2023年に時価総額4倍を目指すプレミアグループ(7199)
プレミアグループ(7199)は、中古車ローン事業を軸に業況を拡大する会社です。国内の中古車の年間販売台数は約350~450万台で、そのうちの約3分の1がローンを組んで購入すると言われています。中古車を1台を購入する際に組む平均ローン額が100万円とすると、市場規模は1兆5000億円程度になります。
同社の中古車ローンの年間取扱金額は1700億円で、シェアは10%を超えた程度です。7年前のシェアは4%だったので約3倍になり、株式時価総額は約250億円まで増加しました。同社は2023年に株式時価総額1000億円を目指しています。現在と比べて約4倍という高い目標ですが、達成できるのでしょうか。
中古車ローン事業のシェアが短期間で3倍になった理由
同社が中古車ローン事業のシェアを急拡大させた理由は何点かあります。まずは、競合である大手信販会社は中古車ローンに特化しておらず、営業のフォーカスが定まらないこと。また多くが銀行の子会社であるという制約もあって、故障保証などの周辺業務に手を出せないことです。
そんな中、同社は直販営業で顧客への訪問頻度が高め、顧客とよき信頼関係を築いてきました。また、同業他社がオートローンの営業であるのに対して、プレミアグループは中古車販売業者の経営をサポートすることを意識しています。様々な新商品や提案を新たにすることで、顧客の生産性を高めてきたのです。今後も同事業のシェアは着実に高まっていくでしょう。
シェアを独占する故障保証事業も成長し、利益は数倍に
中古車ローン事業に次いで柱となるのが故障保証事業です。前金を払えば保証期間中の故障などに対応するサービスです。故障保証は、中古車購入者の1割が利用している状況です。この市場は10年前はほぼゼロでした。同社が創造し育てた市場であり、シェアをほぼ独占しています。
故障保障事業を手がけるメリットは、ローンを組まない購入者にも訴求できる点です。現在、1割程度の利用率は近い将来2~3割に伸びて、同事業の利益は数倍になると考えています。営業する相手が同じ中古車販売業者のため営業効率が高い点も利益率の向上に寄与するでしょう。
第3の柱を目指す車検&部品交換サービス事業
第3の柱を目指している事業が車検や部品交換サービスです。全国にある1700の整備工場をネットワークし、部品会社も買収するなどして事業環境を構築。環境に配慮したリペア部品やリサイクル部品を使って、車の長寿命化に貢献します。故障保証事業の原価率も大きく改善できる見通しです。
優秀な整備工場には「FIXMAN Club」に入会してもらい(入会金50万円、年間費50万円)、豊富な仕事を提供します。FIXMAN Clubのビジネスは始まったばかりです。将来的には3000の整備工場をネットワーク化し、買収したシステム会社のソフトプランナーが整備工場に特化したソフトを提供。将来、自動車業界向けシステムインテグレーターのブロードリーフ(3673) を追随する可能性を秘めています。
DFRポートフォリオでも運用当初から保有
新車ではなく環境に優しい中古車を大切に長く使う機運が盛り上がりつつある中、同社はESGの観点でも評価される余地があると考えます。若い会社ですが、離職率が低く社員を大切にする会社です。難点は財務内容で、自己資本比率が9%と低いこと。ただ、エクイティファイナンスの予定は当面はないとのこと。配当利回りは2%を超えており、株価の現状のバリュエーション(割安性)も低位です。
2023年に時価総額1000億円という目標は、私は肉薄するところまでいけると期待しています。長期的に応援できる企業であり、DFRポートフォリオに運用当初から組み入れている銘柄の1つです。
(DFR投資助言者 山本潤)
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