超成長株投資で資産10倍計画!

アンジェス(4563)の株価はコロナワクチン開発期待でどうなる!?先行する欧米に追い付く壁は大規模治験者の確保か。長期投資の王道ではないが、応援したいなら買いも山本潤の超成長株投資の真髄 第80回

2020年9月30日公開(2022年3月29日更新)
山本 潤
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

世界の中でコロナワクチン開発で健闘するアンジェス(4563)

 創薬ベンチャーのアンジェス(4563)は、従業員数がわずか30人台の会社にも関わらず、新型コロナワクチンのグローバルな開発競争で健闘しています。大阪大学医学部附属病院での治験も始まっています。

 同社の株式時価総額は約1780億円(9月30日終値)と市場から高い評価を受けています。今期上期の業績は売上が0.16億円、17億円の営業損失でした。同社への注目が増したのは新型コロナのワクチン開発に名乗りをあげたからでしょう。コロナ以前の株価は500円程度でしたが、5月には2000円を突破。その後はやや下落したとはいえ、9月30日の終値で1448円の高値を維持しています。

従来の生ワクチンより安全な不活性化ワクチンを開発

 ワクチンとは病気の抗体を作るために接種するものです。人間の免疫システムは特定の病気を記憶でき、病気にかかると抗体ができることでウイルスを検知し撃退することができます。これを獲得免疫と言います。病気に一度かかった人も獲得免疫はできます。免疫には獲得免疫以外にも、病気を自然に撃退する自然免疫があります。自然免疫が強い人は病気にかかりにくいのです。

 ワクチンは主に従来の生ワクチンと不活性化ワクチンの2種類があります。BCGなどは生ワクチンで、これはウイルスや病原菌を弱体化して病原性を弱めてから接種し、軽い「病気」にならさせて抗体を作る捨身の戦法です。病気そのものにかかるため安全とは言えません。

先行する欧米はフェーズ3で大規模治験を実施

 一方、より安全なのが、不活性化ワクチンです。これは病原性がない抗原を接種するためより安全と言えます。種類は様々ありますが、1つはウイルスベクターと呼ばれるタイプで、英オックスフォード大学が開発に成功しました。病原性がない理由は、人ではなくチンパンジーに対して風邪の病原性を持つアデノウイルスを加工して無害化させたものだからです。(チンパンジーの風邪ウイルスを人工的に変形させたものと言っても、人間の体の中でどういう反応が起こるかは予期できないですが)

 もう1つは米モデルナ社などが開発した不活性化ワクチンのmRNAタイプです。mRNAを脂質ナノカプセルに封入します。これらオックスフォード(英アストラゼネカ)、米モデルナ、独ビオンテック(米ファイザー)らのワクチンを日本政府は大量に買い付ける予定です。

最大の難関は、感染少ない国内での治験ボランティアの大量確保

 一方、アンジェスが開発中のワクチンはDNAタイプです。これはコロナウイルスのスパイク部分だけを選択的に環状DNAに結合させたもの。環状にすることで分解を防ぎ、大腸菌に培養させます。

 オックスフォードのワクチン開発はフェイズ3に入っています。現在、世界で数万人規模の治験を行っていますが、ここを乗り越えることが最大の難関と言えるでしょう。一方、アンジェスも来年の製品化を目指していますが、治験ボランティアが見つかるかどうかがリスクと言えます。理由は、日本のように感染拡大が下火で、重篤な患者がほとんどいない状況でボランティアが集まりにくいからです。

 現在、国内における新型コロナの重篤の患者数は全国で100~200人程度です。死者も1000人台と少ないです。インフルエンザのように若年層が死ぬ危険もほとんどありません。周囲の人に「コロナのワクチンができたら打ちますか?」と聞くと「打ちません。怖いから」という答えが大半です。病気自体が日本では弱毒で、遅かれ早かれインフル未満の病気という扱いになるのが短期投資リスクでしょう。

長期投資の王道銘柄ではないが、アンジェスは応援したい会社

 アンジェスはワクチンだけではなく新しい治療薬も期待されています。疾患を軽減するタンパク質をワクチンとほぼ同様の仕組みで体内の細胞で作り出す新しい薬です。これは遺伝子医薬と言われています。創薬は1つ成功すれば特許で守られているため大きな収益になります。

 同社の短期的なリスクは社会的なワクチンの開発需要が下火になることですが、遺伝子医薬の分野で様々な取り組みをしているので、それらが成功すれば投資が報われる可能性があります。競争の厳しい新分野ですがアンジェスにはぜひ頑張ってもらいたいですね。

 投資は長期の見通しがよいものを長期保有するのが王道です。バイオ株はおしなべて創薬で当たればラッキー、外れたらごめんなさいという「宝くじ」的な要素が強いので、私が助言するDFRポートフォリオには組み入れません。しかし、短期的な収益回復を見込んで1~2年で2倍程度の株価を目指すリバウンド狙いの銘柄は組み入れていますので、興味のある方はメルマガを購読してみてください。

(DFR投資助言者 山本潤)

 この連載は、10年で資産10倍を目指す個人のための資産運用メルマガ『山本潤 10年で10倍を目指す! 超成長株投資の真髄』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページでさらに詳しい銘柄分析や、資産10倍を目指すポートフォリオの提案と売買アドバイスもご覧いただけます

アンジェス(4563)/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)


太田忠の勝者のポートフォリオはこちら!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

大企業で1億円
NISA投信グランプリ
チャート入門

6月号4月21日発売
定価950円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[大企業で10倍株!]
◎第1特集
ソニーやサンリオ、JALなど92銘柄
大企業で10倍株!

●日本が誇る大爆騰株!最強10倍株
●夢を買う!次世代テーマ10倍株
●現実的に狙う!手堅い実力10倍株

●若手アナリスト&編集部員が発掘!
株価10倍になるZ世代株
●株価がすべて200円未満!激安10倍株
●オリエンタルランドや東京エレクトロンは?低迷大型株を売り買い診断

◎第2特集
第3回ダイヤモンド・ザイNISA投信2025
グランプリ宣言!
ザイは毎年、個人投資家目線でNISAで買いの投信を表彰します!

●日本株総合部門
●日本中小型株部門
●米国株部門
●世界株部門
●新興国株部門
●リート部門
●フレッシャー賞
●ダメなモンはダメと言います!期待ハズレな残念投信3本を今年も発表!

◎第3特集
値上げに勝つ!インフレ時代の最強節約術77
●コメの値上がりが家計を直撃!食費のワザ
●省エネで家計を守る!光熱費のワザ

●惰性で払っている固定費を点検!生活費のワザ
●もらえる制度はフル活用!医療&教育費のワザ
●資産40億円の億り人マサニーさんの節約術

【別冊付録】
3回集中講座の第1回!
買い時・売り時がQ&Aでわかる!チャート入門
「チャートのつくりとトレンドの読み方」

◎連載リニューアル!
●プロがこの先1カ月の日本株のポイントを解説&ガチ予測!
●3カ月先を読む「日本株」と「為替」の透視図

◎いつもの連載も充実
●ZAiのザイゼンがチャレンジ!目指せ!お金名人Vol.09
●17億円トレーダー・ジュンのFX成り上がり戦略Vol.04
●10倍株を探せ!IPO株研究所2025年3月編
●おカネの本音!VOL.34 オモロー山下さん
●株入門マンガ恋する株式相場!VOL.102
●マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
●人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報