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「ひふみ投信」の投資方針や運用成績に関する疑問を最高投資責任者の藤野英人さんに直撃! 海外株比率を増やした理由や昨年の成績がTOPIXに負けた原因は?

2019年7月28日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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ひふみ投信」の運用方針や、2018年に苦戦した理由などを、運用会社のレオス・キャピタルワークス社長・藤野英人さんに直撃!

発売中のダイヤモンド・ザイは、特集「人気投信10本のファンドマネージャーに公開質問!」を掲載! この特集では、10年間という長期の運用成績が優れていて、なおかつ純資産残高が大きい、人気の投資信託を10本セレクト。それらの投資信託のファンドマネージャーに、好成績の秘訣や今後の運用方針などの気になる点を質問し、Q&A方式で紹介している。さらに、アナリストなどの第三者に、10本の投資信託それぞれの“運用の腕”も診断してもらっているので、投資を検討している人には参考になるはずだ。

今回はその中から、「ひふみ投信」の運用会社であるレオス・キャピタルワークスの社長・藤野英人さんのQ&Aを一部抜粋。「ひふみ投信」に投資している人、これから投資したい人は、ぜひチェックを!

【Q1】規模拡大のせいで中小型株から海外株にシフト?
⇒【A】規模拡大のおかげで海外出張できるように

レオス・キャピタルワークス社長・藤野英人さん「ひふみ投信」の運用会社であるレオス・キャピタルワークス社長・藤野英人さん

 もともと海外株にも投資したかったのですが、規模が小さい時は出張費が出せませんでした。資産残高が30億円のときは、売上高は3000万円くらい。これでは1回の出張で50万~100万円かかる海外には行けません。企業に足を運んで経営者らに会い、調査を重ねて投資判断します。規模が大きくなり、現地調査できる体制になったので、2017年から海外株にも投資するようになりました。

 「ひふみ投信」は確かに日本の中小型成長株への投資に強いですが、投資対象も投資方法もフリースタイルです。大型株にも海外株にも投資します。

 ただ日本では、成長性が高く魅力的な銘柄は小型株のほうが多い。時価総額上位の半分は、投資対象として魅力がありません。魅力のない大型株に投資しないだけでも、指数以上の成績を上げられると思いますよ。

 一方で米国では、アマゾンネットフリックスのように、時価総額上位に業績が伸びている銘柄がある。創業社長が多く利益もガンガン伸びています。じつは中国株にも投資しているし、海外調査は世界中でしています。6月下旬にベトナム、インドネシア、フィリピンを訪問しましたが、時価総額1兆円規模で年率25%成長を続けている企業がたくさんありました。15%までは海外株を組み入れたいです。

【Q2】2018年の運用成績がTOPIXを下回った理由は?
⇒【A】ショック時には下げるが、リバウンド力がある

 苦戦したのは2018年10~12月の3カ月間です。特に12月25日に日経平均株価が1万9155円にまで下がったときには急落しました。

ファンドマネージャーに気になる疑問を直撃

 「ひふみ投信」の一番のリスクは下がるときに大きく下がること。これは“何とかショック”みたいなパニックのときには、それまで運用成績がよく、利益が出ている株から売られるため。

 逆に、強みはリバウンド力です。成長力のあるいい銘柄は、パニック相場では利益確定のために売られますが、その後すぐにまたお金が集まります。ですから2019年に入ってからは運用成績が回復し、昨年末から5月末までで8%上昇しました。TOPIXにも勝っています。

 最近よく聞かれるのが、規模が大きくなり、成績がTOPIXと連動するようになったのでは、ということですが、それはありません。

【Q3】今後はどんな銘柄に投資するつもりですか?
⇒【A】経営者がリスクを取る企業に幅広く投資する

 「ひふみ投信」のコンセプトは「火風水土心(ひふみとうしん)」です。火=成長株、風=トレンド株、水=割安株、土=地味株・地方株──あらゆるチャンスをめがけて投資していきます。

 アナリストやファンドマネージャーはセクター制ではありません。好きなところに自由に行っていい。セクター制を取ると、投資対象として魅力のない企業調査にも時間を費やすことになり、無駄が多くなります。

 ひとつ特徴として言えるのは、“リスクテイカー”に投資する。会社訪問して、経営者がリスクを取ってバットを振り続けると判断した企業に投資したい。バットを振ると、三振する人もいればホームランを打つ人もいます。なので、「ひふみ投信」のポートフォリオをみると、中身は割とガチャガチャしています。ひどい決算で株価がストップ安になっている銘柄もあれば、絶好調の銘柄もある。

 まとまりとして、EPS(1株純利益)の中期での年間成長率が10~15%になるようにコントロールしています。銘柄数が10でも200でも変わりません。むしろ銘柄数が多いと、全体の株価の変動が平準化されます。規模が大きくなってもこの方向性に変わりはありません。
【※後半の記事はこちら!】
「ひふみ投信」の今後の運用成績はどうなる? 3人の専門家による評価のほか、最高投資責任者・藤野英人さんが明かした“世界株型”の新ファンド構想にも注目

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