日本の株式相場を襲った悪夢の1週間
日本株式相場の2月最終週は悪夢の1週間となりました。株価は全面安というより崩壊状態です。1週間で株価が30%以上下落した銘柄数は200以上、25%以上下落した銘柄数は500以上、20%以上下落した銘柄数は1000以上あり、年初来安値を更新した銘柄数は連日500を超えました。日経とTOPIXが約10%下げ、マザーズが約15%下げました。
コロナウイルスの感染拡大が株価を揺るがしましたが、今後の見通しも短期では悲観的です。経済活動の停滞で、今後発表される経済指標の悪化は確実視されています。当面ダメだと思った投資家は市場から撤退し、最後に残るのが長期投資家と安定株主です。ただ、そうなると経済指標が一段と悪化しても、需給要因による株価下落は限定的です。短期売買で儲けたい人々がいない時こそ買い場です。
余裕資金の有無が、暴落時の成否を分ける
私たちは投資資金を常時リスクに浸らせる覚悟ある長期投資家です。リスクを低減するためにポートフォリオを構築して運用しています。メルマガ会員の皆様には、ポートフォリオは余裕資金の半分で構築してほしいとお願いしています。その理由の1つが、今回のような暴落時に打てる手を多く残すためです。キャッシュや余裕資金が多くあることが、今後のパフォーマンスの成否を分けます。
今回の大暴落で、派手に信用買いしたり、少数銘柄に集中投資していた投資家の中には致命的な損失を被った方も多く、市場から退場を余儀なくされた方もいるでしょう。長期投資家にとって市場からの退場こそ「死」であり、何としても回避せねばなりません。
相場は勝負の世界です。勝てれば嬉しいですが、負けるときが必ずあります。重要なのは、負け方です。同じ負けでも、良い負け方をしましょう。よい負けとは、同じ含み損があっても、次への備えを粛々と行うことです。消えかけた炎でも、次の飛躍につなげるための火種は残っています。長期投資では、安値のときに追加購入できる投資家が優位に立てます。現在、私が助言するDFRポートフォリオのキャッシュ比率は10%あり、これを来週以降活用します。
暴落時は株価上昇のポテンシャルが高い
株価は、人間が立ったり、しゃがんだりする動作に例えられます。立っているときは振動が小さく、しゃがんだときは振動が大きい。同様に立っているときの面積は小さいが、強い勢いでしゃがむとお尻や足が接地して面積が大きくなります。面積や振動の大きさは、物理学でポテンシャルと呼ばれ、上昇する力に変換されます。暴落時の株価は言わば、勢いよくしゃがんだ状態にあり、いつでも上昇できる強いポテンシャルが備わった状態と言えるでしょう。
なぜ、暴落時の株価が上昇へのポテンシャルを備えているのでしょうか。考えてみれば当たり前でリターンの見通しが高まるからです。1月のDFRポートフォリオの配当利回りは2.1%でしたが、直近では2.6%まで上昇しています。今後5年間業績が伸びて、株価が今と同じなら利回りは5%になります。低金利かつ金余りの世にあって、高い配当利回りは重力のように投資家を引きつけます。
配当を株価で割ったものがポテンシャルです。株価が下がれば下がるほど大きくなる。そう言うと、業績が悪くなると配当も下がるという人がいます。確かに短期ではそうかもしれませんが、長い目でみれば的を射ておらず、長期投資にはそぐわない考え方です。
反撃の準備を開始。DFRポートフォリオの今後の戦略は?
長期投資家の反撃はこれから始まります。いつもよりも倍のポテンシャルがあって、倍のスピードで株価が駆け上がる力が備わっているのですから。でも、残念なことに、なぜか、こういう時に限って、人々はマーケットから離れてしまうのです。踏ん張りどころです。マーケットから離れてはダメです。
今後のポートフォリオ戦略ですが、3月初旬にキャッシュを10%を使います。その後、3月~4月にかけて、株価がさらに10%下がった段階でポートフォリオの改質を行い、攻撃的な布陣にします。下がれば下がるほど、ポートフォリオの上昇ポテンシャルは大きくなります。これは相場の「物理的な特性」であって、過去の相場は例外なく、そのように分析されます。焦ることなく反撃の時を待ち、来たるべき時に反撃を開始しましょう。
(DFR投資助言者 山本潤)
この連載は、10年で資産10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。