NYダウが1日で2000ドル超安を記録
世界株安の連鎖が止まりません。3月9日にはNYダウが史上最大の下げ幅となる2000ドル超安、3月10日は日経平均が一時19000円を割れるなど大暴落が起きました。まさに悪夢のような相場です。嵐のような暴落は一旦落ち着いたようですが、当面は乱高下が続き、予断を許しません。
度重なる急落に、長期投資家の辛抱は限界に近付いているかもしれません。しかし、ここが踏ん張りどころです。萎える展開ですが、気を強く持ち続けて欲しいです。急落で溜まった上昇へのマグマが解き放たれるときが近づいています。このような異常な相場は長期化しません。私たちは歴史的な安値に立ち会っています。正常な経済を基準に考える長期投資家にとってバーゲンセールといえる株価水準です。
COVID-19の状況は明暗。アジアは収束しつつある
急落の最大の要因は、COVID-19の感染拡大で世界経済の減速懸念が強まっていることです。米国の利下げ観測もあり、為替も円高に振れやすくなり、日本株には重しです。
COVID-19の感染は、国や地域によって明暗を分けています。欧米は感染が拡大している一方、中国は封じ込めに成功しつつあり、香港や台湾も収束しつつあるようです。そして、感染者数が急増した隣国の韓国で感染者数が減少していることも注目です。
WHO事務局長は「COVID-19は、史上初めてコントロールできるパンデミックになる」と話しています。「年内いっぱいかかる」という報道が迷わせていますが、エボラ出血熱は今も監視を続けています。実質的に終焉し、人類の活動が正常化したとしても、病原体が存在する限り、対策は必要だという意味です。感染症は必ず収束するのです。
COVID-19の収束と経済正常化への見立て
今後の見立てを考えましょう。収束期間は、中国は全土で約2カ月間でした。その直後に垂直的に経済を立ち上げました。今後、台湾、香港、韓国が続くはずです。医療崩壊を回避した日本も続くでしょう。アジア経済が先に正常化し、約2カ月後に欧米経済も正常化するでしょう。世界の感染者数が減少を示した時、収束への期待が高まり、市場も安定するはずです。これは楽観論ではなく、感染症のピークから終焉までの期間を約2カ月として合理的に考えられる結論です。
株価は大きく下げているため、下値は限定的でしょう。有効需要の創出(金銭的補償を含む)や消費刺激策、金融当局との協調や一方的な為替変動の抑制など、各国政府が全力を挙げて対策しています。収束する国が増えるたびに不安は後退するはずです。長期目線で買い場であるという認識を強く持っております。じっくりとチャンスを伺い、しっかりと反撃しましょう。ただし、買いは今後数週間をかけて行い、急がないことが肝心です。
今の踏ん張りが、将来の対価に。DFRポートも反撃の買い
土地やITバブルの崩壊、リーマンショック、東日本大震災など、過去のどのような危機も思慮ある投資家たちは乗り越えてきました。長期投資に楽な日々はなく、苦労の連続です。それでも結局は、市場の陰の極でリスクマネーをさらす者が報われてきました。
暴落局面で評価損を厭わない長期投資家の度量は、側から見れば狂気を帯びているかもしれません。でも、この局面で踏ん張る、とはそういうことです。その対価は数か月後、1~2年後に大きなリターンとなるはずです。すべきことを粛々とするのみです。怯えて、不安になる時間はもったいない。気を強く持ち、人類の将来を信じ、政府を信じ、経営者を信じ、市場の機能を信じましょう。
DRFポートフォリオの助言でも、今週から反撃の買いを始めています。ただ、慌てていません。今後の一段の下落にも備えて、最後のキャッシュを残してあります。
(DFR投資助言者 山本潤)
この連載は、10年で資産10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤の超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます。