長期の成長株投資における重要な考え方を紹介します。相場は少し落ち着いたとは言え、VIX指数は60前後と高く、今後も乱高下するでしょう。さらなる感染拡大や経済悪化などで再び暴落し、二番底を試す局面も十分考えられます。そうした際、超成長株投資の真髄を理解し、胆力を持って臨んでください。
長期投資のポイント① 変わらないことに重きを置く
株価は、将来得られるキャッシュフローから構成されます。今期や来期の業績といった近視眼的な要素だけでは構成されません。そのため、株価が暴落してもパニックに陥らず、永続的な経済活動を考えるようにしてください。COVID-19の感染拡大の中にあっても、世の中を見渡せば、今までと変わらない経済活動が繰り広げられています。長期投資では、変化を探し求めるのではなく、永続的なものや変化しないものを投資判断の中心においてください。
長期投資のポイント② 株価下落でも再投資利回りは改善
株価が下落しても、配当の再投資利回りは長期的に改善します。例えば、ある銘柄の株価が暴落し、含み損が20%になり、配当利回りが1%上昇したとします。その場合、20年経てば暴落しなかった場合のパフォーマンスにキャッチアップでき、それ以降は上回ります。短期の含み損にとらわれず、長期的な視野でパフォーマンスを考えることで、暴落への対処は容易になります。
長期投資のポイント③ 配当利回りとその成長率が良い銘柄を選ぶ
長期投資では、配当利回りが高く、配当の成長率が高い銘柄に投資することです。例えば、株価が20%下落しても、配当利回りが7%あれば、3年でキャッチアップできます。配当成長率が高い場合も同様で、例えば、配当成長率が10%の銘柄の場合、配当を再投資すると2年で20%の含み損を解消できます。もちろん企業選別は重要です。高配当や高い成長率を維持するには、高い競争力を有し、業績が拡大し、ESG評価も高い企業を選ぶ必要があります。ただ、企業を上手く選べば、2~3年という短期間で暴落による含み損をチャラにできるのです。
DFRポートフォリオの銘柄選びは?
DFRポートフォリオの組み入れ銘柄は、現在の配当利回りと配当成長率のバランスが良い銘柄を重視していますが、成長の爆発力を利用するため、配当成長率をより重視しています。具体的には、配当利回りは市場平均を確保しつつ、成長率が高い銘柄を選ぶようにしています。目安では、ROEが市場平均より30~40%程度高い銘柄です。
高い配当成長率の銘柄を選ぶと、長期のリターンのみならず、短期の含み損も解消しやすくなります。ただ、そうすることで中小型株が中心となり、流動性や業績の下振れリスクが高まる短所があります。投資する上で大切なことは、どんな方法も長所と短所があり、良いところどりはできないということを理解することです。
暴落後に勝利するのは長期投資家だ
DFRポートフォリオの投資戦略は、多数派とは一線を画します。多数派は短期のキャピタルゲイン獲得を目指します。暴落後で言えば、巣ごもり消費の増加で恩恵を得られる銘柄に投資することなどです。私はこうした戦略は失敗すると考えます。巣ごもり消費は長期化しません。人が集まってコミュニケーションしたい、実物を見て触れたいという心の叫びを変えることはできません。
暴落時、少数派である長期投資家は勇敢になりましょう。そのためには不安をあおるニュースではなく、教科書や古典を読んでほしい。人類の蓄積した知恵やノウハウがつまっているからです。変わらない本質を見極めることが、回り道のようで最短の道です。今でも達成不可能と思える夢に向かってハードワークする経営者や、社会的に意義があるホンモノを提供する企業を応援することが、みなさまの長期の財産つくりに寄与すると考えてほしいのです。
世界に猛威を振るうCOVID-19ですが、感染症の宿命として必ず終焉します。株式相場もそれを徐々に織り込み、COVID-19との連動は薄まるでしょう。VIXは2ヶ月後には低下しています。株価が今後短期的に下げた時は残った豊富なキャッシュを使い、永続性に影響がなく、応援しがいがある企業に投資していくつもりです。
(DFR投資助言者 山本潤)
この連載は、10年で資産10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。