超成長株投資で資産10倍計画!

安川電機(6506)の株価を決算発表で見極める!来期は原材料費の低下と底堅い設備投資需要が好材料になる!

2019年1月16日公開(2022年3月29日更新)
山本 潤
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

 外資系投資顧問でファンドマネジャー歴20年の山本潤氏による、10年で10倍を目指す成長株探しの第8弾。今回は、安川電機(6506) を取り上げます。

安川電機(6506)の決算が示唆するものとは?

山本潤のメールマガジン&オンラインサロン。10年で10倍を目指す超成長株投資の真髄

 1月10日の午後4時に安川電機の第3四半期(3月から11月末の9カ月の決算が発表されました。
安川電機の決算は以下の2つの点で重要です。

1) 先行指標としての意義
 安川電機の本決算は2月であるため、他の3月決算の企業群よりも1カ月早く動向がわかります。それゆえに、多くの製造業の動向への示唆となります

2) グローバルの設備投資動向を把握する意義
 安川電機はグローバルシェア2割弱を誇るACサーボモーターの大手企業です。それゆえに、他のグローバル企業、特にFA関連、半導体製造装置関連企業への一ヶ月後の決算の示唆となります。


 安川電機の第3四半期決算の内容は残念ながら通期の下方修正を含むものでした。2019年2月の通期の会社計画は売上が4980億円から160億円下方に修正され、4820億円となりました。営業益は590億円から60億円下方修正され530億円となりました。中国アジア地域での景気減速を受け、特に、主力のモーションコントロール事業が下振れしたのです。

 ただ、決算内容については、見た目ほど悪いものではありませんでした。

 第3四半期(9月-11月)の実績売上と営業益はそれぞれ1131億円と111億円であり、これは前四半期(6月-8月)よりも、それぞれ6%と17%低い水準でした。

 今後の見通しですが、第4四半期(12月-2月)の売上と営業益の会社見通しは、それぞれ7%と3%増える計画です。業績の悪化はひとまず終わって、底打ちする見通しです。ただし力強い回復は見られません。

 会社側が第4四半期の業績の「回復」を見込んでいるのは、足元の受注が切り上がっているからです。これは決算後の取材で確認しました。中国を中心に9月落ち込んだ受注ですが、10月-11月-12月と徐々に切り上がりを見せているのです。これから、春節ですが、その後に投資意欲が戻る可能性があります。

来期の見通しには2つの好材料がある

 来期は出足は明るいものになりそうです。好材料が二つあります。

 日本の加工産業にとって明るい二ユースは、原材料費の大幅な低下です。鋼材やコイル(銅価格連動)が来期の第1四半期には、前年比で1-2割安くなっています。特に安川電機は、モーター製品の材料費率は5割程度と大きいため明白に追い風となります。

 安川電機のサーボモーターはグローバルシェア2割弱であり、カタログを中心とした標準品販売ですから製品価格は安定しています。製品価格が安定して、材料費率が下がるのですから業績面での追い風となるのです。

 もうひとつの好材料はドル/円の為替です。2018の第1四半期は一時1ドル104円の円高でした。来期の出足は、円安となりそうで、これも追い風となります。

 ただし、肝心な需要動向はまだ弱く、半導体や液晶の設備投資の回復までにはもう少し時間がかかりそうです。力強い需要の回復は夏場以降となりそうで、当面は、業績をドライブするような状況ではありません。いまは、さらなる下方修正がない、という程度のものです。

 安川電機の株価は、過去1年にわたり下がり続けてきましたが、第4四半期と来期に向けた好条件を見れば、株価はさらに売り込まれるような業績ではありません。やっと下げ止まりそうだと言えるでしょう。

意外に底堅い先進国の設備投資

 ひとつの企業の決算から他の企業の決算の傾向を予想することができます。安川電機の決算は他のFAや半導体装置メーカーにとって何を意味しているでしょうか。設備投資関連としては、中国の生産の過度な落ち込みの懸念が払しょくされたのは大きな意味を持つでしょう。

 設備投資関連は2018年を通して大幅に株価が調整しました。この一方的な流れはひとまずは止まったと考えることができるからです。足元の中国の製造業の設備投資意欲が緩やかに回復していることが確認できたからです。

 安川電機の今回の決算のもうひとつの特徴は、意外に底堅い先進国の設備投資でした。これは、先進諸国がやはり人手不足が深刻であり、自動化や省人化投資への盛り上がりが継続しているためでしょう。

 アジア諸国も人件費の増加が続いており、人を置き換える商品を提供しているFA企業はプラスアルファの追い風を将来にわたって受けそうです。

この連載は、10年で10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、会員専用ページではさらに詳細な銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。

安川電機(6506)/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)

 


ポール・サイ 米国株&世界の株に投資しよう!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

人気の株500
米国株150激辛診断
最新理論株価

11月号9月20日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[人気の株500&米国株150激辛診断]
◎巻頭企画
植田ショック後の日本株の狙い目!

◎第1特集
「買い」「強気」の高配当株は95!暴落に強い株も判明!
人気の株500+Jリート14激辛診断

●儲かる株の見つけ方<1>旬の3大テーマ
第1四半期の利益が高進捗/株価挽回期待/円高追い風
●儲かる株の見つけ方<2>5大ランキング
通期計画を上方修正した株/“稼ぐ力”が強い高ROEの株/配当利回りが高い株
初心者必見の少額で買える株/理論株価よりも割安な株

●儲かる株の見つけ方<3>セクター別平均
配当利回りトップは海運に!
●2024年秋のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート


◎第2特集
ITはもちろん高配当株や割安株も上がる!
人気の米国株150診断

●米国株大予測!
S&P500指数の今後を予想!
米国経済&業績はどうなる?/利下げでどんな株が上がる?
●Big8を定点観測
●買いのオススメ株
●人気の124銘柄を徹底診断


【別冊付録】
全上場3914社の最新理論株価
理論株価より割安な株は2645銘柄!


◎第3特集
利子で儲ける!
あつまれ!元本確保型商品

●定期預金/個人向け国債/新窓販国債/地方債/社債

 

◎第4特集
攻めと守りで考える!
NISA「オルカン」「S&P500」の次の一手!

●あなたに最適な投資信託を診断!
●攻めの投信:半導体・AI株/インド株/日本の成長株
●攻め&守りの投信:安定株
●守りの投信:金(ゴールド)

 

◎連載も充実!

◆NEWS:桐谷さんなど5人の株の達人から学ぶ暴落相場の必勝法!
◆連載2回目:ZAi編集部の新人・ザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人
「社会保険って何で払うの? 5つの社会保険でもらえるお金を知ろう!」
◆おカネの本音:鈴木おさむさん(エンジェル投資家&元放送作家)
「51歳で放送作家を引退。投資ファンドをつくり革新的企業を生み出す」
◆マンガ恋する株式相場「大暴落!キモチも株価も乱高下」
◆マンガ「経済データの基本GDPって何?」
◆人気毎月分配型投信100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報