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クレジットカード“不正利用”事件の調査結果を報告!
警察は犯人を逮捕できたのか、本当の被害者は誰なの
かなど、カードの「不正利用」事件の一部始終を解説クレジットカード専門家・菊地崇仁の「カードの不正利用」体験記(3)

2019年5月8日公開(2022年3月29日更新)
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クレジットカード「不正利用」事件の顛末

クレジットカード「不正利用」事件の顛末を
時系列順にまとめてみると……

 2019年12月末に筆者の保有する「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード」が不正利用されたが、被害に気がついてから10日ほどでカード会社に被害額を全額補償してもらい、金銭的には解決した。
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「クレジットカードの不正利用」の犯人を警察は逮捕できない!? カード所有者は被害届を出せない、不正利用の犯人特定は99%不可能など、衝撃の事実が発覚 

 今回の不正利用の件を時系列で書くと、下記の通り。

• 2019年01月27日 12月末に不正利用されたことに気がつき、アメックスに電話
• 2019年01月28日 Yahoo! JAPANにID調査依頼
• 2019年02月01日 警察に行く
• 2019年02月04日 アメックスによる利用金額調整

 一般的なクレジットカードの規約には、不正利用に対する補償期間が60日間と書いてある。しかし、加盟店やカード会社、警察などへの問い合わせが長引いて60日を過ぎてしまい、補償対象外になったという話も聞いたことがある。今回の「アメリカン・エキスプレス」のスピーディーな対応をみると、その点では安心して利用できるカード会社だと感じた。
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アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?

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関連記事 アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードは“プラチナ”を超える“ゴールド”! 日本初のゴールドカードを受け継ぐ「新生ゴールド」を解説!
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 金銭的には解決したが、クレジットカードの不正利用があったサービスを提供している「Yahoo! JAPAN」、不正利用されたクレジットカードの発行会社である「アメリカン・エキスプレス」、そして「警察」の三者それぞれに問い合わせて、ようやく今回の不正利用の全容がわかってきたので紹介したい。

クレジットカードの不正利用の最終的な被害者は、
加盟店である「Yahoo! JAPAN」になる

 今回の不正利用について図で説明すると、以下のようになる。

 クレジットカード利用者が図の(5)で、身に覚えのない支払履歴を見つけた場合は、最初に損害を被るのはカード利用者となる。理由は、この時点で金銭的被害を受けているのはカード利用者だからだ。おそらく、ここでカード会社などに連絡せずに警察へ行けば、被害届を出せるのではないだろうか。

 続いて、筆者(カード利用者)がカード会社に不正利用があったことを伝えたところ、該当のクレジットカード番号を変更することになった。さらに、問い合わせから60日以内の不正利用ならば、下の図の(7)のように、原則的にカード会社は利用料金を調整、つまり、不正利用分を補償してくれる。

 今回、筆者は6000円ほど不正利用されたが、後日、全額がカード会社から補償された。実際に、翌月の利用明細を見たところ、不正利用分が調整されていることが確認できた。

 この時点で“被害者”は、カード利用者からクレジットカード会社に移る。つまり、カード利用者は不正利用分の補償を受けたので被害者ではなくなり、不正利用分を補償したカード会社が被害者になるわけだ。

 筆者が交番に行って「被害届を出せますか」と聞いたときに、「この場合はカード会社が被害者なので、カード利用者からは被害届を出せません。カード会社から被害届を出してもらう必要があります」と言われたのは、すでに筆者がカード会社に連絡済みだったからなのかもしれない(警察はそこまで考えて発言していないと思うが……)。

 しかし、クレジットカードの利用規約には「不正利用の被害に遭った場合は、警察署に連絡してから、被害届の番号を伝える」と書いてあった。このことをカード会社に連絡すると「カード会社から被害届を出すことはありません」と言われた。

 つまり、カード会社は「カード利用者が警察に被害届を出す」と言っており、警察は「カード利用者は被害者ではないので、カード会社が被害届を出す」と言っているわけだ。回答に矛盾が生じているので、これまでの経緯をカード会社の担当者に説明して、カード会社のスタンスを再度確認してもらうことにした。

 そして、数日後に「カード会社は被害者ではありません。今回の場合の被害者は加盟店であるYahoo! JAPANとなります。したがって、カード会社が被害届を出すことはありません」という回答をもらった。

 2月4日に金額調整が行われたので、一時的にカード会社が不正利用分を補填したことになるが、不正利用された金額(明細)は加盟店に差し戻される。つまり、最終的に被害額を補填するのは加盟店となるので、カード会社はその時点で被害者ではなくなるのだ。

 要約すると、クレジットカードの不正利用に関する最終的な被害者は「加盟店(Yahoo! JAPAN)」になるので、被害届を出せるのも「加盟店(Yahoo! JAPAN)」になるというわけだ。

 では、Yahoo! JAPANは不正利用されたら被害届を出すのだろうか。こちらもカード会社と警察への調査依頼と並行して確認していたのだが、「Yahoo! JAPANから警察への被害届を出すことはありません」との回答があった。

 これは今回の筆者のケースだけではなく、不正利用があった際のYahoo! JAPANとしての対応を聞いたので、常に被害届は出さない方針と思われる。

 正直、被害額が6000円ほどと少額なので、被害届を出しても割に合わないと考えているのかもしれないが、クレジットカードを不正利用した犯人だけが得をしていることには変わりない。

 今回、犯罪者だけが得するのは納得できないので警察署に行ってみたのだが、結局、被害届は出せなかった。そのため、警察にはただ調査を依頼しているに過ぎない状況となっている。この調査依頼については、受付の控えをもらったわけでもなく、いつまでに連絡が来るというものでもない。あくまでも、時間があるときに調査する程度なのだ。

 警察署で「調査する」と伝えられてあっさり引き下がったが、よく考えると個人情報の壁があるのに本腰を入れて調査するか疑問だ。「CCCがTカードの情報を令状なしに提供した」というニュースがあったときに、筆者もこの件についてテレビや雑誌などの取材を受けたが、今回の件は、まさにこの“個人情報の壁”に阻まれそうだ。

 というもの、今回は筆者から被害届を出せない。そして、被害者であるYahoo! JAPANも被害届は出さない方針だ。となると、警察が該当するアカウントの情報開示をYahoo! JAPANに求めたとしても、Yahoo! JAPANがIPアドレスや氏名などの個人情報を提供するとは思えない。

 今回のケースも犯人を特定しようとしたら、「Tカード」の情報開示でも使われた「捜査関係事項照会書」でYahoo! JAPANに問い合わせることになるのではないか。だとすると、「Tカード」の一件で「令状なしに個人情報を提供するなんてけしからん」と話題になってしまった今、Yahoo! JAPANが捜査協力をしないことも大いに考えられる。

 たしかに、個人情報の保護も重要だが、犯人が野放しにされるほうが問題ではないかと個人的には思うのだが……。

警察も「不正利用」の犯人を特定することができず、
結局、事件は未解決のまま捜査終了……

 そして、後日、警察から「犯人の特定は難しい」という連絡が入った。Yahoo! JAPANへの照会はできたようだが、照会結果が複数のIPアドレスや人物に繋がり、これ以上調べても犯人を特定できないという。

 そもそも、筆者は本来であれば地元の警察に届け出るところ、管轄が違う渋谷警察署に行ってしまったので、これ以上の調査をするには地元の警察署に引き継ぐことになるそうだ。しかし、地元の警察署で調査しても結果は同じだと思われるので、これで調査終了ということになった。

 結局、最初に「ネットの金融犯罪の犯人は99%捕まらない」と言われたとおりの結果になってしまった。

 とはいえ、今回は自分のクレジットカードが不正利用されたことで、いろいろと確認ができていい経験になった。筆者の場合は、クレジットカードの専門家として仕事をしているので“いい経験”と割り切れるが、一般利用者だったら「クレジットカードは怖い」と思ってしまうだろう。

 しかし、クレジットカードを不正利用されても、被害の補償には60日間の猶予があるので、日頃から利用明細を確認する習慣さえ身につけておけば、現金よりも安全なツールと言える。カード会社のアプリやWeb明細を活用して、早めに不正利用の被害を見つけられる環境にしておくべきだろう。
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 以上、今回は、クレジットカードの不正利用の調査結果と、その被害者について解説した。

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