦のもぐママさんのケースを紹介する。
制度改正で主婦でもiDeCoに加入できるようになったことから、2017年4月に運用を始めたもぐママさん。月々の掛け金は2万3000円で、始めたばかりのため資産評価額は6万7075円(掛け金の総額は6万5850円)。
「主婦なので所得控除の恩恵は受けられませんが、運用利益が非課税になるメリットは享受したい! 主人の401kが羨ましかったけど、これで同等です」
現時点で45歳のもぐママさんは、iDeCoの期限となる60歳まで、あと15年運用できる。
「15年あるので、元本確保型や低利率の国内債券型の投資信託は選択肢から除外。掛け金は日本株型の投資信託25%、外国株型25%、外国債券型25%、外国リート25%に分散して積み立て中です。比率が崩れたときにスイッチングしやすいので、わかりやすい4等分の配分にしました。10年間は攻めの運用で積み立てを継続して、最後の5年間は世界経済の様子を見て比率を変えていく予定です。楽天証券を選んだのは口座管理料が無料だったから。運用期間3年未満の投資信託が多いのが不安ですが、低コストのインデックス型で運用中です」
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